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1 弟の部屋でしょ?
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ふ…………っと、目が覚めた……
カーテンの隙間から入ってくる日の光がとても眩しくて……でも、眩し過ぎると目が開かないこともあるのね………?
「……船が……行ってしまう……!」
思わず口から出てきた言葉で、自分が寝言を言っていたと気がついて、完全に目が覚めた。目は覚めたのに、目が腫れぼったくて?直ぐに目が開かなかった原因がこれだと気がつく。
もしかして、私、夢で泣いてたの?
なんだか、とても長い夢を見ていた様な気がするわね…それも、嫌な夢だった様な………?
「シャーリン…?…起きたのかい?」
自分一人だと思っていたベッドの横から、誰かが寝返る気配がして…?上等なベットマットが程よい硬さを保ちながら相手が確かに隣にいる事をその揺れで教えてくれた。
びっくりした…!一人だと思っていた所に誰かがいるのはもちろんの事、その誰かがとても良く知っている人の声だったから尚更に………
ゆっくりと振り返る…そう言えばさっきから視界に入ってきているのは私の部屋じゃない風景……いえ、作りは大抵同じ…
だって、同じ屋敷に住んでいるんだもの部屋の大きさは違えど大体同じ様な作りになっている…けど、決定的にその部屋の持ち主によって部屋の雰囲気は変わるわけで……
ここは、私の部屋じゃない………
濃紺を基調としたどっしりとした落ち着いた深い色…所々に暗めのオレンジがポイントに入っている。ここは………この部屋は…
振り返った先にはやっぱり…………
アランド………フワリと優しく笑ってる弟の顔がそこにあった……
「……!!?」
一瞬悲鳴をあげそうになったけど、ここは我慢致しました…ええ、まだ私は独身の淑女ですからね?朝から盛大な悲鳴なんてあげていいものではなかったの。
「…どうしたんだい?シャーリン…?もしかして、泣いてたの?」
巷では本物の王子様、と言われている様なかなりの美貌の持ち主だと思われる弟がブルーサファイヤのような瞳を心配気に細めてジッと私を覗き込んできた…!真っ直ぐでサラサラな私とそっくり同じの髪質の金の髪が、朝日を受けてこれまた王子様の様にキラキラと光を放ってて…二人ともそっくりと言われる顔だったけど、アランドが嫌に眩しくて目を逸らせてしまいたくなるのはなぜなのかしら?
「…シャーリン?」
心配そうに更に顔を近づけてくるアランドの口から聞き慣れた名前が飛び出したわね?
「……昨夜はごめんよ?君があんまりに聞きたがったから、つい僕は………」
何を懺悔したいのかしら?もの凄く申し訳なさそうな顔を貼りつけて、アランドが今度は私の頬を撫でてくる。
え?ちょっと待って欲しいのだけど?
姉弟仲は、良かったと思うのです、が、こんなに、それもベッドの中で接近する程では無かったと記憶しているのですがね?
アランドの方は何にも躊躇なく、手を伸ばして髪に触りそのまま頬に何度も何度も労わる様に手を下ろしてくる。
待って頂戴?アランド、貴方…気安くそんなに女性の髪を触るものではないのよ?夫婦だったらいざ知らず、婚約者であってもその慎みは守った方がいいと思うの…!言いたい事は沢山あるのに……なんでここに私が寝ているのとか、本当のシャーリンはどうしたのだとか、なんでアランドは姉の髪を親そうにいつまでも触れているのかとか………
私の頭がグルグルして働いていない事をいい事に、あろう事かアランドは私に口付けて来た……
「………!?……んっ」
唇をあてただけじゃなくて、ペロリとアランドの舌先は、私の唇を舐めて………思わずビックリして声を出しちゃったけど、それに満足したのかニコリ、とこれまたいい笑顔でアランドは微笑むと、驚いて固まっている私に布団をかけて自分はゆっくりとベッドから出て行った。
「僕は今日は仕事だからね?もう支度しなきゃいけないけど、シャーリンはゆっくりしてて?昨日は……少し、無理させちゃったね?反省してます……」
テレテレ、照れ笑い?弟のそんな顔、見たことありませんっていう位の照れ顔で、アランドは着替えるために浴室へと向かって行ったと思う…
そう、思う……最早私の思考はここで途切れてて…アランドに掛けられた布団を頭まで被って、現実から逃避する為にもう一度意識を手放した……
カーテンの隙間から入ってくる日の光がとても眩しくて……でも、眩し過ぎると目が開かないこともあるのね………?
「……船が……行ってしまう……!」
思わず口から出てきた言葉で、自分が寝言を言っていたと気がついて、完全に目が覚めた。目は覚めたのに、目が腫れぼったくて?直ぐに目が開かなかった原因がこれだと気がつく。
もしかして、私、夢で泣いてたの?
なんだか、とても長い夢を見ていた様な気がするわね…それも、嫌な夢だった様な………?
「シャーリン…?…起きたのかい?」
自分一人だと思っていたベッドの横から、誰かが寝返る気配がして…?上等なベットマットが程よい硬さを保ちながら相手が確かに隣にいる事をその揺れで教えてくれた。
びっくりした…!一人だと思っていた所に誰かがいるのはもちろんの事、その誰かがとても良く知っている人の声だったから尚更に………
ゆっくりと振り返る…そう言えばさっきから視界に入ってきているのは私の部屋じゃない風景……いえ、作りは大抵同じ…
だって、同じ屋敷に住んでいるんだもの部屋の大きさは違えど大体同じ様な作りになっている…けど、決定的にその部屋の持ち主によって部屋の雰囲気は変わるわけで……
ここは、私の部屋じゃない………
濃紺を基調としたどっしりとした落ち着いた深い色…所々に暗めのオレンジがポイントに入っている。ここは………この部屋は…
振り返った先にはやっぱり…………
アランド………フワリと優しく笑ってる弟の顔がそこにあった……
「……!!?」
一瞬悲鳴をあげそうになったけど、ここは我慢致しました…ええ、まだ私は独身の淑女ですからね?朝から盛大な悲鳴なんてあげていいものではなかったの。
「…どうしたんだい?シャーリン…?もしかして、泣いてたの?」
巷では本物の王子様、と言われている様なかなりの美貌の持ち主だと思われる弟がブルーサファイヤのような瞳を心配気に細めてジッと私を覗き込んできた…!真っ直ぐでサラサラな私とそっくり同じの髪質の金の髪が、朝日を受けてこれまた王子様の様にキラキラと光を放ってて…二人ともそっくりと言われる顔だったけど、アランドが嫌に眩しくて目を逸らせてしまいたくなるのはなぜなのかしら?
「…シャーリン?」
心配そうに更に顔を近づけてくるアランドの口から聞き慣れた名前が飛び出したわね?
「……昨夜はごめんよ?君があんまりに聞きたがったから、つい僕は………」
何を懺悔したいのかしら?もの凄く申し訳なさそうな顔を貼りつけて、アランドが今度は私の頬を撫でてくる。
え?ちょっと待って欲しいのだけど?
姉弟仲は、良かったと思うのです、が、こんなに、それもベッドの中で接近する程では無かったと記憶しているのですがね?
アランドの方は何にも躊躇なく、手を伸ばして髪に触りそのまま頬に何度も何度も労わる様に手を下ろしてくる。
待って頂戴?アランド、貴方…気安くそんなに女性の髪を触るものではないのよ?夫婦だったらいざ知らず、婚約者であってもその慎みは守った方がいいと思うの…!言いたい事は沢山あるのに……なんでここに私が寝ているのとか、本当のシャーリンはどうしたのだとか、なんでアランドは姉の髪を親そうにいつまでも触れているのかとか………
私の頭がグルグルして働いていない事をいい事に、あろう事かアランドは私に口付けて来た……
「………!?……んっ」
唇をあてただけじゃなくて、ペロリとアランドの舌先は、私の唇を舐めて………思わずビックリして声を出しちゃったけど、それに満足したのかニコリ、とこれまたいい笑顔でアランドは微笑むと、驚いて固まっている私に布団をかけて自分はゆっくりとベッドから出て行った。
「僕は今日は仕事だからね?もう支度しなきゃいけないけど、シャーリンはゆっくりしてて?昨日は……少し、無理させちゃったね?反省してます……」
テレテレ、照れ笑い?弟のそんな顔、見たことありませんっていう位の照れ顔で、アランドは着替えるために浴室へと向かって行ったと思う…
そう、思う……最早私の思考はここで途切れてて…アランドに掛けられた布団を頭まで被って、現実から逃避する為にもう一度意識を手放した……
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