[完]腐違い貴婦人会に出席したら、今何故か騎士団長の妻をしてます…

小葉石

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109、叶えた想い 4 *

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「ウリー…」

 タップリと慣らされた後口は新たな刺激を求めて、ヒクつきヒュンダルンを甘く誘う。ヒュンダルンは熱いキスをウリートの手に落とすと、そのまま自分の首にウリートの手錠が掛けられた両腕を回した。

「挿れるぞ?…気持ち良い所を追いかけるんだ…いいな?」

 足を持ち上げられたウリートは、まだ抜かれていないヒュンダルンの指からの刺激に耐える。だから必死にコクコクと頷くしか無い。

「ぅあ…んぅ……」

 ヒュンダルンの剛直の少しの挿入でも声が出る。ゆっくりゆっくり、ヒュンダルンが入って来る。この圧迫には流石に慣れそうにはなくて、必死に息を吐きながら苦しさを逃していく…

 グッグッググ…とウリートの反応を確認しながらヒュンダルンはゆっくりと自分の屹立を少しずつ抜き差しする。

「…っひぁ!…」

「ここ、だな?」

 差し入れていく中で、一番ウリートの反応が良い所。細い身体がしなり、恥ずかしげもなく嬌声を上げ、キュゥッとヒュンダルンを締め付けて来る。

 そんなウリートを見てしまえば、グッと差し貫きたいところを自制心一つで抑えているヒュンダルンの声が掠れて、辛そうだ。

「あっ…ぁあ…や…」

「いや、では無い。ウリー…ここはって言うのだ…」

 ゆっくりとけれども確実に、だけを狙ってヒュンダルンは腰を振る。ウリートは声を上げながら、ヒュンダルンにかけた両手を突っ張り、腰を浮かせて与えられる快楽に翻弄されていく。

「あぁん……あぅ…ひっ…ぅく…!」

「ちゃんと覚えて、おけ…ウリー!これが、お前の男の味だ…!」

「ひぁっ!…やぁっ……や、もう…いやぁ…」
 
 ヒュンダルンはウリートの一番弱い所のみを攻め立てる。優しく扱われるけれども容赦なく必要に、更に淫猥に攻め立てて来る。
 ウリートの止まらない嬌声に、鳴り止まない鎖の擦れる音…あまりの感覚にウリートが限界で泣いて懇願するまで、何度も精を放ったのに…ヒュンダルンは優しくも残酷な行為の手を緩めはしなかった。

「あぁあぁぁ……」
 
 か細い声を出して、ウリートは意識を手放す。紅潮した頬には行く筋もの涙の跡があった。

「愛しているんだ…ウリー……」

 きっと、何度言っても言い足りないだろう。でも、言わずにはおられなくて…ヒュンダルンは、倒れるウリートの身体をそっと抱きしめながら、涙が溢れた瞼に口付けを落とす。

 あぁ、これはマリエッテのお小言確定だな…

 そっとウリートの手錠を外してみれば、少しだけ赤く跡が残ってしまっていた。思いの外力が入ってしまったのだろう。そしてヒュンダルンの首筋にも、鎖で擦れ赤く皮膚が変色してしまっている。

「ふっ…………」

 そっと、ウリートの汗と汚れを清めながら、自分に付いた傷さえも勲章の様に思えてくるから、自分がしょうもない奴すぎて笑ってしまう。

「愛している。ウリー…」

 この言葉に嘘がない事を、叶えて見せよう…
  
 ヒュンダルンは静かな寝息を立てるウリートを見つめながら、更け行く夜をウリートの隣で噛み締めていた。





 案の定、である。重い瞼を開けてみれば、心配そうなマリエッテの顔が目の前にある…

「マリ…エッテ?」

 おはよう、と言いたいのだけれども、指一本も動かしたくないほどの疲労感に、ウリートは早々に朝の挨拶を諦めた。

「………………考えものにございますね?」

 昨日と打って変わって、マリエッテの機嫌はよろしくはない様だ。

「……………」

 どうしたの?と聞きたいのだが、視線のみでマリエッテに問う。

「若様のなさりようですわ!お気持ちがご一緒と言うので舞い上がっているのは分かりますの!けれども、お相手を潰してどうなさいます?」

 潰し……?僕は、潰されたのかな?

「こんなに、声も出ない程だなんて……」

 プリプリと怒っているようなんだけれども、マリエッテ、何処か少し嬉しそうなのは何でだろうね?

 フッと、僕もつい笑ってしまう。

「あぁ、ウリート様のそのお顔……お幸せですね?身体は段々慣れると申しますから、心配なさらずに…けれども、もう少し手心を加えて下さるように進言致しますわ…」
  
 全く若様ったら!マリエッテはウリート様の幸せそうなお顔だけが見たいのです。お辛そうに顔を顰めている所は、胸が痛んで嫌ですからね?
 
 と、ヒュンを庇おうと思っていた僕が声を出せない事をいい事に、先制攻撃をされてしまった。

 ブツブツと不平を言っているけれども、絶対に僕達の邪魔をしてこないマリエッテ………君がいたから、僕がここにいたと言っても良いと思うんだ。ちゃんと、お礼を言わせてね?

 視線だけで、どれだけ伝わったかわからないけれども、僕に目力があったら有無を言わせない程の御礼攻撃を、嫌と言うほど浴びせていたんだろうと思う。そんな事を考えてたらなんだか安心してしまって、また眠りに落ちてしまった。
 
















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