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5 王座に座る者3
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サウスバーゲン王国の歴史は古い。国土の変化は都度あれど古記、歴史書、伝承より数百年の歴史を持つ。
この世界の大地は魔力を有している。どの様にして作られているのか、どこから来るのか未だ解ってはいないが、大気中に空気が有るのと同じく、自然とそれは有ったのである。
生きる者にとって環境から影響を受けることは至って不思議なことではない。植物、動物は元より人も例外なく影響を受けており、そして時に生まれながらにして魔力を有する者が生まれてくるのだ。魔法を使えるものは皆この類の生まれである。
植物、動物においては、自在にこの魔力を使い何かの現象を起こすというより身体的な能力が上がるとか、繁殖力が上がるとか、個体の大きさが変化したり、味や、作用、効用に変化が出る事がわかっている。その変化も個々により一様ではない。判別のためには専門の知識が必要なようだ。
人も同様で、自分が魔力を持っている事さえ気がついていない者、手の中に少しの水を出せるとか、植物の成長を助けたり、土を掘り起こしたり火を出したり、ほんの小さな事から竜巻を起こすなどの大技を操れる者まで出てくる。
そのほとんどの能力は生活の一部として大いに役立てることができる為、砂地や、山岳地帯、湿地や雪山でさえも生活するには彼らにとって問題ない場所であり、一昔前までは魔力を持った人々の小さな村や町が大陸の至る所に点在していた。
しかし、徐々にその様相に変化が見られてくる様になる。魔物の出現が多くなって来たのだ。動物などが多大な魔力を有した時に魔物化する事は分かってはいたが、その出現率が自然に発生するであろう頻度より明らかに多くなってきたのである。勿論、自分の家や村を守るため、村々は協力し、腕利きの者達が討伐に出るのは当然のことだ。
魔物の出現数が上がるのと同時に魔力持ちの人々が襲われる様になった。そして村々が点在していたのが事態の悪化に拍車をかける。肥沃ではない地に住んでいた村の住人数は多くはない。襲われ、滅びても周囲に知らせることが出来なければ気付くのは遅くなる。結果多くの村の魔力持ちが行方不明、および死体で発見される事態となった。
一定数の魔力持ちは生き残ることができた。それは、魔物であろうと何であろうと襲われても自身の力で生き抜く事ができる者だ。
各自の村々を守りつつ、周囲と結合し、村は街に、街は国となり自衛手段を強めて行くことになる。
しかし、ある事件から魔力持ちが誰に襲われているかはっきりとする。魔力持ちの孤児を集めた、慈善の裏の残虐な行為が魔力持ちを襲う首謀者を浮き彫りにしたのだ。
ある裕福な者が山間に大きな屋敷を建てた。そこに集められた孤児は一定の年齢になると姿を消す。奉公やら、養子やら、結婚やら理由は沢山つけられたものだった。山奥にあった屋敷であり普段人が近寄らないのも発見が遅くなった原因の一つだろう。
周囲の住民が、孤児の子供達の為に肉を届けようと山の中で狩りを始めた所、餌を漁っていた魔物に遭遇する。何とか魔物を駆除したものの食べていた獲物が問題だった。
魔物が食べていたのは人間の子供だったのだ。
人間が魔物に襲われるのはままある事で珍しい事件ではないが、食べられていた遺体は一体ではなく、複数体あったという。そして問題になるのが、獣の襲撃による損傷ではない刃物傷が全ての遺体にあり、尚且つ心の臓が抜き取られていたのだ。すぐ様近隣住民の知るところとなるが、犠牲となった子供達は近隣村の子供ではなかったのである。
考えられる場所は孤児院であった。腕に自信のあるものを集め、孤児院への捜索が開始されるも時すでに遅く、孤児院に集められていた全ての子供の、心の臓は抜き取られた後だったのである。
痛ましい事件が起こったものである。話す方も聞く方も最悪の気分になる。顔色の悪くなるサウラに大丈夫か、との声がかかる。はっきり言って大丈夫では無いし、もうこれ以上詳しくは聞きたくも無いものだが、自分が巻き込まれた土台となる話だ。聞かないわけにはいかないだろう。微かに頷きシエラに続きを促す。
屋敷の持ち主はゴアラ人の男。周辺の村の人々には愛想の良い男だと受け入れられていた。魔力持ちが苦手と話していながらも子供達を引き取り育てるとは、何と慈愛心に溢れる人だろうかと評判だったそうだ。
当時も魔力を持たない人々はいた。その人達から見れば魔力の理解は難しく魔法は摩訶不思議なものであっただろう。苦手だとする人がいても何ら不思議ではなく、この男の行いは称賛に値するものでさえあった。
しかしこの事件発覚時、屋敷の中には男は元より使用人、小間使、男の故郷より時折りやって来ては滞在している客人も全て、殺されてしまった子供たちの他誰も居なかったのである。勿論抜き取られた臓器の行方もわからない。この後数十年に渡り同様の事件が相次ぐ。
捕らえた数名の者からの言によると、ゴアラの民は魔力があること事態受け入れられるものではないのだそうだ。魔力を持つ植物、動物、勿論人間も。彼らにとっては排除すべき、どうしても生かしておいてはならない存在でしかない。当時そこここで起きていた事件や諍いからは、埋める事の至極難しい溝があることを知ることになったのである。
この世界の大地は魔力を有している。どの様にして作られているのか、どこから来るのか未だ解ってはいないが、大気中に空気が有るのと同じく、自然とそれは有ったのである。
生きる者にとって環境から影響を受けることは至って不思議なことではない。植物、動物は元より人も例外なく影響を受けており、そして時に生まれながらにして魔力を有する者が生まれてくるのだ。魔法を使えるものは皆この類の生まれである。
植物、動物においては、自在にこの魔力を使い何かの現象を起こすというより身体的な能力が上がるとか、繁殖力が上がるとか、個体の大きさが変化したり、味や、作用、効用に変化が出る事がわかっている。その変化も個々により一様ではない。判別のためには専門の知識が必要なようだ。
人も同様で、自分が魔力を持っている事さえ気がついていない者、手の中に少しの水を出せるとか、植物の成長を助けたり、土を掘り起こしたり火を出したり、ほんの小さな事から竜巻を起こすなどの大技を操れる者まで出てくる。
そのほとんどの能力は生活の一部として大いに役立てることができる為、砂地や、山岳地帯、湿地や雪山でさえも生活するには彼らにとって問題ない場所であり、一昔前までは魔力を持った人々の小さな村や町が大陸の至る所に点在していた。
しかし、徐々にその様相に変化が見られてくる様になる。魔物の出現が多くなって来たのだ。動物などが多大な魔力を有した時に魔物化する事は分かってはいたが、その出現率が自然に発生するであろう頻度より明らかに多くなってきたのである。勿論、自分の家や村を守るため、村々は協力し、腕利きの者達が討伐に出るのは当然のことだ。
魔物の出現数が上がるのと同時に魔力持ちの人々が襲われる様になった。そして村々が点在していたのが事態の悪化に拍車をかける。肥沃ではない地に住んでいた村の住人数は多くはない。襲われ、滅びても周囲に知らせることが出来なければ気付くのは遅くなる。結果多くの村の魔力持ちが行方不明、および死体で発見される事態となった。
一定数の魔力持ちは生き残ることができた。それは、魔物であろうと何であろうと襲われても自身の力で生き抜く事ができる者だ。
各自の村々を守りつつ、周囲と結合し、村は街に、街は国となり自衛手段を強めて行くことになる。
しかし、ある事件から魔力持ちが誰に襲われているかはっきりとする。魔力持ちの孤児を集めた、慈善の裏の残虐な行為が魔力持ちを襲う首謀者を浮き彫りにしたのだ。
ある裕福な者が山間に大きな屋敷を建てた。そこに集められた孤児は一定の年齢になると姿を消す。奉公やら、養子やら、結婚やら理由は沢山つけられたものだった。山奥にあった屋敷であり普段人が近寄らないのも発見が遅くなった原因の一つだろう。
周囲の住民が、孤児の子供達の為に肉を届けようと山の中で狩りを始めた所、餌を漁っていた魔物に遭遇する。何とか魔物を駆除したものの食べていた獲物が問題だった。
魔物が食べていたのは人間の子供だったのだ。
人間が魔物に襲われるのはままある事で珍しい事件ではないが、食べられていた遺体は一体ではなく、複数体あったという。そして問題になるのが、獣の襲撃による損傷ではない刃物傷が全ての遺体にあり、尚且つ心の臓が抜き取られていたのだ。すぐ様近隣住民の知るところとなるが、犠牲となった子供達は近隣村の子供ではなかったのである。
考えられる場所は孤児院であった。腕に自信のあるものを集め、孤児院への捜索が開始されるも時すでに遅く、孤児院に集められていた全ての子供の、心の臓は抜き取られた後だったのである。
痛ましい事件が起こったものである。話す方も聞く方も最悪の気分になる。顔色の悪くなるサウラに大丈夫か、との声がかかる。はっきり言って大丈夫では無いし、もうこれ以上詳しくは聞きたくも無いものだが、自分が巻き込まれた土台となる話だ。聞かないわけにはいかないだろう。微かに頷きシエラに続きを促す。
屋敷の持ち主はゴアラ人の男。周辺の村の人々には愛想の良い男だと受け入れられていた。魔力持ちが苦手と話していながらも子供達を引き取り育てるとは、何と慈愛心に溢れる人だろうかと評判だったそうだ。
当時も魔力を持たない人々はいた。その人達から見れば魔力の理解は難しく魔法は摩訶不思議なものであっただろう。苦手だとする人がいても何ら不思議ではなく、この男の行いは称賛に値するものでさえあった。
しかしこの事件発覚時、屋敷の中には男は元より使用人、小間使、男の故郷より時折りやって来ては滞在している客人も全て、殺されてしまった子供たちの他誰も居なかったのである。勿論抜き取られた臓器の行方もわからない。この後数十年に渡り同様の事件が相次ぐ。
捕らえた数名の者からの言によると、ゴアラの民は魔力があること事態受け入れられるものではないのだそうだ。魔力を持つ植物、動物、勿論人間も。彼らにとっては排除すべき、どうしても生かしておいてはならない存在でしかない。当時そこここで起きていた事件や諍いからは、埋める事の至極難しい溝があることを知ることになったのである。
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