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20 Ωトーク 2
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まりはなぜか感動した様で瞳をウルウルと潤ませている。
「良かった……はお君の初めてが辛くなくて良かった~昨日は苦しそうだったから、凄く心配してたのよ~」
まりはとうとう泣き出してしまって…
「そ、そんなに?」
「うん。声とか、苦しそうだった。光は優しくしてくれたの?」
知らず知らずに出てしまう喘ぎ声……自分でも耳を覆いたくなる様な声だったと思う……
「う……よく、覚えてない……」
「覚えてないくらい、乱れるって…発情期って凄いのね……」
「うん…そうね、松花ちゃん。覚悟はいい?」
え?松花ちゃん、今なんて言った?まりちゃんも?
「ちょっ、何?発情期って?僕まだ来てないよね?」
「うそ…?ヤダはお君、本気で言ってるの?」
「自覚ないのね?…はお……」
二人とも真っ赤な顔のまま信じられない、ていう目で見てくる。
「だって…抑制剤飲んでたし…ハッキリした発情期なんてまだ来てないの二人とも知ってるじゃん…」
「多分、自覚ないのはお君だけだよ?ねぇ?」
「うん。光の匂いも凄かったし…二人とも本能剥き出しみたいで………ねぇ……?」
松花もまりも何かを思い出したかの様に真っ赤になっている。
二人が言うには、羽織を抱えて帰ってきて早々に光生からは暫く羽織の部屋に篭るって告げられてビックリしたのも束の間、羽織の様子や光生から漏れ出るαの匂いで羽織の発情に光生が当てられているのが凄く良く分かったそうだ。
それからは深夜に至るまで、羽織の部屋から羽織の苦しげな?切ない様な?掠れ声とも取れる声が聞こえ続けていて、どんどん強くなるαの匂いにそう言う事をしているんだと十分に納得できた。でも二人共こんな事は初めてだし、知識として知ってはいても他の誰かの行為など見た事ないし、これが正常なのか羽織が苦しんでいるのか分からなくて部屋が静かになる深夜まで二人で悶々と耐えていた。静かになった後で部屋から出てきた光生に事の次第を聞き、ホッとはしたものの羽織の様子は伺わせて貰えず(光生が面倒を見るからと)、二人してベッドに入り休みはしたがその後も朝、昼?まで心配でたまらなかったそう。
「でも、おめでとう……はお…」
「うん、これでやっと番だね?」
番……そうだ、噛まれたんだった…
そっと首の後ろに手を当ててみる…ツキッて痛みが走った。その手を見ても血は付いていないけど…
「ね?傷見てもいい…?」
一番ホンワリしているまりは意外と度胸があって、二人共確認したくてたまらなかった事を先陣切って切り出してきた。
「う、うん?…ね…どうなってる?」
そぅっと二人に後ろを向けてみる。
「あっ!…痛そぅ……」
「うっ…でも、なんでこんなに羨ましいの?」
二人共、恐る恐るそぅっと後頸部に触れて来る。
「た……っ!」
チリッとした痛みが響いたけど多分凄く噛まれた割には怖くない…
「ごめ…い、痛いよね?」
触ったくせに今更ながらにオタオタしだした。
「ううん、びっくりしただけ、そんなに痛くないよ?ね、ね、どうなってる?」
「これ、光の歯形だよね?クッキリついてるし、少し血が滲んでたような傷もある。」
「ほぁぁ…やだ、松花ちゃんドキドキしてきた………どんな感じなのかなぁ………?」
まりの目が熱に浮かされた様にトロンとしてる?
「ん~と…恥ずかしいんだけど、さっき言った様に凄く気持ち良いんだ……噛まれた瞬間は分からないけど…多分、あの時かなぁ……」
荒れ狂う快感の波に揉みくちゃになっている時に、物凄い光君の存在だけがハッキリした…何をされてるのか、どこにいるのかも分からない位で自分がどうなっているのかも分からないのに……
ただそこに、光君が居て……光君だけが居て。それで充分だった…僕にはそれで、光君がいればそれで良い。心も身体も全部光君の物でそれが最高に誇らしくて嬉しくて世界中の人に自慢したいくらい。僕の中には、今は光君しか居ない…絶対的な正義が光君なんだ。
番になったら分かるけど、自分の中が作り変えられたみたい…光君が欲しいって、恥ずかしいから言わないけど、今も心が叫んでる………!
「まりちゃん、松花ちゃん…大丈夫。怖くないよ?ただ今は嬉しいんだ。うん。凄く、嬉しい…」
なんでか、また松花ちゃんもまりちゃんもクシャッと顔を歪ませてまた泣き出してしまった。
「うん。うん…話してくれてありがとうはお……」
「私達も、頑張るから…だから、私達の話も聞いてね?ね?」
「うん…松花ちゃん…大丈夫だよ?」
「うん、ありがとうはお…もう、良いんだ。覚悟、出来てるし、光は良い奴で良い男で、ちゃんと知ってる。」
「松花ちゃん……」
「大丈夫よ、まり!逃げたりしないから!」
まりちゃんも僕も松花ちゃんの心を知ってる。多分光君も……中二で、こんなに早く将来の伴侶って決めて良いのか分からないけど、そもそもΩにほぼ選択肢はない様なもの…
でも大丈夫だよ、松花ちゃん番になったら分かる。絶対的な信頼と安心があるから………
「良かった……はお君の初めてが辛くなくて良かった~昨日は苦しそうだったから、凄く心配してたのよ~」
まりはとうとう泣き出してしまって…
「そ、そんなに?」
「うん。声とか、苦しそうだった。光は優しくしてくれたの?」
知らず知らずに出てしまう喘ぎ声……自分でも耳を覆いたくなる様な声だったと思う……
「う……よく、覚えてない……」
「覚えてないくらい、乱れるって…発情期って凄いのね……」
「うん…そうね、松花ちゃん。覚悟はいい?」
え?松花ちゃん、今なんて言った?まりちゃんも?
「ちょっ、何?発情期って?僕まだ来てないよね?」
「うそ…?ヤダはお君、本気で言ってるの?」
「自覚ないのね?…はお……」
二人とも真っ赤な顔のまま信じられない、ていう目で見てくる。
「だって…抑制剤飲んでたし…ハッキリした発情期なんてまだ来てないの二人とも知ってるじゃん…」
「多分、自覚ないのはお君だけだよ?ねぇ?」
「うん。光の匂いも凄かったし…二人とも本能剥き出しみたいで………ねぇ……?」
松花もまりも何かを思い出したかの様に真っ赤になっている。
二人が言うには、羽織を抱えて帰ってきて早々に光生からは暫く羽織の部屋に篭るって告げられてビックリしたのも束の間、羽織の様子や光生から漏れ出るαの匂いで羽織の発情に光生が当てられているのが凄く良く分かったそうだ。
それからは深夜に至るまで、羽織の部屋から羽織の苦しげな?切ない様な?掠れ声とも取れる声が聞こえ続けていて、どんどん強くなるαの匂いにそう言う事をしているんだと十分に納得できた。でも二人共こんな事は初めてだし、知識として知ってはいても他の誰かの行為など見た事ないし、これが正常なのか羽織が苦しんでいるのか分からなくて部屋が静かになる深夜まで二人で悶々と耐えていた。静かになった後で部屋から出てきた光生に事の次第を聞き、ホッとはしたものの羽織の様子は伺わせて貰えず(光生が面倒を見るからと)、二人してベッドに入り休みはしたがその後も朝、昼?まで心配でたまらなかったそう。
「でも、おめでとう……はお…」
「うん、これでやっと番だね?」
番……そうだ、噛まれたんだった…
そっと首の後ろに手を当ててみる…ツキッて痛みが走った。その手を見ても血は付いていないけど…
「ね?傷見てもいい…?」
一番ホンワリしているまりは意外と度胸があって、二人共確認したくてたまらなかった事を先陣切って切り出してきた。
「う、うん?…ね…どうなってる?」
そぅっと二人に後ろを向けてみる。
「あっ!…痛そぅ……」
「うっ…でも、なんでこんなに羨ましいの?」
二人共、恐る恐るそぅっと後頸部に触れて来る。
「た……っ!」
チリッとした痛みが響いたけど多分凄く噛まれた割には怖くない…
「ごめ…い、痛いよね?」
触ったくせに今更ながらにオタオタしだした。
「ううん、びっくりしただけ、そんなに痛くないよ?ね、ね、どうなってる?」
「これ、光の歯形だよね?クッキリついてるし、少し血が滲んでたような傷もある。」
「ほぁぁ…やだ、松花ちゃんドキドキしてきた………どんな感じなのかなぁ………?」
まりの目が熱に浮かされた様にトロンとしてる?
「ん~と…恥ずかしいんだけど、さっき言った様に凄く気持ち良いんだ……噛まれた瞬間は分からないけど…多分、あの時かなぁ……」
荒れ狂う快感の波に揉みくちゃになっている時に、物凄い光君の存在だけがハッキリした…何をされてるのか、どこにいるのかも分からない位で自分がどうなっているのかも分からないのに……
ただそこに、光君が居て……光君だけが居て。それで充分だった…僕にはそれで、光君がいればそれで良い。心も身体も全部光君の物でそれが最高に誇らしくて嬉しくて世界中の人に自慢したいくらい。僕の中には、今は光君しか居ない…絶対的な正義が光君なんだ。
番になったら分かるけど、自分の中が作り変えられたみたい…光君が欲しいって、恥ずかしいから言わないけど、今も心が叫んでる………!
「まりちゃん、松花ちゃん…大丈夫。怖くないよ?ただ今は嬉しいんだ。うん。凄く、嬉しい…」
なんでか、また松花ちゃんもまりちゃんもクシャッと顔を歪ませてまた泣き出してしまった。
「うん。うん…話してくれてありがとうはお……」
「私達も、頑張るから…だから、私達の話も聞いてね?ね?」
「うん…松花ちゃん…大丈夫だよ?」
「うん、ありがとうはお…もう、良いんだ。覚悟、出来てるし、光は良い奴で良い男で、ちゃんと知ってる。」
「松花ちゃん……」
「大丈夫よ、まり!逃げたりしないから!」
まりちゃんも僕も松花ちゃんの心を知ってる。多分光君も……中二で、こんなに早く将来の伴侶って決めて良いのか分からないけど、そもそもΩにほぼ選択肢はない様なもの…
でも大丈夫だよ、松花ちゃん番になったら分かる。絶対的な信頼と安心があるから………
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