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1、美しい砂漠
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浮上する意識の中で鼻腔をくすぐる空気の変化を感じた…気温も匂いも湿度も、肌で感じ得るもの全てが知り得るものと比べると全くの異質なもので、目を開けて更に混乱する。
「ここは……どこ……?」
真夏の澄み渡った大空に輝く太陽の様に澄んだ金の瞳をゆっくりと開いて、しばし瞬くことも忘れ呆然と見える景色を追って行く…どこまでも続く砂地に沈みかけた夕日が淡い朱色を落としていく。所々に見えるのは細かい枝葉を付けた背の高い木々だ。どうやら寝台らしき所で横になっているのだろうが、目の前の幌の様な物の隙間から見える外の景色には全くの覚えが無かった…
「お目覚めですか?フリージア様。ここはゲルテンにございます。」
直ぐ横に控えていたのだろう。身近に聞こえた見知った声にフリージアの混乱が増す……
「…マルカス?」
ゆっくりと身体を起こしてもどこにも不調はない。強いて言うのならばいつもと違う寝台に寝ていて身体が凝り固まってしまったことくらいだろうか。身体を流れる金の長い髪の感触もいつもの自分の物と違和感はないのに、いるべき場所が全く違う。
「はい、何かお飲み物でもお持ちしましょうか?」
フリージアが寝ていた所は寝台と言うには何と粗末な物……台座は無く直接地の上に柔らかな敷物を敷いて誂えてある物だ。ゆっくりとそこに座りフリージアは声をかけてくれたマルカスに振り返る。
「ここはどこ?」
側にいる者は柔らかな茶の髪に優しい青い光を湛える瞳を持つ、マルカスだ。邸にいる時から常に家の者達のために働いていたお目付け役でもあり神官でもあった。
「ゲルテンですよ。フリージア様。」
マルカスはいそいそと、素朴な素焼きの器に冷たい水を入れて持って来てくれた。柔らかな手つきは男性の物とは違う。去勢した者が持つ独特の中性的な雰囲気を醸し出している。そんなマルカスの笑顔は帝都で見ていたものと全く変わらなかった。
「……様?」
不思議な感じだ。以前は同僚で時にフリージアはマルカスの下に付き働いていたのだから。冷たい陶器の器を受け取りながらフリージアは首を傾げる。
「はい。貴方様はゲルテンの国王の妃になられますから。」
「ゲルテン……そう…もうここはゲルテンなの?」
そうであった。奴隷であった自分が他国の国王の妃となる。なんとも数奇な運命ではないか。徐々に目覚めて来た頭の中に新しい記憶も呼び起こされていく。
「思い出されましたか?」
倒れたのだ………
「失態をしてしまいましたね……」
なんと恥ずかしい事に、国境まで迎えに出てくれていたゲルテンの民を見てフリージアは倒れてしまった。両国共に不可侵とする条約を取り付けるための婚姻である大事な席でフリージアは倒れたのだ。
自分の大失態にはあ、と長いため息を吐き、マルカスがくれた水に口をつけた。
「お疲れだったのでしょう?」
確かに疲れてはいた。この婚姻が決まったのはつい数日前であったから。
長年続いた両国間の睨み合いに根を上げた王族達はそれぞれ平和的な解決策を望んだのだ。帝都側とゲルテン側からから1人ずつ国交を深めるべき人物を出し合いましょうと。それは程の良い人質と変わらない。そして人を交換するくらいならばこの際、婚姻を結べば良かろうとの意見に落ち着いたのだ。
ゲルテンの王と帝都の美姫と名高いフリージアの主人の結婚だ。これで余計な衝突が起こらず帝都の地も荒らされないと喜ばれる所だろうが、これには主人の家族一同大反対であった。
帝都は格式と礼節を何よりも重んじる。武力よりも知識と教養、美、礼儀。何よりも強調し合う事を尊みその団結力で国を守って来た。対してゲルテン他周囲に散る帝都側からは蛮族と呼ばれている少数国家は武力を重んじその戦績を国の強さと歌う。国の根幹から真逆であるのだから両者共に歩み寄る事の難しさが測れるだろう。
可愛い娘を蛮族の妻になどとんでもないと何日も何日も輿入れを進める側からの打診を断り続けたのだった。けれども話が流れれば再び帝都が荒らされる。ゲルテンは蛮族の少数国家を束ねるリーダー的な国であった。ゲルテンが周囲に働きかければそれだけで帝都の安全は確固たる物となるのだから。この話も流すわけには行かないのである。
フリージアはこの帝都の主要貴族の家の奴隷であった。幼い頃から大変見目良く、主人に買われその娘の側に仕えてきたのだ。帝都では奴隷も大変貴重な財産である。何よりも礼節と品格を重んじる帝都民は奴隷にもそれを求めるのだ。奴隷が奴隷として扱われる面はいくつかの制約のみにおいてであり、その他は主人の家の家族のように同じ待遇下で働く事となる。それ故フリージアにも幼い頃から教養を身につけさせ、礼儀作法、家事全般はもちろんの事事、身分の高い者に請われ家庭に入る時の為に帝都流の花嫁修行まで身につけさせられていた。そしてフリージアの外見は類い稀な美姫と呼ぶにふさわしいものであった。
主人の家族はこの考えに至った時にきっと心から胸を撫で下ろしていたに違いない。可愛い娘と比べて奴隷の身分である者の犠牲のみで済むのならばそれに越したことはないだろうから。
そしてフリージアは喜び勇んだ主人の家族に押し出されるようにしてゲルテンへと向かったのだ。神官でもあり馴染みの顔見知りでもあるマルカスもフリージアに付けてくれた事が主人達の最後の優しさであったのだろうか…
「ここは……どこ……?」
真夏の澄み渡った大空に輝く太陽の様に澄んだ金の瞳をゆっくりと開いて、しばし瞬くことも忘れ呆然と見える景色を追って行く…どこまでも続く砂地に沈みかけた夕日が淡い朱色を落としていく。所々に見えるのは細かい枝葉を付けた背の高い木々だ。どうやら寝台らしき所で横になっているのだろうが、目の前の幌の様な物の隙間から見える外の景色には全くの覚えが無かった…
「お目覚めですか?フリージア様。ここはゲルテンにございます。」
直ぐ横に控えていたのだろう。身近に聞こえた見知った声にフリージアの混乱が増す……
「…マルカス?」
ゆっくりと身体を起こしてもどこにも不調はない。強いて言うのならばいつもと違う寝台に寝ていて身体が凝り固まってしまったことくらいだろうか。身体を流れる金の長い髪の感触もいつもの自分の物と違和感はないのに、いるべき場所が全く違う。
「はい、何かお飲み物でもお持ちしましょうか?」
フリージアが寝ていた所は寝台と言うには何と粗末な物……台座は無く直接地の上に柔らかな敷物を敷いて誂えてある物だ。ゆっくりとそこに座りフリージアは声をかけてくれたマルカスに振り返る。
「ここはどこ?」
側にいる者は柔らかな茶の髪に優しい青い光を湛える瞳を持つ、マルカスだ。邸にいる時から常に家の者達のために働いていたお目付け役でもあり神官でもあった。
「ゲルテンですよ。フリージア様。」
マルカスはいそいそと、素朴な素焼きの器に冷たい水を入れて持って来てくれた。柔らかな手つきは男性の物とは違う。去勢した者が持つ独特の中性的な雰囲気を醸し出している。そんなマルカスの笑顔は帝都で見ていたものと全く変わらなかった。
「……様?」
不思議な感じだ。以前は同僚で時にフリージアはマルカスの下に付き働いていたのだから。冷たい陶器の器を受け取りながらフリージアは首を傾げる。
「はい。貴方様はゲルテンの国王の妃になられますから。」
「ゲルテン……そう…もうここはゲルテンなの?」
そうであった。奴隷であった自分が他国の国王の妃となる。なんとも数奇な運命ではないか。徐々に目覚めて来た頭の中に新しい記憶も呼び起こされていく。
「思い出されましたか?」
倒れたのだ………
「失態をしてしまいましたね……」
なんと恥ずかしい事に、国境まで迎えに出てくれていたゲルテンの民を見てフリージアは倒れてしまった。両国共に不可侵とする条約を取り付けるための婚姻である大事な席でフリージアは倒れたのだ。
自分の大失態にはあ、と長いため息を吐き、マルカスがくれた水に口をつけた。
「お疲れだったのでしょう?」
確かに疲れてはいた。この婚姻が決まったのはつい数日前であったから。
長年続いた両国間の睨み合いに根を上げた王族達はそれぞれ平和的な解決策を望んだのだ。帝都側とゲルテン側からから1人ずつ国交を深めるべき人物を出し合いましょうと。それは程の良い人質と変わらない。そして人を交換するくらいならばこの際、婚姻を結べば良かろうとの意見に落ち着いたのだ。
ゲルテンの王と帝都の美姫と名高いフリージアの主人の結婚だ。これで余計な衝突が起こらず帝都の地も荒らされないと喜ばれる所だろうが、これには主人の家族一同大反対であった。
帝都は格式と礼節を何よりも重んじる。武力よりも知識と教養、美、礼儀。何よりも強調し合う事を尊みその団結力で国を守って来た。対してゲルテン他周囲に散る帝都側からは蛮族と呼ばれている少数国家は武力を重んじその戦績を国の強さと歌う。国の根幹から真逆であるのだから両者共に歩み寄る事の難しさが測れるだろう。
可愛い娘を蛮族の妻になどとんでもないと何日も何日も輿入れを進める側からの打診を断り続けたのだった。けれども話が流れれば再び帝都が荒らされる。ゲルテンは蛮族の少数国家を束ねるリーダー的な国であった。ゲルテンが周囲に働きかければそれだけで帝都の安全は確固たる物となるのだから。この話も流すわけには行かないのである。
フリージアはこの帝都の主要貴族の家の奴隷であった。幼い頃から大変見目良く、主人に買われその娘の側に仕えてきたのだ。帝都では奴隷も大変貴重な財産である。何よりも礼節と品格を重んじる帝都民は奴隷にもそれを求めるのだ。奴隷が奴隷として扱われる面はいくつかの制約のみにおいてであり、その他は主人の家の家族のように同じ待遇下で働く事となる。それ故フリージアにも幼い頃から教養を身につけさせ、礼儀作法、家事全般はもちろんの事事、身分の高い者に請われ家庭に入る時の為に帝都流の花嫁修行まで身につけさせられていた。そしてフリージアの外見は類い稀な美姫と呼ぶにふさわしいものであった。
主人の家族はこの考えに至った時にきっと心から胸を撫で下ろしていたに違いない。可愛い娘と比べて奴隷の身分である者の犠牲のみで済むのならばそれに越したことはないだろうから。
そしてフリージアは喜び勇んだ主人の家族に押し出されるようにしてゲルテンへと向かったのだ。神官でもあり馴染みの顔見知りでもあるマルカスもフリージアに付けてくれた事が主人達の最後の優しさであったのだろうか…
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