[完]腐違い貴婦人会に出席したら、今何故か騎士団長の妻をしてます…

小葉石

文字の大きさ
上 下
87 / 135

88、初遺跡前夜 1 *

しおりを挟む
「ウリー…」

「は……い…」

「少しは、慣れたか?」

 ベッドの上で優しく響く、低い声……そして手も唇も優しく、ウリートの身体を休みなく行き来して…

「ヒュン………」

 たまらなくなって甘える様に呼べば、ヒュンダルンは直ぐに身体を寄せて、熱く甘いキスをくれる。身体を辿る熱い手も、確かな目的をもって翻弄してくる行為も、全て慣れたわけでは無いけれど……

「あ…っ……痛く、は無いで、す…」

 どう答えたら正解なのか…慣らされて行く行為に身体が快感を拾いやすくなってくる。直ぐに反応してしまうのは、きっとそのせいで…

 今も、後ろに入っているヒュンの指が、気持ち良くてたまらない…

 ゆっくり、中を確かめるみたいに、肉壁に沿って指を滑らせてくる…

「んっ…ぁ……」

 眠ろうか、と言う時に始まってしまった睦み合いで、下衣だけ脱がされて、上衣は半分脱がされる中途半端な格好で、ウリートはうつ伏せにされ、ヒュンダルンの良い様に、身体を暴かれて行く…

 チュゥゥ…と後ろから首筋に吸い付かれて、チリッと痛みが走る。それさえも、背を伝って腰に響いて、もっとして欲しいと言う様に、腰がうねってしまう。

「はっ………」

 チュルリと、指が抜かれた……いつもなら、まだもう少し、慣らすために、もうやだって言うまで弄られるのに……

「ヒュン……?」

 少し、寂しい……

「ウリー、なんて顔してる?辛くは無いだろう?」

「はい…」

 どんな顔、してるんだろう?ヒュンが、ジッと見つめてくる……

「少し、頑張れ…」

 優しく髪を撫でながらコメカミにキスしてくれた。

 こんな時、髪を撫でられと、それだけで力が抜けそうになる。

「ん…っ?…あっ!…ヒュ、ン?」

 力が抜け切った所で、ヌッと指より太い物が入ってくる。
 
 たっぷりと香油がゆり込められていて、痛みはない…けれども、指には無いコブか突起の様な物が、中を刺激し出す。

「やっ…なん、です?…こ、れ…っ」

 身をよじって後ろを向き、ヒュンダルンが手に持っているだろう何かを確認しようとして…グッと腰に力を入れてしまったら、それが余計に、グリッと更に奥へと入ってくる。

「あっ……ん…」
 
 ヒュンダルンの指以外の感覚を知らないウリートはギュッとシーツを掴んで身悶えた。

「ウリーを傷つけたくは無いからな…もう少し、慣らさなければ…」

 どうやら性具の一つらしいが、ウリートはまだ実物を手に取ってみた事はない。
 
 クスクスと楽しそうなヒュンダルンは、与えられる刺激からどうしても逃げ出しそうになるウリートを宥める様に、右耳をくすぐる様に弄りながら、イヤーカフを触ってくる。

「くぅ……っ…」

 いつもと違う、ヒュンダルンの指じゃ無い物が中を刺激してくる。それも、自分で力を入れる事で、刺激の度合いが変わってくるものだから、動くに動けない。

「ウリー、気持ちいいか?」

「い…や、です…取って……」

 グリグリと、弱い所を刺激され、ピクピクとウリートの細腰が震えてしまう…

「痛くは無いのだろう?良く無いか?」

「わか、らな……」

 知らない刺激に翻弄されて、勝手に震える腰に…

 フッと、ヒュンダルンが微笑んだ気がする。

 ウリートを宥めていた手が、スルリと前に回ってきた。そこは完全に立ち上がって張り詰めたまま萎える事なく、溢れる蜜を垂らして、シーツを濡らしている。その溢れる蜜を掬い取る様に、優しく先端をクルクルと撫でられた。

「んん…!」

「ここは、こんなにも良いと言っているぞ?」

 そして、後ろに添えられていたヒュンダルンの手が、そっと挿入部に充てがわれて、グッと中に押し込まれる。

「あぅ!…あっ…ゃ、あ!」

 グッと推される度にビリッとした感覚が走る…それが、余りにも強烈で……

「んぅ……や、ヒュ、ん…おさ、ないで…!」

「ここだな?」

 非常にもヒュンダルンの手は止めってくれない…
 それより更にリズムを付けて刺激してくるものだから声が止められなくて…

「んぅ…!!」

 グリッと、中で一番強く刺激されて、背中が跳ねる…同時に達してしまった……

「ふっ…ぁ……ん…」

「上手くイケたなウリー…」

 愛しそうに名前を呼んで、ヒュンダルンはウリートに深く口付ける。まだ達した余韻で、ビクビク震えるウリートの身体を宥める様に撫でさする。

「はぁ……ぁ…今……?」

 陰茎を擦られていないのに初めて達してしまった……

「男の身体にも良いところがある。予習を怠らないウリー先生は良く知っているだろう?」

 そんな事を耳元で言われてしまうと、一気に顔が熱くなる。

 知識と、実戦はかけ離れ過ぎているんじゃないだろうか……こんなに、気持ちが良いなんて、知らなかった………

「ヒュン……!」

 揶揄う様なヒュンダルンにウリートは軽く抗議する。

「悪かった…本当に嫌だったか?男でも、中で快楽を得ることができるから…」

「…………びっくり、しました………」

 だって、いきなり入れてくるから…それにまだ入っているし………

「ウリー、俺のはこんなものじゃ無いぞ?だから、慣れよう?」
 
 そんな事を言われたら、ウリートもこれ以上抗議できなくなる。赤くなった頬は既に真っ赤で、首筋まで巻き込んで白い肌を染め上げていた。

「嫌じゃ、無いです…………」

 消え入りそうなウリートの声……ヒュンダルンに上げられる物ならば全部あげたい、与えられる物ならば残さず貰いたいって、そう心から思っているから…

 









しおりを挟む
感想 95

あなたにおすすめの小説

王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)

かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。 はい? 自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが? しかも、男なんですが? BL初挑戦! ヌルイです。 王子目線追加しました。 沢山の方に読んでいただき、感謝します!! 6月3日、BL部門日間1位になりました。 ありがとうございます!!!

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

処理中です...