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「ええ!聖女カナール様と同じ技をお使いになれる方は世界広しといえどもどこにも居られないでしょう!」
「そう?では、私はあの新参者よりも上よね?」
「新参者…ですか?」
「ええ、そうよ。アールスト様に纏わりついている目障りな聖女よ…」
「聖女ルーチェリア様は瘴気そのものをその場で浄化してしまわれるとか…」
「…何ですって?」
「稀有な方ですよね?聖女の方々は大なり小なり瘴気に影響を受けてきますのに、あの方は全く影響がないそうなんですよ。」
影響がない…?それは完全に瘴気を払い清めているという事だ…ただここに封じているだけではなくて…………
「本当に……目障りだこと………!!」
中央神殿の地下には更に地下神殿がある。そこは世界各国から集められた瘴気が一気に集約される所だ。中央神殿の歴史は数百年以上にも渡るものだ。その間聖女達の努力と犠牲によって集められた瘴気という瘴気が今もドロドロと渦巻いているのだという。近年、その瘴気があろう事か神殿の地下から漏れ出し地上に現れ出したのだ。もちろん地下神殿には強力な聖女の結界がかかっている。現在も現役の聖女達が昼夜を問わず結界を補強し守っているのだがそれがあっても瘴気は漏れ出る所から、中央神殿の幹部達は暗黙の了解の内に神殿自体の限界をヒシヒシと感じ取っている。
「瘴気を全て浄化するではダメなんですか?」
ルーチェリアの最近の疑問である。
「ダメではありません。それも一つの解決方法かもしれません。が、ここにいる誰もが地下神殿を見た事がないのです。」
ルーチェリアの疑問にアールストは素直に答えた。
「見たことがない…?入り口が塞がれているのですか?」
何百年も経っていたらそれはそれは老朽化が目立っていることだろうから。
「いいえ…ここには地下に入る入口さえないのですよ。」
全くハテナ、な状況であるものだ。地下があるのならば入り口がなければそれを確認もできないだろうに?
「フフフフ…聖女ルーチェリア様、非常に素直な方ですね。」
クスクスと楽しげに神官長フリヤー・レストールは笑いが止まらないらしい。
「私です。」
「何がですか?」
「聖女ルーチェリア様。神官長である私、フリヤー・レストールが地下神殿の鍵であり門番なのです。」
「そう?では、私はあの新参者よりも上よね?」
「新参者…ですか?」
「ええ、そうよ。アールスト様に纏わりついている目障りな聖女よ…」
「聖女ルーチェリア様は瘴気そのものをその場で浄化してしまわれるとか…」
「…何ですって?」
「稀有な方ですよね?聖女の方々は大なり小なり瘴気に影響を受けてきますのに、あの方は全く影響がないそうなんですよ。」
影響がない…?それは完全に瘴気を払い清めているという事だ…ただここに封じているだけではなくて…………
「本当に……目障りだこと………!!」
中央神殿の地下には更に地下神殿がある。そこは世界各国から集められた瘴気が一気に集約される所だ。中央神殿の歴史は数百年以上にも渡るものだ。その間聖女達の努力と犠牲によって集められた瘴気という瘴気が今もドロドロと渦巻いているのだという。近年、その瘴気があろう事か神殿の地下から漏れ出し地上に現れ出したのだ。もちろん地下神殿には強力な聖女の結界がかかっている。現在も現役の聖女達が昼夜を問わず結界を補強し守っているのだがそれがあっても瘴気は漏れ出る所から、中央神殿の幹部達は暗黙の了解の内に神殿自体の限界をヒシヒシと感じ取っている。
「瘴気を全て浄化するではダメなんですか?」
ルーチェリアの最近の疑問である。
「ダメではありません。それも一つの解決方法かもしれません。が、ここにいる誰もが地下神殿を見た事がないのです。」
ルーチェリアの疑問にアールストは素直に答えた。
「見たことがない…?入り口が塞がれているのですか?」
何百年も経っていたらそれはそれは老朽化が目立っていることだろうから。
「いいえ…ここには地下に入る入口さえないのですよ。」
全くハテナ、な状況であるものだ。地下があるのならば入り口がなければそれを確認もできないだろうに?
「フフフフ…聖女ルーチェリア様、非常に素直な方ですね。」
クスクスと楽しげに神官長フリヤー・レストールは笑いが止まらないらしい。
「私です。」
「何がですか?」
「聖女ルーチェリア様。神官長である私、フリヤー・レストールが地下神殿の鍵であり門番なのです。」
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