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それゆけ魔王!気配完全遮断で見守り隊!
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我は魔王。腐男子である。
我の日課はボーイズ達のラヴを見守る事。
特に最近お気に入りの胸熱な対象は勇者一行である。
何故なら最強にして最恐、最凶の我を倒すパーティメンバーにひ弱な女子供はいないからである。まあ、そこそこやるんじゃね?と褒めてやってもいい奴もいるが一人二人だ。
つまり圧倒的男率の高さ。これはもうカップルいるだろ。
てことで今日もこそっと気配遮断して見に来たよ♪
「なあ、本当に魔王城に行くのにこの道しかないのか?」
おお♪早速武闘家男子が勇者に絡んでる♪良いぞもっと近づくのだっ。
「ああ、王様の話だとこの道を真っ直ぐ北へ行くのが近道らしい」
「それって近くなければ他にあるってことじゃねーか!」
「そうとも言うな」
うむ。我の城は別段断崖絶壁でも孤高の島でもなく普通に誰でも来れる場所にあるからな。勇者一行か取り入ろうとする有象無象くらいしか来んけど。
それはそうと武闘家よ。そこは胸ぐらを掴んでポロリ乳首見えでドキッのチャンスだぞ。手をワキワキさせてる場合ではない!
「なら何もこんなあっつい砂漠地帯を通らなくても良いだろうがあっ!」
何を言う!砂漠にこそロマンという名の腐海は広がっているのだ!スケスケの踊り子服を勇者に着させて自分の猛き想いに気付き押し倒すまでワンセットで今こそ我に見せる時が来ているのだぞ!?
「遠回りしている間に魔王軍が攻めて来たらどうする気だ。俺達の知らない所で家族や友人が惨殺されても良いのか?」
「っぐ!ぅう……そうだけどよぉ……」
暑苦しい武闘家の癖に砂漠地帯程度の熱さにやられるとは情けない奴め。貴様は攻めではなく受けだな。いや待てヘタレ攻めも有りか?今度腐海ネットワークに問いかけてみよう。
腐海ネットワークは腐女子達が開いたインターネットという新たな情報伝達魔法で繰り広げられる萌えの産地である。我も腐男子一号の名で登録しておる。オフ会にも何度か変装して行っているが中々に充実したよいシステムである。
世界を滅ぼす時が来ても彼女、彼等は生かしてやろう。でないと我の心が死んでしまう。
それはさておき。
武闘家では勇者の相手は力不足が否めん気がするぞ。貴様は予備軍に降格だ。
「まあまあ。今冷気で冷ましてあげるから頑張って歩こう?ゴー君」
おおっ。中々に気が利く魔導士ではないか。一見可愛い見た目の優男風だが砂漠強行に異を唱えない剛の者と見た!
受けと見せかけた攻め……。良いかもしれん。魔導士×勇者か(じゅるり)。おっといかん涎が。
「あー……。生き返るー……。サンキュー、ナギ」
「いえいえどういたしまして」
ニコリと微笑むその姿!可愛い顔して実は一番大人を隠し持っている!
お子様な武闘家と大人な魔導士も良い(じゅるり)。
カサリ。
おっといかん興奮しすぎて前に出過ぎた。懐に忍ばせたキョーコ先生の新刊【今こそアナに入りたい】が落ちる所であった。
先に家に置いて来るべきであったか。いやしかし余裕があれば直ぐに読みたいからな。
「ん?今砂漠にそぐわない音がしたな」
しまった気付かれたか。
だが我は最強にして以下略なのだ。こんなことでは動じんぞ。気配完全遮断を甘く見るでない。
我は空気。
我は空気。
我はボーイズがラヴする空間でのみ生きる空気であるぞ。
「気の所為か」
ふー。完璧な我。勇者ですら我の気配に気付けぬのだ。まさに我の力は腐男子として生きる為にあると言っても過言ではあるまい。
勇者一行は我に気付く事もなく砂漠を真っ直ぐ北に向かって歩いている。
文句を言っていた武闘家も今は復活して我先にと先を急いでいるくらいだ。うむ。元気が合って大変よろしい。ワンコ属性も付けてやろうぞ。
我が魔王城へと向かう勇者一行を背後から見守る我は今日も思う。
ところで勇者よ。今日は誰とフラグを立てるのだ?
我の日課はボーイズ達のラヴを見守る事。
特に最近お気に入りの胸熱な対象は勇者一行である。
何故なら最強にして最恐、最凶の我を倒すパーティメンバーにひ弱な女子供はいないからである。まあ、そこそこやるんじゃね?と褒めてやってもいい奴もいるが一人二人だ。
つまり圧倒的男率の高さ。これはもうカップルいるだろ。
てことで今日もこそっと気配遮断して見に来たよ♪
「なあ、本当に魔王城に行くのにこの道しかないのか?」
おお♪早速武闘家男子が勇者に絡んでる♪良いぞもっと近づくのだっ。
「ああ、王様の話だとこの道を真っ直ぐ北へ行くのが近道らしい」
「それって近くなければ他にあるってことじゃねーか!」
「そうとも言うな」
うむ。我の城は別段断崖絶壁でも孤高の島でもなく普通に誰でも来れる場所にあるからな。勇者一行か取り入ろうとする有象無象くらいしか来んけど。
それはそうと武闘家よ。そこは胸ぐらを掴んでポロリ乳首見えでドキッのチャンスだぞ。手をワキワキさせてる場合ではない!
「なら何もこんなあっつい砂漠地帯を通らなくても良いだろうがあっ!」
何を言う!砂漠にこそロマンという名の腐海は広がっているのだ!スケスケの踊り子服を勇者に着させて自分の猛き想いに気付き押し倒すまでワンセットで今こそ我に見せる時が来ているのだぞ!?
「遠回りしている間に魔王軍が攻めて来たらどうする気だ。俺達の知らない所で家族や友人が惨殺されても良いのか?」
「っぐ!ぅう……そうだけどよぉ……」
暑苦しい武闘家の癖に砂漠地帯程度の熱さにやられるとは情けない奴め。貴様は攻めではなく受けだな。いや待てヘタレ攻めも有りか?今度腐海ネットワークに問いかけてみよう。
腐海ネットワークは腐女子達が開いたインターネットという新たな情報伝達魔法で繰り広げられる萌えの産地である。我も腐男子一号の名で登録しておる。オフ会にも何度か変装して行っているが中々に充実したよいシステムである。
世界を滅ぼす時が来ても彼女、彼等は生かしてやろう。でないと我の心が死んでしまう。
それはさておき。
武闘家では勇者の相手は力不足が否めん気がするぞ。貴様は予備軍に降格だ。
「まあまあ。今冷気で冷ましてあげるから頑張って歩こう?ゴー君」
おおっ。中々に気が利く魔導士ではないか。一見可愛い見た目の優男風だが砂漠強行に異を唱えない剛の者と見た!
受けと見せかけた攻め……。良いかもしれん。魔導士×勇者か(じゅるり)。おっといかん涎が。
「あー……。生き返るー……。サンキュー、ナギ」
「いえいえどういたしまして」
ニコリと微笑むその姿!可愛い顔して実は一番大人を隠し持っている!
お子様な武闘家と大人な魔導士も良い(じゅるり)。
カサリ。
おっといかん興奮しすぎて前に出過ぎた。懐に忍ばせたキョーコ先生の新刊【今こそアナに入りたい】が落ちる所であった。
先に家に置いて来るべきであったか。いやしかし余裕があれば直ぐに読みたいからな。
「ん?今砂漠にそぐわない音がしたな」
しまった気付かれたか。
だが我は最強にして以下略なのだ。こんなことでは動じんぞ。気配完全遮断を甘く見るでない。
我は空気。
我は空気。
我はボーイズがラヴする空間でのみ生きる空気であるぞ。
「気の所為か」
ふー。完璧な我。勇者ですら我の気配に気付けぬのだ。まさに我の力は腐男子として生きる為にあると言っても過言ではあるまい。
勇者一行は我に気付く事もなく砂漠を真っ直ぐ北に向かって歩いている。
文句を言っていた武闘家も今は復活して我先にと先を急いでいるくらいだ。うむ。元気が合って大変よろしい。ワンコ属性も付けてやろうぞ。
我が魔王城へと向かう勇者一行を背後から見守る我は今日も思う。
ところで勇者よ。今日は誰とフラグを立てるのだ?
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