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中央神殿…その名の通り聖女を祀る神殿の世界の中心とも言える場所である。どの国にも属せずまだ支配を受けず、独自の統治の中で約数100年間その歴史を守ってきた神殿だ。中央神殿のその敷地は小さな都市位の広さ位はあるだろうと言われるほど広大な神殿であった。
静養のために中央神殿への訪問を決めたルーチェリアの周囲の者達、アールストと神殿侍女達の動きはいつもに増して素早いものだった。いつでも聖女の為に馳せ参じる事をモットーとする彼らの事。手続きから旅支度まで全ての事が終わるまで、ルーチェリアはただ部屋のソファーに座って彼等がテキパキと面倒事を片付けて行くのをぼうっと眺めていただけであった。
中央神殿はトルンフィス王国を出て数国跨いだ先にある。直線上動いたとしても馬車で移動して数日掛かり、トルンフィス王国を出た事のないルーチェリアにとっては馬車の中から見る物全てがもの珍しくちょっとした観光気分で少しも退屈などしない旅となった。
うわぁ…カントリーロードだ~
広大な土地にいつまでも続く道…牧歌的であったり可愛らしい街並みを超えたり…
「ルーチェリア様、楽しそうですね?」
馬車の中のルーチェリアは体調を崩す事もなく外の景色を目一杯楽しんでいる様子だ。
「え?そう見えます?」
旅行は好きだ。非現実的な世界は自分が解放された様なそんな気持ちにさせてくれるから。そして初めて見る景色は心を躍らせてくれる。もうこの世界に来た瞬間からルーチェリアの中の緋香子にとっては長い長い旅行に来ている様な気がしないでもないのだが。それに懸念事項だった旅行の準備も上手くいきルーチェリアはホクホクだった。
「ですがどこに行っても聖女様と言う事を知らしめる為にはこちらの方が…」
いつもどこから出すのだろう。アールストの手には聖女の衣が恭しく乗せられている…対し、ルーチェリアは小花を散りばめた上質な綿のワンピースに小花が散りばめられた軽やかな帽子。
良家の子女と直ぐにわかる良質な作りだが動きやすく何より、綿!
アールストが出発日の朝に馬車の確認に行った隙をついて、ルーチェリアは前日に用意していたこのスタイルにさっさと着替えを済ませ、ニッコリと笑って待っていたのだった。
静養のために中央神殿への訪問を決めたルーチェリアの周囲の者達、アールストと神殿侍女達の動きはいつもに増して素早いものだった。いつでも聖女の為に馳せ参じる事をモットーとする彼らの事。手続きから旅支度まで全ての事が終わるまで、ルーチェリアはただ部屋のソファーに座って彼等がテキパキと面倒事を片付けて行くのをぼうっと眺めていただけであった。
中央神殿はトルンフィス王国を出て数国跨いだ先にある。直線上動いたとしても馬車で移動して数日掛かり、トルンフィス王国を出た事のないルーチェリアにとっては馬車の中から見る物全てがもの珍しくちょっとした観光気分で少しも退屈などしない旅となった。
うわぁ…カントリーロードだ~
広大な土地にいつまでも続く道…牧歌的であったり可愛らしい街並みを超えたり…
「ルーチェリア様、楽しそうですね?」
馬車の中のルーチェリアは体調を崩す事もなく外の景色を目一杯楽しんでいる様子だ。
「え?そう見えます?」
旅行は好きだ。非現実的な世界は自分が解放された様なそんな気持ちにさせてくれるから。そして初めて見る景色は心を躍らせてくれる。もうこの世界に来た瞬間からルーチェリアの中の緋香子にとっては長い長い旅行に来ている様な気がしないでもないのだが。それに懸念事項だった旅行の準備も上手くいきルーチェリアはホクホクだった。
「ですがどこに行っても聖女様と言う事を知らしめる為にはこちらの方が…」
いつもどこから出すのだろう。アールストの手には聖女の衣が恭しく乗せられている…対し、ルーチェリアは小花を散りばめた上質な綿のワンピースに小花が散りばめられた軽やかな帽子。
良家の子女と直ぐにわかる良質な作りだが動きやすく何より、綿!
アールストが出発日の朝に馬車の確認に行った隙をついて、ルーチェリアは前日に用意していたこのスタイルにさっさと着替えを済ませ、ニッコリと笑って待っていたのだった。
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