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22 殻の中 2
しおりを挟むムクッ!!
今まで、動かそうとも起きもしなかったシェインが体を起こす。
「目覚めたか?」
さあ、どんな顔で驚いてくれるものかと、顔を覗き込めば、濃い緑の瞳はガラット王子を映す間も無く寝具へ向けられ、ゴソゴソと掛け布団の中に潜って行く……
終いには、
「旦那様、起こさないでくださいね……あの方の、夢を……見るの、だから……」
シェインは篭る、自分の殻の中へ……
一連の流れを見て呆然……体に纏う光はそのままに、スヤスヤと丸まって眠り出したシェインをただ見つめるしか無かった……
「プッフフフフ…」
初めてだ、こんなに人間臭く笑うのなんて…
込み上げてくる笑いが止まらない。自分とシェインのこんな一面を知れる楽しみがまだ待っていようとは。
心を惹きつけて止まないシェインは、太陽の光を空から降ろしてしまったというのに、それにも気づかず未だに夢の中での逢瀬を望む。
「だめだ、シェイン、鈍感が過ぎるぞ……人は笑い死ぬ事も有るのかと身をもって体験するところであった…」
さて、これからどうしてくれようか?力尽きたのが原因で気が付かないかと思いきや、もうシェインの元々の性質の様な気がしてきた。
ひっそりと人間となってここに居るが、もう遠慮などしなくても良い様な気がしてきた。
「シェインリーフ、良く休んだらまた私を見ておくれ。隠し立て無くお前には私を見てもらいたい。」
……そう思うなら早く一人にさせてあげなさいな。殻の中に貴方が居たら眩しすぎて休めませんよ………
「分かっている。この子の前でこの姿でいることが出来るのはいいな…もう、これでいるか?」
……やめてくださいね。騒ぎになる所では無いでしょうから。やるならこの子の前でだけです……
静かにメアリーの声が頭に響く。
本来なら精霊同士の会話はほぼ筒抜けと言っても良いほどシェインにも届くはず。けれどシェインは、強情にも自分の中に引きこもる。それだけ縋るものが大きい証拠とも言える。
それが自分であればいいと、こそばゆい事を考えてしまう程にシェインにガラット王子は囚われているのだ。
何度とした口付けを額にゆっくりと落としては嬉しそうに微笑み、そっと殻のドアを閉めた。
「メアリー、如何やら消極的な私では気が付いてもらえない事がわかった。これからは全面的にあれを落しにかかろう。」
……嫌われない程度になさって下さいね。私もあの子に嫌われたくはありませんよ……
以前より、真実を告げろと言ってきたメアリーは反対の声を上げるはずも無かった。
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