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ごはんにする?お風呂にする?それとも、び・い・え・る?
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「さて勇者よ。そういう訳だから見張りは我に任せて安眠に更けるがよい」
「出来るか!?俺はお前を倒す為にここにいるんだ!くそっこんな闇魔法なぞっ、食い込む!?」
折角我が気を利かせているのに勇者と来たらまだ無茶をしようとする。
今だってジタバタ藻掻いて闇の触手君がどんどん絡んでいくし。それBL用に開発した奴だからジッとしてないとエロ展開起きるよ。でも今はお相手いないからサービスショットの持ち腐れだよねー。
「それじゃあ勇者はお休み☆」
これ以上暴れられたらスチルの無駄遣いだから強制的にねんねしようね。
「ふざっ……」
それ以上の言葉はない。どうやらお眠りのようだ。
「さて、と」
勇者が寝た所で絡みに絡んだ触手君を消す。我の魔法だからね。消すのも一瞬ポロリはないよ。
と思ったら、わぁお。絡んだ触手君で衣服が乱れてたね。なんならプレートアーマーだっけ?中の服まで浸食されて融けてたや。うーん乳首が眩しいね☆君には受けの素質レベル1を進呈しよう。
でも我は勇者には攻めでいて欲しいからこれからに期待。
とか考えつつも勇者はテントに押し込んどく。不可抗力で見た武闘家×魔導士は、今日も安定の仲良し振りでありがとうございます!出来れば武闘家にはそこで寝ている魔導士の胸元に手を這わせ、身じろぎをした勇者にビビる所まで見せて欲しい。
我、すみっこで見守っているからな。
という一夜を終え、期待を裏切り朝まで爆睡をする武闘家を睨みつつ、ご飯の支度をしよう。
良質なエチチは良質なご飯から摂取されるのだ。
朝からすっぽんは胃が凭れちゃうかなぁ。大丈夫か。勇者一行だし。一応我の天敵を名乗るならばこれ位は起っきして元気溌剌を繰り出すのだ!
てことでご飯ご飯♪マムシは前菜の方が良いかな?でもあからさまだと食べてくれなさそうだし、ここは秘儀☆お母さんのこっそりレシピでいこう♪嫌いな人参ペーストにしてハンバーグに混ぜたみたいなやつね。
「何をしている」
チャキリとした音が我の首筋から聞こえる。
「朝食の準備は済んでいるぞ勇者よ!」
視界に剣の柄とそれを握る勇者の手が見えたけどそれより今はご飯である。ドヤ顔で鍋の中身を見せようね。
「そんな得体のしれないもの食べる訳がないだろう」
「え……?食べて、くれないの?我、一生懸命栄養を考えて作ったのに……」
すっぽんのエキス染み出すスープに、マムシをスライスして混ぜ込んだサラダ。パンにはマカを混ぜ込んだライ麦パン。全部健康に良いのに。
「な。何も、泣くことは無いだろう。魔王のくせに」
我の心の栄養補給の元なのに。
ムラムラしようよ!
ってわー!?切って来た!?
「今。何か邪悪な気配がした」
「邪悪とは何事だ!腐男子活動は健全だぞ!?」
「魔王が何を言っている」
「待て!早まるな勇者よ!折角の食材が零れるではないか!」
「そんなものはこの世から消し去ってやる」
「大丈夫!美味しいから!」
言って聞かないなら食わせてしまえ!
勇者の剣戟の隙間を縫い、我は左手に持った鍋から匙でスープを掬い、そして口を開いた瞬間に突っ込んだ。
「!?」
零さない様に匙を持った手ですかさず口を塞げば勇者は目を白黒させた。ちゃんと火傷しない様に冷まして入れたけど、まだちょっと熱かったかな?
暫くもごもごさせて剣で我を切ろうとしてるけど、これだけ密着しちゃうと勇者の長剣は扱い辛いだろ。それでも確実に我に攻撃を入れてくるのは流石と褒めておいてやろう。全て鍋で防いだけど。
「うーん。強情だな。ここは王道の口で口を塞いで嚥下を促す」
のは推しカプでやって欲しいから却下だなと続けようとしたが、それより先に勇者が自分で嚥下した。
「おお。良い食べっぷりではないか」
手を離しつつ感心した目を向ければ勇者が茫然としている。
「……美味い……」
「そうだろう。我すっごく長生きだからな。炊事洗濯何でも出来るぞ」
「いや部下にでもやらせろよ」
「いや我部下いないし」
「は?」
ん?
ああ、そういえば武闘家達と話してたな。魔王軍が国を攻めるとかなんとか。
「我、部下を必要としないから特に雇ってないぞ。だって雇用って面倒ではないか。やれ労働者の権利だとか騒いでおいて勝手して我の許可なく暴れて責任問題押し付けるから、今はもう誰もいない」
昔は一時雇ってた時期もあったがな。あまりにも我の言う事を聞かぬ故、滅ぼしてやったわ。
以来我はずっと独りな訳だが、何故か勇者はポカンとしていた。
「は?」
また呆けた言葉漏らしてる。
「出来るか!?俺はお前を倒す為にここにいるんだ!くそっこんな闇魔法なぞっ、食い込む!?」
折角我が気を利かせているのに勇者と来たらまだ無茶をしようとする。
今だってジタバタ藻掻いて闇の触手君がどんどん絡んでいくし。それBL用に開発した奴だからジッとしてないとエロ展開起きるよ。でも今はお相手いないからサービスショットの持ち腐れだよねー。
「それじゃあ勇者はお休み☆」
これ以上暴れられたらスチルの無駄遣いだから強制的にねんねしようね。
「ふざっ……」
それ以上の言葉はない。どうやらお眠りのようだ。
「さて、と」
勇者が寝た所で絡みに絡んだ触手君を消す。我の魔法だからね。消すのも一瞬ポロリはないよ。
と思ったら、わぁお。絡んだ触手君で衣服が乱れてたね。なんならプレートアーマーだっけ?中の服まで浸食されて融けてたや。うーん乳首が眩しいね☆君には受けの素質レベル1を進呈しよう。
でも我は勇者には攻めでいて欲しいからこれからに期待。
とか考えつつも勇者はテントに押し込んどく。不可抗力で見た武闘家×魔導士は、今日も安定の仲良し振りでありがとうございます!出来れば武闘家にはそこで寝ている魔導士の胸元に手を這わせ、身じろぎをした勇者にビビる所まで見せて欲しい。
我、すみっこで見守っているからな。
という一夜を終え、期待を裏切り朝まで爆睡をする武闘家を睨みつつ、ご飯の支度をしよう。
良質なエチチは良質なご飯から摂取されるのだ。
朝からすっぽんは胃が凭れちゃうかなぁ。大丈夫か。勇者一行だし。一応我の天敵を名乗るならばこれ位は起っきして元気溌剌を繰り出すのだ!
てことでご飯ご飯♪マムシは前菜の方が良いかな?でもあからさまだと食べてくれなさそうだし、ここは秘儀☆お母さんのこっそりレシピでいこう♪嫌いな人参ペーストにしてハンバーグに混ぜたみたいなやつね。
「何をしている」
チャキリとした音が我の首筋から聞こえる。
「朝食の準備は済んでいるぞ勇者よ!」
視界に剣の柄とそれを握る勇者の手が見えたけどそれより今はご飯である。ドヤ顔で鍋の中身を見せようね。
「そんな得体のしれないもの食べる訳がないだろう」
「え……?食べて、くれないの?我、一生懸命栄養を考えて作ったのに……」
すっぽんのエキス染み出すスープに、マムシをスライスして混ぜ込んだサラダ。パンにはマカを混ぜ込んだライ麦パン。全部健康に良いのに。
「な。何も、泣くことは無いだろう。魔王のくせに」
我の心の栄養補給の元なのに。
ムラムラしようよ!
ってわー!?切って来た!?
「今。何か邪悪な気配がした」
「邪悪とは何事だ!腐男子活動は健全だぞ!?」
「魔王が何を言っている」
「待て!早まるな勇者よ!折角の食材が零れるではないか!」
「そんなものはこの世から消し去ってやる」
「大丈夫!美味しいから!」
言って聞かないなら食わせてしまえ!
勇者の剣戟の隙間を縫い、我は左手に持った鍋から匙でスープを掬い、そして口を開いた瞬間に突っ込んだ。
「!?」
零さない様に匙を持った手ですかさず口を塞げば勇者は目を白黒させた。ちゃんと火傷しない様に冷まして入れたけど、まだちょっと熱かったかな?
暫くもごもごさせて剣で我を切ろうとしてるけど、これだけ密着しちゃうと勇者の長剣は扱い辛いだろ。それでも確実に我に攻撃を入れてくるのは流石と褒めておいてやろう。全て鍋で防いだけど。
「うーん。強情だな。ここは王道の口で口を塞いで嚥下を促す」
のは推しカプでやって欲しいから却下だなと続けようとしたが、それより先に勇者が自分で嚥下した。
「おお。良い食べっぷりではないか」
手を離しつつ感心した目を向ければ勇者が茫然としている。
「……美味い……」
「そうだろう。我すっごく長生きだからな。炊事洗濯何でも出来るぞ」
「いや部下にでもやらせろよ」
「いや我部下いないし」
「は?」
ん?
ああ、そういえば武闘家達と話してたな。魔王軍が国を攻めるとかなんとか。
「我、部下を必要としないから特に雇ってないぞ。だって雇用って面倒ではないか。やれ労働者の権利だとか騒いでおいて勝手して我の許可なく暴れて責任問題押し付けるから、今はもう誰もいない」
昔は一時雇ってた時期もあったがな。あまりにも我の言う事を聞かぬ故、滅ぼしてやったわ。
以来我はずっと独りな訳だが、何故か勇者はポカンとしていた。
「は?」
また呆けた言葉漏らしてる。
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