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「も……いっ…たか…ら…はな、せ…」

 
(前もここまでだった…!だからもう……!)


「駄目…俺は楓矢を満足させたい。お前が怖がらない様に、恐れから解放されるように……」

「な…ぁ……っ!」


 抗議が抗議にならない。山手は楓矢を包む手の動きを止めないし、首筋には強く吸い付いてくる。


「何度でも…楓矢の望むままに…」

「ぁあっ……!」


 何度目…?数えていたわけじゃないし、もう数えてなんかいられない…声だって抑えようとさえ思えなくなってる。

 何度達しても冷めない熱に脳が溶けていきそうになる……


「……ぅ…やぁ……だ…」

  
(頭が…焼き切れそう………)


「何が嫌なんだ?まだまだ、満足できないだろう?」


 山手の言葉に必死に離すまいとしていたなけなしの楓矢の理性が焼き切れる……


まだ、駄目だ……


(何…が…?)


 まだ、止めて欲しくない……


(もっと……もっと…して欲しい……)


「あぅっ……んんぅ……」


 続けて欲しいと言う欲望が更なる刺激を求めて、無意識に自ら腰を振る。


「そうだ…我慢しなくていい…もういいんだ……」


 耳に響いてくるのが、こんな事を強引に進めて行く鬼畜な山手の声のはずなのに、その手から与えてくる快感は抗えない程の力で楓矢を犯して行くのに、もう、楓矢の心には拒む選択肢は残ってない。


「あ…もっ…と…もぅ……」


 山手から与えられれば与えられるだけ、更に刺激が欲しくなる。


(欲しい…欲しい……!)


 楓矢でさえ、内から湧き上がる尽きぬ欲望が一体何を欲しているのかももう分からない。ただ、山手の熱が、香りがその手からの刺激が楓矢を支配して溶かして行く…


「分かってる。ここが、いいのだろう?」


「あっ!……ぅう…ん!」


 溶けてしまいそうな快感の中に、まだこんな刺激があるのかって程の衝撃が走った…


「やっ……や、なに?」
 

(腹の中が…熱い……熱い…あつ……)


 信じられないほどの快感が走った後からの記憶がない…
ただ熱くて、腹の中で暴れ回る気が狂いそうな程の熱からどうにかして逃れようと、身悶えていた…


「愛している…どれだけ待たされようと…お前がどんな姿であっても……ゆうら……お前だけを…愛してる…」


 夢の中で、あの男の声がしたと思った。
いつもの様な悲しそうな声じゃなくて、柔らかな、嬉しそうな暖かい声………


 それだけで、もう、いいや………








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