上 下
19 / 47

19 手紙がありました

しおりを挟む
 どうやら、体の若返りもはっきりとしてしまって、喜ぶべきやら、恐るべきやら?今度どうなっていくのかも分からなくて恐怖もあるけどまだきっと猶予はあるはず!

 昨日の納屋の掃除を続けて、なんとか他の手掛かりを掴みたい。

「母さん?今日も納屋に?」

 サラは少し心配そうね?若返ったことじゃ無くて、私が思い詰めた顔してるからかしら?

「そうね、他に何かないか探さないと…」

「一体何を探しているの?」

「……ラッキービーナよ…」

 サラに言うか言わないか迷ったけど、何か知ってる事があったら教えて欲しいもの。

「そうなの?ラッキービーナねぇ?」

「ん?サラ、聞いたことあるの?」

「ううん。前に母さんが寝言で叫んでたわ。夢の中の話だと思ってた。」

「ふぇ?そうなの?」

 あらら、私ったら叫ぶほど?

「なんだか、無視できないの。知ってるような知らないような…」

「う~ん。母さんがどんどん綺麗になるのはなんか悔しいけど、若い母さんもいいな、って思ってたの。ラッキービーナかぁ、夢の中の話じゃないなら見て見たいわね?」

 なんだかサラも乗り気ね?母さん頑張ってくるわ!

 さて、我が家の魔窟さん。本日は何を出してくれるのかしら…
気合を入れ直し、意気揚々と納屋に向かう為に外に出る…ん?んん?

 我が家のドアを出て、納屋に行くには裏へ回る必要があるんだけど、そちらへ体を向けようとしたら一枚の紙。

 拾い上げて確認したけど、家にある紙とは材質が違うものだが、折り目も新しく紙も綺麗。何が書いてあるかと開いて見たら、

"ラッキービーナ、
   ミッチェルに合わせて下さい"と。

「んん~!?ラッキービーナのメモ?どうしてここに?」

 確かに一度小包の様な物の中からメモやら手紙を出して目を通したけど、全て纏めてしまったよね?風も強くなかったし、飛ばされた物など無かったはず?

 と、言う事は、誰かがここに持ってきた?森を通って?わざわざ?

 朝、仕事に出る家族もいたはず。ここを通った者も居たはずなんだけど、何も言ってこなかった…お客さんがいるとも伝えてこなかったと言う事は誰も見なかったと言う事でしょ?この字体は家族の誰とも違うし、このペンのインクは我が家には無いわ…悪戯でこんなことをしたんじゃ無いわね。

 取り敢えず納屋に行く前に家の周りや森の入り口まで周囲を歩いて誰かいないか確認したわ。2、3周念の為歩いてきたけど、勿論誰も居なかった……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから

真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」  期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。    ※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。  ※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。  ※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。 ※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

処理中です...