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手を取る喜び
13 希望 3
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「だからと言って、ルシュにも妃殿下にも無理を強いる事は出来ませんので殿下、お忘れなく。」
「分かっている……」
無理をしない様にと言うホートネルの言葉に何故か公主トライトスはやや憮然とした態度だった。
「殿下…?」
こてん、とシャイリー妃は首を傾げる。
「ご両者共に、身体の内部にまで負担はかかっているのです。次代の後継を考えるのは大変喜ばしい事ではありますが、まずはゆっくりとお身体を整えて頂かなくてはと。」
理解できていなかったシャイリーにホートネルは優しく諭す。
次代の後継……これはルシュルーだけの問題ではなくトライトスと結婚をして夫婦となったシャイリーにも言える事だった。
「あ………」
やっと意味がわかったシャイリーは一気に頬を染め上げる。そのシャイリーの手をトライトスはそっと取った。
「安心しろ。無理強いはしない。俺はシャイリーを愛していると言ったか?言って無かったか…後継がどうであれ、俺はシャイリーがここに居てくれればいい。俺の隣で、幸せそうに笑っていてくれれば、本当にそれでいいんだ。だから、後継の事は気にしないで良い。」
そのままその手にそっとキスを落とす。
「んん…!殿下、その様な事は私のいない時にお願いします。」
ちょっと困った様なホートネル。
「分かっている。俺だとて見せつけたいわけではない。が、人前の方が自制もしやすかろう?」
「殿下…仲がよろしい事は良い事ですが…妃殿下が固まっておられます。人前とて、程々になさいませ。」
「分かっててやっている。さ、シャイリー部屋まで送ろう。ここまで歩いてきたのだ。疲れただろう?」
「いえ!いえ、大丈夫ですわ!本当に調子が良いのです!少しは歩いて筋力をつけませんと、外にも出られないでしょう?」
「なんだ、我が妃は外に行きたいのか?」
「バルビス公国に嫁いできたのですもの…公国内を見て回りたいとは思っておりました……」
それには身体が耐えられなかったのだが……
「そうか……では、どこが見たい?」
立ち上がった瞬間にヒョイとトライトスに横抱きに抱き上げられてしまうシャイリー。
「ト、トライトス様!」
「夫婦なのだからいいではないか?」
苦もなくシャイリーを抱き上げるトライトスはそれは幸せそうな表情をしていた。いつしかシャイリーが言った言葉をそのまま悪戯っ子の様に返してきて…
「そ、そうではございますが……」
「その内にこれくらいでは動じぬ様になるさ…!」
「………そうでございましょうか?」
「あぁ。保証しよう。」
なんの保証だろうか、よく聞くのもなんだかシャイリーには恐ろしいものがあった。
「分かっている……」
無理をしない様にと言うホートネルの言葉に何故か公主トライトスはやや憮然とした態度だった。
「殿下…?」
こてん、とシャイリー妃は首を傾げる。
「ご両者共に、身体の内部にまで負担はかかっているのです。次代の後継を考えるのは大変喜ばしい事ではありますが、まずはゆっくりとお身体を整えて頂かなくてはと。」
理解できていなかったシャイリーにホートネルは優しく諭す。
次代の後継……これはルシュルーだけの問題ではなくトライトスと結婚をして夫婦となったシャイリーにも言える事だった。
「あ………」
やっと意味がわかったシャイリーは一気に頬を染め上げる。そのシャイリーの手をトライトスはそっと取った。
「安心しろ。無理強いはしない。俺はシャイリーを愛していると言ったか?言って無かったか…後継がどうであれ、俺はシャイリーがここに居てくれればいい。俺の隣で、幸せそうに笑っていてくれれば、本当にそれでいいんだ。だから、後継の事は気にしないで良い。」
そのままその手にそっとキスを落とす。
「んん…!殿下、その様な事は私のいない時にお願いします。」
ちょっと困った様なホートネル。
「分かっている。俺だとて見せつけたいわけではない。が、人前の方が自制もしやすかろう?」
「殿下…仲がよろしい事は良い事ですが…妃殿下が固まっておられます。人前とて、程々になさいませ。」
「分かっててやっている。さ、シャイリー部屋まで送ろう。ここまで歩いてきたのだ。疲れただろう?」
「いえ!いえ、大丈夫ですわ!本当に調子が良いのです!少しは歩いて筋力をつけませんと、外にも出られないでしょう?」
「なんだ、我が妃は外に行きたいのか?」
「バルビス公国に嫁いできたのですもの…公国内を見て回りたいとは思っておりました……」
それには身体が耐えられなかったのだが……
「そうか……では、どこが見たい?」
立ち上がった瞬間にヒョイとトライトスに横抱きに抱き上げられてしまうシャイリー。
「ト、トライトス様!」
「夫婦なのだからいいではないか?」
苦もなくシャイリーを抱き上げるトライトスはそれは幸せそうな表情をしていた。いつしかシャイリーが言った言葉をそのまま悪戯っ子の様に返してきて…
「そ、そうではございますが……」
「その内にこれくらいでは動じぬ様になるさ…!」
「………そうでございましょうか?」
「あぁ。保証しよう。」
なんの保証だろうか、よく聞くのもなんだかシャイリーには恐ろしいものがあった。
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