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淋しい婚姻の果てに
7 突然の宣告 2
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「ナトル!!」
「は!」
「お前がついていながら、これは、どういう事か!?」
側で控えていた騎士ナトルは、パルビス国公主トライトスの前に跪く。
「怪しい者は一切入れるなとあれ程言い置いていただろう!!」
「は!妃殿下のお部屋には専属侍女の他
、どなたも訪室されてはおりません。」
「確かか?」
「は!」
ナトルの報告を聞きながらも妃シャイリーの腕を取る侍医はトライトスの方を向きながら首を振る。侍医は冷たくなって固まったシャイリーの腕をそっと離すところだった。
「では、なぜこんな事になっている!?なぜ!!お前が着いていながら、妃は殺されねばならなかった!?」
物凄い剣幕でナトルの首元を掴み上げるトライトスの目は、今にもナトルを切り付けてしまうかもしれないと思わせる殺気さえ漂わせている。
「……殿下!……殿下、誠に残念ではありますが、妃殿下は他殺ではありますまい。お身体に傷ひとつありません。倒れていた状況からして……凍死ではないかと……」
「凍死……?」
侍女達から今朝の様子を伺えば、シャイリーは開いた窓のすぐ側で丸まる様にして倒れていたらしい。発見事には既に冷たくなっていたそうだ。
「ではなにか?お前達はこの屋敷を氷山よりも低温にしていたということか!!」
トライトスの逆鱗は収まらず、このままでは関わった者全てを粛清しかねないほどだ。
「だ、暖炉は付いていたのです!」
専属侍女の1人が震える声で訴える。
「では今、私が見ているものは幻か?」
シャイリーの部屋の暖炉は燻ってさえいないのだから。
「しゅ…就寝前まで、お部屋を暑くされるのです…!それも、毎晩です…けれど、そのままでは、汗をかいて風邪をお召しになります…ですから……」
「だから、なんだというのだ…」
(本当に…なんだと言うのだろう………)
「ですから……夜間、は火を消しに来ていたのです…!妃殿下はただでさえ、寝具の中で厚着なさっていましたから、皆…それが良かれと……」
侍女はもうブルブルと震えて声にならない声を必死に搾り出している。
「その結果が、凍死だと言うのか!!」
(まさか!本当に消しに来ていたのですか!?)
まさかとは思っていたのだ。けど、いつも火は消えている。なぜ消すのか、その理由が分からなかったけれど、侍女達の話を聞いてシャイリーは思わず納得した。
「は!」
「お前がついていながら、これは、どういう事か!?」
側で控えていた騎士ナトルは、パルビス国公主トライトスの前に跪く。
「怪しい者は一切入れるなとあれ程言い置いていただろう!!」
「は!妃殿下のお部屋には専属侍女の他
、どなたも訪室されてはおりません。」
「確かか?」
「は!」
ナトルの報告を聞きながらも妃シャイリーの腕を取る侍医はトライトスの方を向きながら首を振る。侍医は冷たくなって固まったシャイリーの腕をそっと離すところだった。
「では、なぜこんな事になっている!?なぜ!!お前が着いていながら、妃は殺されねばならなかった!?」
物凄い剣幕でナトルの首元を掴み上げるトライトスの目は、今にもナトルを切り付けてしまうかもしれないと思わせる殺気さえ漂わせている。
「……殿下!……殿下、誠に残念ではありますが、妃殿下は他殺ではありますまい。お身体に傷ひとつありません。倒れていた状況からして……凍死ではないかと……」
「凍死……?」
侍女達から今朝の様子を伺えば、シャイリーは開いた窓のすぐ側で丸まる様にして倒れていたらしい。発見事には既に冷たくなっていたそうだ。
「ではなにか?お前達はこの屋敷を氷山よりも低温にしていたということか!!」
トライトスの逆鱗は収まらず、このままでは関わった者全てを粛清しかねないほどだ。
「だ、暖炉は付いていたのです!」
専属侍女の1人が震える声で訴える。
「では今、私が見ているものは幻か?」
シャイリーの部屋の暖炉は燻ってさえいないのだから。
「しゅ…就寝前まで、お部屋を暑くされるのです…!それも、毎晩です…けれど、そのままでは、汗をかいて風邪をお召しになります…ですから……」
「だから、なんだというのだ…」
(本当に…なんだと言うのだろう………)
「ですから……夜間、は火を消しに来ていたのです…!妃殿下はただでさえ、寝具の中で厚着なさっていましたから、皆…それが良かれと……」
侍女はもうブルブルと震えて声にならない声を必死に搾り出している。
「その結果が、凍死だと言うのか!!」
(まさか!本当に消しに来ていたのですか!?)
まさかとは思っていたのだ。けど、いつも火は消えている。なぜ消すのか、その理由が分からなかったけれど、侍女達の話を聞いてシャイリーは思わず納得した。
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