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22 計算でした
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アランドには本当にありがとう、ともう一度お礼を心の中で思いっきり言いました!
ごめんなさい、アランド。多分こう言ってくれるだろうと最初から考えての事で、私の計画通りです。
だって、私はどうしてもノスタール領のトワールに行きたかったのですもの!
ナターシャの部屋から持ち帰ったシャーリンの日記から、ノスタール伯爵との婚約が順調に進み一年前の婚礼と同時にノスタール領にナターシャが移り住む計画であった事がわかった。とても優しくて、自分のやるべき事に誇りと信念を持っているランストン様の事を心から尊敬して愛情を持てる事がこの上もなく嬉しいと、私、ナターシャは語っていたそうだ……そんな事言ったのかしら…?それなら私もランストン様の事を心から慕っていた事になる。全く心の琴線にもエスト様のお顔は引っ掛からなかったのに?あまり、似ていない兄弟かもしれないけど……
一年前、婚礼に先立ってランストン様の仕事の関係でちょっとしたお披露目会があった様でナターシャも当然に招待されてノスタール領に行く事になるわけだが……その後が無い……無い、と言うかナターシャが帰ってこない理由がわからずシャーリンは色々な不満を述べ綴っているだけだった。
帰ってこないと言うのならばまだナターシャはノスタール領にいる事になる。なぜ、除籍になったのかは…もしかしてそこで亡くなったランストン様の代わりに旦那様を見つけたとか?でも、シャーリンの日記にある様に心から好きな人が亡くなって直ぐに他の人と一緒になんてなるだろうか、と不可解な事が多いのだけど、シャーリンにもその理由が知らされていなかったからこれ以上は分からないのよね。
ナターシャが向かった先はノスタール領トワールだ。ここまで分かっているのなら、私ナターシャは必ずそこにいる!
生きているのか死んでいるのか、私の様にシャーリンがそこにいるのか分からないけれど、分からないなら行ってみればいいだけの事よ。
だからロワンナ様の婚礼を悪いのだけど利用させて貰ったわ。アランドにトワールに行きたいと言った所で、ナターシャがトワールにいる事を鍵を掛けてまで黙っていた人だもの。首を縦に振るとは思えなかったの…
だから、ごめんね、アランド…貴方に少し嘘をつきます………
ノスタール伯爵の婚礼が終わって屋敷に帰ってから急いで旅の支度をして、親しい人だけの祝賀会だから新しいドレスを新調するよりは花嫁よりも目立た無い華美でない物の方が場にあっているから手頃なドレスをいくつか選んで、アランドに挨拶をしてアンナを伴い出発した……
けれど、行き先はノスタール領トワールだ。ロワンナ伯爵夫人の祝賀パーティーが行われるはずのスートンとは真逆。
「アンナ、この手紙をスートンのノスタール伯爵まで届けて貰えない?」
「まぁ、これから向かいますのに?」
「ふふ……御者にはこれを…!早目にあちらにつく様にお願いね?」
「畏まりました…?」
訝しげなアンナの顔にニッコリ笑顔で返して、怪しんでも言われた通りに動いてくれるアンナに感謝さえした。
そう、私達の行き先はトワール…海に面した港町。きっとそこにナターシャがいるから…
ロワンナ様には断りのお手紙を送った。トワールにいる姉の調子が良くないと連絡が入った事にして、出席できない非礼を詫びる手紙だ。
コトコトと馬車に揺られながら私であるナターシャに想いを馳せる。何をしているの?どこにいるの?誰といるの?まだ私が見知らぬ所で何を思って過ごしていたんだろう……
会った時にはなんて言おうか?取り留めもない事を考えているうちにエンギュート邸は遥か遠くに離れていった…………
潮の匂い……?懐かしいとも思えない匂いが鼻をついて目が覚めた…
眠っていたようね………?薫ってくる空気の匂いが違う…エンギュート領は内陸にあるため土地の雰囲気もやはり違う。エンギュート邸からは既に二日は経っていて遠くまで来た事を実感する。
「若奥様……宜しいのですか?スートンではなくて、まさかトワールへ向かっているなんて……」
心配というか、アンナは今日は朝からずっと曇った顔をしている。トワールに向かう事を知った時からアランドへ何も告げずに良いのかと心配事を口にもしている。
「大丈夫よ、アンナ。スートンへは手紙で知らせているのだし、もし、エンギュートから何某かの使いが来ても私がトワールへ向かった事はアランドへ伝わるはずだから。」
「そうでしょうが、若旦那様はご心配しますよ?」
アランドに知らせた方がいいと言うアンナだが、トワールへと向かう事自体は反対はしない。結局の所一緒に付き合ってくれるアンナは優しい使用人だ。
アンナ、大好きよ。ありがとう……
ごめんなさい、アランド。多分こう言ってくれるだろうと最初から考えての事で、私の計画通りです。
だって、私はどうしてもノスタール領のトワールに行きたかったのですもの!
ナターシャの部屋から持ち帰ったシャーリンの日記から、ノスタール伯爵との婚約が順調に進み一年前の婚礼と同時にノスタール領にナターシャが移り住む計画であった事がわかった。とても優しくて、自分のやるべき事に誇りと信念を持っているランストン様の事を心から尊敬して愛情を持てる事がこの上もなく嬉しいと、私、ナターシャは語っていたそうだ……そんな事言ったのかしら…?それなら私もランストン様の事を心から慕っていた事になる。全く心の琴線にもエスト様のお顔は引っ掛からなかったのに?あまり、似ていない兄弟かもしれないけど……
一年前、婚礼に先立ってランストン様の仕事の関係でちょっとしたお披露目会があった様でナターシャも当然に招待されてノスタール領に行く事になるわけだが……その後が無い……無い、と言うかナターシャが帰ってこない理由がわからずシャーリンは色々な不満を述べ綴っているだけだった。
帰ってこないと言うのならばまだナターシャはノスタール領にいる事になる。なぜ、除籍になったのかは…もしかしてそこで亡くなったランストン様の代わりに旦那様を見つけたとか?でも、シャーリンの日記にある様に心から好きな人が亡くなって直ぐに他の人と一緒になんてなるだろうか、と不可解な事が多いのだけど、シャーリンにもその理由が知らされていなかったからこれ以上は分からないのよね。
ナターシャが向かった先はノスタール領トワールだ。ここまで分かっているのなら、私ナターシャは必ずそこにいる!
生きているのか死んでいるのか、私の様にシャーリンがそこにいるのか分からないけれど、分からないなら行ってみればいいだけの事よ。
だからロワンナ様の婚礼を悪いのだけど利用させて貰ったわ。アランドにトワールに行きたいと言った所で、ナターシャがトワールにいる事を鍵を掛けてまで黙っていた人だもの。首を縦に振るとは思えなかったの…
だから、ごめんね、アランド…貴方に少し嘘をつきます………
ノスタール伯爵の婚礼が終わって屋敷に帰ってから急いで旅の支度をして、親しい人だけの祝賀会だから新しいドレスを新調するよりは花嫁よりも目立た無い華美でない物の方が場にあっているから手頃なドレスをいくつか選んで、アランドに挨拶をしてアンナを伴い出発した……
けれど、行き先はノスタール領トワールだ。ロワンナ伯爵夫人の祝賀パーティーが行われるはずのスートンとは真逆。
「アンナ、この手紙をスートンのノスタール伯爵まで届けて貰えない?」
「まぁ、これから向かいますのに?」
「ふふ……御者にはこれを…!早目にあちらにつく様にお願いね?」
「畏まりました…?」
訝しげなアンナの顔にニッコリ笑顔で返して、怪しんでも言われた通りに動いてくれるアンナに感謝さえした。
そう、私達の行き先はトワール…海に面した港町。きっとそこにナターシャがいるから…
ロワンナ様には断りのお手紙を送った。トワールにいる姉の調子が良くないと連絡が入った事にして、出席できない非礼を詫びる手紙だ。
コトコトと馬車に揺られながら私であるナターシャに想いを馳せる。何をしているの?どこにいるの?誰といるの?まだ私が見知らぬ所で何を思って過ごしていたんだろう……
会った時にはなんて言おうか?取り留めもない事を考えているうちにエンギュート邸は遥か遠くに離れていった…………
潮の匂い……?懐かしいとも思えない匂いが鼻をついて目が覚めた…
眠っていたようね………?薫ってくる空気の匂いが違う…エンギュート領は内陸にあるため土地の雰囲気もやはり違う。エンギュート邸からは既に二日は経っていて遠くまで来た事を実感する。
「若奥様……宜しいのですか?スートンではなくて、まさかトワールへ向かっているなんて……」
心配というか、アンナは今日は朝からずっと曇った顔をしている。トワールに向かう事を知った時からアランドへ何も告げずに良いのかと心配事を口にもしている。
「大丈夫よ、アンナ。スートンへは手紙で知らせているのだし、もし、エンギュートから何某かの使いが来ても私がトワールへ向かった事はアランドへ伝わるはずだから。」
「そうでしょうが、若旦那様はご心配しますよ?」
アランドに知らせた方がいいと言うアンナだが、トワールへと向かう事自体は反対はしない。結局の所一緒に付き合ってくれるアンナは優しい使用人だ。
アンナ、大好きよ。ありがとう……
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