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16 ルシーの婚約者 2
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ルシュルト・クル……?
その後も両親やカザラント子爵家の人々に聞いてもどこの誰とは身分さえ教えてはくれず……
「う~~ん……?」
(ルシーに婚約者の事を聞いた折に出てきた人物という事はこの人がルシーの婚約者でいいの?)
身分くらい知っておかないと挨拶の折に何か失礼をするのではないだろうか?
「サ~~ラ?」
一人でうんうん考え込んでいる時に、ルシーに眉間をツン、と突かれた。
「あ、なぁに?」
「話を聞いていなかったね?」
プゥ、と頬を膨らませた様なルシーの顔がすぐ近くに…
(可愛い……!)
ルシーはどんな表情でも綺麗で可愛い!幼い頃もそう思っていたけれど、大人になっても改めてそう思う。それに今は明日のお茶会に来ていくドレスを選び中で、あれこれドレスを身体に当てて鏡の前に立つルシーも花の様に綺麗だ。
「もう、心ここに在らずっていう感じね?これはどう?」
「わ!御免なさい!ルシー。あ、その青の花柄!素敵ね。」
「そう?やっぱりサラこれ好き?」
「ええ!」
「フフ、じゃ、色違いにしよう?」
「え?私と?」
「そう!昔みたいに、お揃いでね?」
「わぁ!良いの?あ、でも、婚約者の方に贈られた物があるんじゃ?それに高位の方も来るのでしょう?私みたいな一般市民が、貴族のご令嬢と一緒なんて事になったら、何か反感を買うのでは?」
初めての王都に初めての貴族のお茶会、初めての高位貴族の方々である。何があるか分からないし、市民が王城に紛れ込むなどとそんな恐れ多い事をしようというのだから目立たないことに越した事はないと思う。
「まぁ、まだそんな事を言っているの?もう!皆様サラが来る事をご存知なのよ?今更逃げも隠れも出来ないのだからここはお揃いで揃えてしまった方が印象は良いわ。」
(そ、そうかしら……?)
王都に長くいるルシーの話なのだから間違ってはいないのかもしれないが、なんともサラータには腑に落ちない…
「サラは、これ嫌い?」
ルシーとお揃い……ルシーは青を基調として白い差し色にドレスの裾に白い花が散っているドレスで、サラータには白を貴重に青の差し色でこちらもドレスの裾に青の花が散っているドレス…
はっきり言って、嬉しくない訳がない…!ルシーが来ている所を早く見たいし、自分もそれを来て隣に並びたい!それを周りが許してくれるのならば………
「嫌いじゃないわ…ルシー、とっても可愛い…!」
「ね?そうでしょう?貴方にも着て欲しくてお婆様と一緒に選んだのよ?子爵家のお客様ですもの。ね?大丈夫だから一緒に着よう?」
大好きなルシーにここまで言われてしまっては…
「分かったわ。私もそれを着る…!」
なんて言われるのか、とても怖いけど……でも、またこうやってルシーとおしゃれを楽しめるなんて、正直に言ってサラータの中ではワクワクの方が優っていた。
その後も両親やカザラント子爵家の人々に聞いてもどこの誰とは身分さえ教えてはくれず……
「う~~ん……?」
(ルシーに婚約者の事を聞いた折に出てきた人物という事はこの人がルシーの婚約者でいいの?)
身分くらい知っておかないと挨拶の折に何か失礼をするのではないだろうか?
「サ~~ラ?」
一人でうんうん考え込んでいる時に、ルシーに眉間をツン、と突かれた。
「あ、なぁに?」
「話を聞いていなかったね?」
プゥ、と頬を膨らませた様なルシーの顔がすぐ近くに…
(可愛い……!)
ルシーはどんな表情でも綺麗で可愛い!幼い頃もそう思っていたけれど、大人になっても改めてそう思う。それに今は明日のお茶会に来ていくドレスを選び中で、あれこれドレスを身体に当てて鏡の前に立つルシーも花の様に綺麗だ。
「もう、心ここに在らずっていう感じね?これはどう?」
「わ!御免なさい!ルシー。あ、その青の花柄!素敵ね。」
「そう?やっぱりサラこれ好き?」
「ええ!」
「フフ、じゃ、色違いにしよう?」
「え?私と?」
「そう!昔みたいに、お揃いでね?」
「わぁ!良いの?あ、でも、婚約者の方に贈られた物があるんじゃ?それに高位の方も来るのでしょう?私みたいな一般市民が、貴族のご令嬢と一緒なんて事になったら、何か反感を買うのでは?」
初めての王都に初めての貴族のお茶会、初めての高位貴族の方々である。何があるか分からないし、市民が王城に紛れ込むなどとそんな恐れ多い事をしようというのだから目立たないことに越した事はないと思う。
「まぁ、まだそんな事を言っているの?もう!皆様サラが来る事をご存知なのよ?今更逃げも隠れも出来ないのだからここはお揃いで揃えてしまった方が印象は良いわ。」
(そ、そうかしら……?)
王都に長くいるルシーの話なのだから間違ってはいないのかもしれないが、なんともサラータには腑に落ちない…
「サラは、これ嫌い?」
ルシーとお揃い……ルシーは青を基調として白い差し色にドレスの裾に白い花が散っているドレスで、サラータには白を貴重に青の差し色でこちらもドレスの裾に青の花が散っているドレス…
はっきり言って、嬉しくない訳がない…!ルシーが来ている所を早く見たいし、自分もそれを来て隣に並びたい!それを周りが許してくれるのならば………
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「ね?そうでしょう?貴方にも着て欲しくてお婆様と一緒に選んだのよ?子爵家のお客様ですもの。ね?大丈夫だから一緒に着よう?」
大好きなルシーにここまで言われてしまっては…
「分かったわ。私もそれを着る…!」
なんて言われるのか、とても怖いけど……でも、またこうやってルシーとおしゃれを楽しめるなんて、正直に言ってサラータの中ではワクワクの方が優っていた。
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