[完結]気がつけば侯爵令嬢の私は実弟の嫁でした。あり得ないので本当の自分を探しに家を出ます

小葉石

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14 効果の程は*

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 お酒の力は絶大だった。甘いワインのチョイスが良かったのかもしれないけれど、ゆっくりと今日あったことなどお互いに話して、良く冷えた甘いワインを頂くと緊張も溶けて、とてもいい気分になる。これからしようとしている事を考えると例えようもない罪悪感に襲われるけど、グッと我慢して笑顔でお話の相手をする…

 アランドは本当にお酒に弱い…グラス一杯も空けないうちに真っ赤になってウトウトと船を漕ぎ出した…

「まぁ、アランド…飲み過ぎは良くないわね?ここまでにしましょう?」

「ん…シャーリン…今日は、一緒に……」

「ええ、約束ですもの。さ、ベッドに行きましょ?アランド、歩ける?」

「う、ん…ごめん…シャーリン…今日は、できないかも……」

 きっと、敢えて、何を?と聞かない方がいい様な気がする…

「…何の心配をしているか分からないけど、アランドがゆっくり眠れるならそれで良いわ。さ、横になって…付き合ってくれてありがとう…」

 まるで大きな子供みたいに、ベッドにゴロンと横になったアランド。あとは寝入ってくれるのを待つだけね…アランドが寝入るまでもう少しゆっくりワインでも楽しもうかと思っていたんだけど……

「え?きゃあ!!」

 急に手を引っ張られて、アランドにベッドの中に引きずり込まれてしまった。

「ア、アランド?」

 ちょっと、ちょっと?寝るんじゃなかったの?ジタバタするのも見苦しく、そぉっと後ろを振り返ってはアランドの顔を覗き見る。酔ったアランドの顔は赤くて、いつもよりトロンとした目が熱く潤んでいるようにも見える。  
 
 我が弟ながら、こんな時でも嫌な位に良い男なのね……目の前でアランドのこんな顔なんて見たこともないし、勿論他の男性の顔でもありはしないし、どうして良いのかわからない。

「ん…っ……やめっ…」

 オロオロとしている間に上に乗られてあっという間にアランドに唇を奪われてしまう。
触れるだけだった前のキスとは違って、抗議の声をあげようとした所で、熱くヌルついた舌が中に入ってくる。

 ん~~~~~~~~!!
 舌……?舌を……!?入れてるの…!?

 身体はビックリして動かないけれど、唇を舐めたり、口腔や舌を舐めまわされたり、吸いつかれたりしてると勝手にピクッと反応してしまう…

「…ふっ…ぅ…」

 何、これ…?こんなの………

 勿論ナターシャはこんなの知らない。人間の身体が一つに繋がってるのがよく分かる。唇で受けた刺激が背中や腰や手にも回って勝手にアランドの夜着を握りしめてた…

 たった一箇所の刺激で全身が反応してしまうなんて……こんな事、今知りたくなかったのに……!

 アランドの強引すぎるキスから逃れようとしても、のしかかって来るアランドの体をシャーリンは押し戻すこともできないでいる。
 アランドの身体の重みが……絡んでくる足や、時々押し付けられてくる腰の硬い物とかが、生々し過ぎて……頭が沸騰しそうに顔が熱くなっているのがわかった…

「ふっ…キスだけで…こんなになって。シャーリン可愛い…」
 
 アランドはきっと真っ赤になっているだろう私の頬を片手で撫でてキスを落として行く…頬から首筋に、徐々にアランドの唇が下がって来て。アランドの吐息は甘ったるいワインの匂いがして…きっと自分も同じだと思ったら…なんだか、もっといけない事をしている様に思えてならない…

「あ…!っ……待って…アランド…!」

 チュウッと首筋にアランドはキスを落とす……手は夜着の上から身体の線を辿る様に下に上にと動いていて…時折その刺激にゾワリと背中が震えてしまう…
 
 アランドの手がゆっくりと、けどしっかりとした力で胸の膨らみを潰す様に包んできて…ビクッとして声が出た。まさか、弟にこんな事をされるとは思わず………

「んっ……っぅ…っあ」

 強弱をつけて大きな手に握り込まれて刺激されれば、嫌でも身体に痺れが走って思わず出てしまう声に自分が驚く……せめて、せめて、はしたない声を出さない様にグッと唇を噛み締めていても、鼻から漏れ出る声は止められない…

「シャーリン…声……我慢しなくて良いんだよ…?」

 酔ってるせいか、アランドの声がいつもより幼なく聞こえる。まるで甘えてる子供の様にグリグリグリグリ、胸に顔を擦り付けてくるし…くすぐったいよりも、ゾワゾワ、ゾクゾク…どんどん身体の力が抜けてくる様で…身体が変……

 これが幼い子供だったら、もしくは弟でなかったら問題なかったと思うのに…いえ、却って弟だったから良かったんだ……知らない人だったらもっと心臓がバクバクして、きっと今すぐに、逃げ出してしまっていたかもしれない…
 
 アランドの手の動きに、逃げる事なんて完全に頭から抜け落ちて行った…なるべく反応しない様に、なるべくアランドを刺激しない様に…
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