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 ルーチェリアと神殿から遣わされてきている神殿侍女と聖女を守る聖女の護衛騎士対ルーチェリアの両親と言う構図でルーチェリアの部屋の中の人々の配置図が完成したのはつい先頃…

 入浴も終わって、国王から貰ったさてどうしようかと悩む手紙を読んだ後には両親が部屋へ訪ねてくると言うイベントまで発生……

 ルーチェリアは先程入浴を終えたばかりの室内着に化粧もしてないすっぴん顔で、もうこのまま寝ても良いです、を準備万端にしていたわけだ。

 しかし両親が訪室するとわかると、アールストがスッとどこからとも無く聖女の衣をテーブルの上に出してきたけど、それは華麗に無視してそれはテーブルの上に置かれたまま今に至る。

「コホン…お父様、お母様…」

 
 これで良いのよね?ルーチェリアのご両親なんだから…?


「今宵はなんのご用事で?」

 目が覚めてからちゃんと真正面から会って両親という人たちの顔を見たのはこれで2回目くらいだと思う。ルーチェリアの食事は自室でだし、聖女の仕事云々に関しては書類の受け渡しでも事足りるから…

 目の前にはルーチェリアのご両親がすまして鎮座してまして家族であるのに居心地が悪いったらないものだった。

「これが、今日王城から届いたのだ…」

 父、カルンシス公爵は見覚えのある封筒をスッと差し出してきた。

「これ……?」

「トルンフィス王家からの物と同じですね?」

 ルーチェリアが全てを言う前にアールストが答えていた。

「あぁ。そうなのだ…」

 公爵はほとほと困ったと言う表情で深いため息をつく。

「それでこれが聖女殿とどの様な関係が?」

「聖騎士殿。それは国王陛下からの書状だ…我らカルンシスは次期公爵を国王陛下に立ててもらわなければならない。」

 そうなのだ。それはルーチェリアの身体が弱く後を継ぐような結婚も望めなかったため。

「ええ。存じております。」

「その為に国王陛下の心象を悪くする事はできないのだ。」

 次期公爵は国王陛下の匙加減一つで良い方にも悪い方にも決まってしまうからだ。

「それで、トルンフィスの国王はなんと?」

「聖女…ルーチェリアを借り受けたいと…」

「話になりません。神殿を通してください。」

 詳細を聞くまでもなくアールストはこの申し出を断った。

「アールストさん…!」


 ちょちょちょ…国王様だよ?国王陛下の申し出なのに!


 聖女の出動、遠征は神殿が管理するものだ。聖女の出現を神託と併せて聖騎士が派遣されその力を見定める。各国からの聖女要請はその後神殿まで届けられるもので先のマンル山の時もその手順を追ったはずである。
 

 
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