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本編
7歳-1
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あれから5年の月日が流れた。
7歳になった俺は前世の知識もあって7歳児の壁をブチ破る破竹の勢いで強くなった。
「脇が甘い」
ズン!
鈍い音と共に剣を構える腕の隙間を縫ってガイウス団長の剣が俺の脇腹を突く。
強くなったとは言っても所詮7歳児のちっこい肉体じゃ、未だに大人達にいい様にあしらわれてて悔しくて仕方がない。子供に負ける様じゃ騎士として情けないから困るけども!でも理屈と感情は別っていうかな!
「うぐぅっ」
呻き声を上げて後ろに踏鞴を踏んでしまう。でもこれ手加減されてるからこの程度で済んでんだよなぁ。騎士達が鍛えられてると、吹っ飛んでるし。俺、リアルで人が吹っ飛ぶ様を毎日見てんだぜ?スゴクね?
若干の現実逃避しかけたとこで第二刃が来て、慌てて足を踏み締め直して横に体を捻って避けた。
アブねー。アブねー。
「考え事とは余裕だなぁ。んん?」
横擦れ擦れにある潰した刃の煌きを横目で見やる。冷や汗を掻きつつ目線をずらして仰ぎ見たガイウス団長。太陽光をバックに怪しく光る眼光と両口端を上に上げて見せる白い歯が、恐怖心を煽ります。怖!
「そうかそうかー。もう手加減なんていらないかー」
獰猛に笑うガイウス団長は、棒読みだった。
俺はヒクつく喉で笑うしかなかった。だって、それってもっと強くなれるってことだろ。上等じゃねえか!
「掛かってこいやオラああああ!」
「お前がな」
「ぎゃふん!」
カッコよく啖呵切ったのに軽く足払いで転けさせられた。
無様にコロコロと転がっていく様をニヤつく笑いで見守るガイウス団長に殺意を覚える。
こなくそおおおおおっ。
俺は気合で転け様に地面を蹴って一回転で体制を立て直した。
「ほお。やるな坊」
「アウチ!」
立て直した傍からテクテク軽い足取りで来たガイウス団長に剣の腹でぶん回される。
何とか剣を構え直して盾にしてるけど、如何せん純粋な力の差の前ではビリビリ来る振動がいつ壊れるかの恐怖を起こさせる。
「うう~っ!バカダンチョーめぇっ!」
あ。バカ“力”って入れんの忘れた。
振り回されて胃が逆流するのを何とか堪えながらチラんと視線をやったら……。ウン。オレシンダ。
「あ~れぇ~!」
「あ。やべ、力入れ過ぎた」
「「ちょっダンチョー!!アレクサンダー様ー!!」」
悔し紛れに間抜けな叫びで吹っ飛んでく俺は、その後騎士達の悲痛の叫びを聞きながらお星さまになって敷地外の森に落ちましたとさ。
「あ、痛つぅ」
森の木々をクッションに落ちた俺は、障壁魔術で防ぎきれなかった衝撃を受けて倒れてる。
攻撃魔術より先に防御魔術を教えられて腹立ってたけど、先人の知恵には従っといて良かったぜ。
尻を擦りながら起き上がった俺は、頭に葉っぱをつけたまま辺りを見回す。
「あちゃー、見事に飛んだな。えーと屋敷はあっちか」
木々の隙間から見える屋敷の塀を見つけて位置を確認したけど、塀には進入禁止の魔術が仕掛けられてる。さてどうしたもんか。取り合えず屋敷の門はあっち側だから塀沿いに歩いてればそのうち着くか。
気を取り直して門に向かって歩き出したら塀から離れたとこからこっちを伺う気配がした。敵意は無いようだし確認しとくか?
姿が見えないながらもお互いを伺う気配だけが森の合間を行き交う。すると向こうの気配がこっちに向かって動いた。一応何があってもいい様に軽く結界の確認をしとく。よしよし、不測の事態にも途切れてないな。
向こうが来てくれるならと待ち構えていたら草の根掻き分けるガサガサという音が近付いて来た。
果たして現れたのは、おん?子供?
今の俺より背の低い、ガリガリに痩せ細った身なりの悪い少年が其処にいた。
「……あー」
「お前どこの子だ?ここは危険な生き物もいる危ない森だぞ」
誰それしようと口を開いたら先越されたし。
言葉のブーメランを問いたいけど、子供にしてもなー。ていうかむしろ少年のが危険じゃね?強いどころか弱そうだぞ。
「俺はアレックス。ここには誤って来ちまったんだよ、直ぐに帰る予定だ。
それで少年は?危険な森はお互い様だろ」
あ、結局ブーメランしちまった。まあいいか。
少年は何が気に入らないのか睨みを効かせて俺を見て、
ぐうぅううううう。
……盛大な腹の虫を鳴かせた。
人の腹の音ってこんなに見事に聞こえるもんなんだな。前世現世共に飽食の家庭環境に生まれたお陰で今まで聞いたこと無かったわ。
少年が真っ赤になってさらに俺を睨んでくるから、俺は大人の余裕の笑みを浮かべて聞こえなかった振りをした。
「まあ、ここで会ったも何かの縁。一人残して帰る非情は持ち合わせがないから一緒に行こうか」
「……オレはここに用事があって来たんだ。手ぶらで帰れない」
こんな森に?辺りをキョロキョロして少年を見て、そして首を傾げる。
少年は引く気が無いのか憮然とした体で動く気配を見せない。膠着状態になったら面倒だなと思ってたら他の気配がした。それも幾つも。
少年を視界に収めながらその気配を探れば確かな敵意を感じる。不規則な動きで近付く気配はそれが人のものでは無いと知らせている。
「少年は逃げろ。俺はここで足止めをする」
「は!?」
少年を庇う様に躍り出て、後ろ手で逃げろとジェスチャーを加える。
それに驚いて素っ頓狂な声を上げる少年。どうやら少年も人外の気配に気付いていたのか何やら両手をクロスさせた構えを取っている。
いやいやいや。何するつもりか知らんけどお子ちゃまには荷が重いって。
「あれはオレのご飯だぞ!」
……おん?
らいす?
「はあああああ!?」
森に今日一の俺の絶叫が響いた。
7歳になった俺は前世の知識もあって7歳児の壁をブチ破る破竹の勢いで強くなった。
「脇が甘い」
ズン!
鈍い音と共に剣を構える腕の隙間を縫ってガイウス団長の剣が俺の脇腹を突く。
強くなったとは言っても所詮7歳児のちっこい肉体じゃ、未だに大人達にいい様にあしらわれてて悔しくて仕方がない。子供に負ける様じゃ騎士として情けないから困るけども!でも理屈と感情は別っていうかな!
「うぐぅっ」
呻き声を上げて後ろに踏鞴を踏んでしまう。でもこれ手加減されてるからこの程度で済んでんだよなぁ。騎士達が鍛えられてると、吹っ飛んでるし。俺、リアルで人が吹っ飛ぶ様を毎日見てんだぜ?スゴクね?
若干の現実逃避しかけたとこで第二刃が来て、慌てて足を踏み締め直して横に体を捻って避けた。
アブねー。アブねー。
「考え事とは余裕だなぁ。んん?」
横擦れ擦れにある潰した刃の煌きを横目で見やる。冷や汗を掻きつつ目線をずらして仰ぎ見たガイウス団長。太陽光をバックに怪しく光る眼光と両口端を上に上げて見せる白い歯が、恐怖心を煽ります。怖!
「そうかそうかー。もう手加減なんていらないかー」
獰猛に笑うガイウス団長は、棒読みだった。
俺はヒクつく喉で笑うしかなかった。だって、それってもっと強くなれるってことだろ。上等じゃねえか!
「掛かってこいやオラああああ!」
「お前がな」
「ぎゃふん!」
カッコよく啖呵切ったのに軽く足払いで転けさせられた。
無様にコロコロと転がっていく様をニヤつく笑いで見守るガイウス団長に殺意を覚える。
こなくそおおおおおっ。
俺は気合で転け様に地面を蹴って一回転で体制を立て直した。
「ほお。やるな坊」
「アウチ!」
立て直した傍からテクテク軽い足取りで来たガイウス団長に剣の腹でぶん回される。
何とか剣を構え直して盾にしてるけど、如何せん純粋な力の差の前ではビリビリ来る振動がいつ壊れるかの恐怖を起こさせる。
「うう~っ!バカダンチョーめぇっ!」
あ。バカ“力”って入れんの忘れた。
振り回されて胃が逆流するのを何とか堪えながらチラんと視線をやったら……。ウン。オレシンダ。
「あ~れぇ~!」
「あ。やべ、力入れ過ぎた」
「「ちょっダンチョー!!アレクサンダー様ー!!」」
悔し紛れに間抜けな叫びで吹っ飛んでく俺は、その後騎士達の悲痛の叫びを聞きながらお星さまになって敷地外の森に落ちましたとさ。
「あ、痛つぅ」
森の木々をクッションに落ちた俺は、障壁魔術で防ぎきれなかった衝撃を受けて倒れてる。
攻撃魔術より先に防御魔術を教えられて腹立ってたけど、先人の知恵には従っといて良かったぜ。
尻を擦りながら起き上がった俺は、頭に葉っぱをつけたまま辺りを見回す。
「あちゃー、見事に飛んだな。えーと屋敷はあっちか」
木々の隙間から見える屋敷の塀を見つけて位置を確認したけど、塀には進入禁止の魔術が仕掛けられてる。さてどうしたもんか。取り合えず屋敷の門はあっち側だから塀沿いに歩いてればそのうち着くか。
気を取り直して門に向かって歩き出したら塀から離れたとこからこっちを伺う気配がした。敵意は無いようだし確認しとくか?
姿が見えないながらもお互いを伺う気配だけが森の合間を行き交う。すると向こうの気配がこっちに向かって動いた。一応何があってもいい様に軽く結界の確認をしとく。よしよし、不測の事態にも途切れてないな。
向こうが来てくれるならと待ち構えていたら草の根掻き分けるガサガサという音が近付いて来た。
果たして現れたのは、おん?子供?
今の俺より背の低い、ガリガリに痩せ細った身なりの悪い少年が其処にいた。
「……あー」
「お前どこの子だ?ここは危険な生き物もいる危ない森だぞ」
誰それしようと口を開いたら先越されたし。
言葉のブーメランを問いたいけど、子供にしてもなー。ていうかむしろ少年のが危険じゃね?強いどころか弱そうだぞ。
「俺はアレックス。ここには誤って来ちまったんだよ、直ぐに帰る予定だ。
それで少年は?危険な森はお互い様だろ」
あ、結局ブーメランしちまった。まあいいか。
少年は何が気に入らないのか睨みを効かせて俺を見て、
ぐうぅううううう。
……盛大な腹の虫を鳴かせた。
人の腹の音ってこんなに見事に聞こえるもんなんだな。前世現世共に飽食の家庭環境に生まれたお陰で今まで聞いたこと無かったわ。
少年が真っ赤になってさらに俺を睨んでくるから、俺は大人の余裕の笑みを浮かべて聞こえなかった振りをした。
「まあ、ここで会ったも何かの縁。一人残して帰る非情は持ち合わせがないから一緒に行こうか」
「……オレはここに用事があって来たんだ。手ぶらで帰れない」
こんな森に?辺りをキョロキョロして少年を見て、そして首を傾げる。
少年は引く気が無いのか憮然とした体で動く気配を見せない。膠着状態になったら面倒だなと思ってたら他の気配がした。それも幾つも。
少年を視界に収めながらその気配を探れば確かな敵意を感じる。不規則な動きで近付く気配はそれが人のものでは無いと知らせている。
「少年は逃げろ。俺はここで足止めをする」
「は!?」
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それに驚いて素っ頓狂な声を上げる少年。どうやら少年も人外の気配に気付いていたのか何やら両手をクロスさせた構えを取っている。
いやいやいや。何するつもりか知らんけどお子ちゃまには荷が重いって。
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