甘い誘惑

⒈

01

『胡桃！』

「はーい！」



「陸翔！お待たせー♪」

ギュッ

陸『痛って。おせぇーよ、胡桃。』


私は松倉胡桃(まつくら くるみ)
高校3年

幼馴染の森田陸翔(もりた りくと)と
毎日登校してる。 


「ごめんごめん、髪型決まらなくて」

陸『そんなの適当で良いじゃん。』

「そんなので学校行けないもん！」


陸翔side

毎日登校してるけどいつも抱きついてくる胡桃
朝から本当に俺の心臓が持たねぇつぅーの。

朝から気合い入れて可愛い胡桃。
学校に行くだけだって言うのに…
他の男にだって見られるとか耐えれん。


陸『行けるよ、変わんないんだし。』

「はぁ？どう言う意味よ！どうせ私は何しても変わんないもーんだ。」

あー、やらかした。俺のいつもの悪いくせ。
恥ずかしくて回りくどい言い方して
いつも胡桃を怒らせてしまう。

陸『ちげぇーよ、俺が言いたかったのは…』

胡桃に近づき、頭をそっと右手で触れ
髪の毛を耳に掛けながら

陸『そんなオシャレしなくてもお前は何してても可愛いの。』

「…///もぉ、じょ、冗談は辞めてよね///は、早く行こ？///」

めっちゃ照れてる(笑)

陸『くる、照れてんの？』

「照れてないし///」

陸『あっそ、ほら、行くぞ。』

はぁ…いい加減俺の気持ちに気づけよな…
そう俺はずっと昔から胡桃の事が好きだ。

そう言って陸翔は私の手を握り学校へと向かう。

「ねぇ、は、恥ずかしいから///」

陸『ん？』

「ん？じゃないよ！て、手だよ。手…///」

陸『良いじゃん。てかお前がおせぇからだろ？ 』

「だって陸翔早いんだもん。」

陸『じゃあ、繋いでても良いだろ？』

「見られちゃうよ？みんなに///」

陸『別に良いじゃん』

「陸翔人気なのにファンが悲しむよ？」

陸『はぁ？何意味わかんねぇこと言ってんだよ、早く行くぞ。』

「う、うん///」

陸翔は学校で凄く人気でモテる。
登校する時も視線がいつも痛い。




学校に着き自然と手が離れ教室に入る。



胡桃side

陸翔に手を繋がれた事は
幼稚園の時以来で学校に着いて手が離れても感覚がある。

「(陸翔…)」

凄い温かい気持ちになって嬉しくなる。


学校に着くと私と陸翔は同じクラス。
陸翔はモテるし人気だから陸翔の周りには
女子が毎日集まってる。



少し寂しい気持ちになりながらも
私は窓際の1番後ろの席で
さっきまで繋いでた陸翔の温もりを感じていた。


『なぁーに、にやけてんだ？』

自然とにやけてしまっていたのか
私の前の席の中原悠玖(なかはら ゆうく)が
話しかけてきた。


「へ？い、いや、何でもない///」

悠『へぇー。』

「何よその目は｡//」

悠『別に何もねぇけど。』

と顔を近づける悠玖。

「…んっ、もぉ、近い！中原。」


そう言うと悠玖は右手を私の頬に添え

悠『良いじゃん。可愛い顔を近くで見たいし』

平気な顔して恥ずかしい言葉を言うから
目が泳いでしまう。

悠『ねぇ、好きな人いんでしょ？』

「えっ？！そ、そんな事ないよ」

悠『本当に？本当はいるんじゃないの？』

そう耳元で囁くから顔が熱くなる。

「い、いるわけない///」

悠『へぇー、森田じゃねぇの？』

「な、なんで陸翔なの？！///」

悠『今日も一緒に来てたし？笑』

「いや、家近いし。」

悠『ふぅーん。どうでもいいけど。じゃあ、今度俺とデートしてよ。良いな？絶対だぞ。』

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ


「な、なんで？」

悠『なんでも、ほら、チャイムなったから時間切れーお前に拒否権なし！笑』

「もぉーなんでよ、デートって｡//」



悠『ほら、もう諦めて。どこ行きたいか決めといて？俺はお前とならどこでも良いから』

なんてそんなサラッと嬉しい事を言う。
もぉー、なんで中原…

中原も陸翔と同じぐらい人気でイケメン。

「わ、分かったよ。」

悠『ありがとう。』

中原は私の頬にキスをした。

「えっ、、///」

悠『じゃあな、』

そう言われてからずっと中原の事が
気になって授業の内容が入らないまま下校時間。