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本編
2歳-1
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婚約未遂事件から早いもので、もう直ぐ俺は3歳になる。
あれから更に性転換魔法の勉強にのめり込んだ俺は、あらゆる原子分子に関わる魔術のスペシャリストになった。
文字は早急に読める様に頑張ったものの、屋敷の魔術書には性転換に関するものは見当たらなかった。
世界中探せばどこかには有るかもしれないが、有るか無いかもわからん物に割く時間が勿体ない。
だから俺は前世の保健体育及び医学的な知識とこの世界の魔術を掛け合わせた。
その結果、理論上は完全性転換は可能となってる。
実験もしたいトコだけど、流石に非人道的だからやってない。
ぶっつけ本番だ。
後はいつやるかだけど……。
「ちりゃんちょこえやっちぇわかっちぇもりゃえんちょこまりゅひな」
何言ってるかわからんて?「知らんとこでやってわかって貰えんと困るしな」だ。
そりゃそうだろ。皆俺を女だと思ってんだぜ?男の姿で「ママー」ってやっても「誰だ貴様は」ってなるだろ。
両親が揃ってる時ってのは外せないけど……最近父さん忙しいのか家にいないんだよな。
「ちゅんれる(積んでる)」
最近の俺は朝起きて父さんがいないのを知って、項垂れるがワンセットになってる。
「ふふ。お父様がいなくて寂しいわね」
「あだー」
今日も今日とて項垂れてたら母さんがやってきた。
その腕には俺の弟がご機嫌に笑ってる。
そう、俺に弟が出来た。
年子だけど流石に弟は俺ほど成長速度が速くない。
極一般的な成長速度だ。
なので今が一番可愛い盛りだ。
「かちゃ、ふえりー、あよーましゅ(母さん、フレディ、おはようございます)」
「おはよう、アレックス」
「にーにー」
母さんが目線を合わせてくれたから、弟のフレデリックが良く見える様になった。
俺はフレデリックの頭をよしよしと撫でる。
まだ1歳のフレデリックの髪はふわふわしてて気持ちいい。
俺が撫でると嬉しそうにニコーと笑うのがまた可愛い。
よし、大きくなったら嫁に来い。
「かあいーねー(可愛いね)」
「きゃっきゃ」と笑って俺に紅葉な両手を向けるもんだから、俺は悶えて思わず「ちゅっちゅ」とフレデリックの顔中にチューをした。
ついうっかり弟のファーストキッスを奪ったけど、俺は悪くない。フレデリックが可愛すぎるのがいけないんだっ。
よし責任もって嫁に貰おう。
「ふふふ、兄弟仲良しで母さんは嬉しいわ」
「あい。おっきなっちゃらけっきょんしゅう(大きくなったら結婚する)」
「あらあら、まあまあ。ちゃんとフレディが良いって言ったらにしましょうね」
俺が幼児特有の「結婚するー」を弟にやったら、母さんに微笑ましがられた。
まあ、兄弟は結婚出来ないしな。
「ふえりーおっきなっちゃらけっきょんちようね(フレディ大きくなったら結婚しようね)」
今しか言えないなら出し惜しみせん。
俺はもう一度フレデリックのホッペにチューをしてプロポーズした。
「あいー」
「!ふえりーへんちちた!(フレディ返事した)」
くっそ可愛いな弟!
「ふふ、そうね」
母さんは相変わらずニコニコと笑ってる。
わかってんよ、こんなのごっこ遊びだってな。
でも、可愛いもんは可愛いんじゃい。
朝の挨拶も終わったから、俺と母さんとフレデリックは朝食を食べに食堂に向かう。
食卓に着いてメイドにナプキンを掛けて貰う。
その後食卓に朝食が並ぶ。
今日のご飯はバターロールとスクランブルエッグ(すり野菜入り)とスープと果物か。
母さんの方を見ると朝食にしては種類と量が多い物が並んでる。
貴族の食卓パネェな。デカくなっても食える気がしねえ。
「アレックス、今日お父様は、お客様をお連れして早く帰って来るそうよ」
食前の挨拶をする前に母さんが言った。
「ほんちょ!?(本当!?)」
やった!これで役者が揃う!
目標より少し早く男になれそうだ。
ただ問題が客……か。
場合によっちゃ、客が帰るまではお預けになるかもな。
俺は念願の完全男化を目の前にして、興奮した。
母さんは父さんに会えるので興奮してるんだと思ってんだろうけどな。
ごめんよママン。貴方の娘は今日死にます。
そして今日からは息子として愛して欲しい。
一応俺が女扱いされる事を嫌がってるのはこの数年でわかって貰えてるはず。
男っぽい行動も心掛けた。
娘としては不適格だったけど、それでも母さんも父さんも変わらず愛してくれた。
だから、男になっても愛してくれる……と思いたい。
俺は夢と希望と少しの不安を胸に、父さんの帰りを待った。
あれから更に性転換魔法の勉強にのめり込んだ俺は、あらゆる原子分子に関わる魔術のスペシャリストになった。
文字は早急に読める様に頑張ったものの、屋敷の魔術書には性転換に関するものは見当たらなかった。
世界中探せばどこかには有るかもしれないが、有るか無いかもわからん物に割く時間が勿体ない。
だから俺は前世の保健体育及び医学的な知識とこの世界の魔術を掛け合わせた。
その結果、理論上は完全性転換は可能となってる。
実験もしたいトコだけど、流石に非人道的だからやってない。
ぶっつけ本番だ。
後はいつやるかだけど……。
「ちりゃんちょこえやっちぇわかっちぇもりゃえんちょこまりゅひな」
何言ってるかわからんて?「知らんとこでやってわかって貰えんと困るしな」だ。
そりゃそうだろ。皆俺を女だと思ってんだぜ?男の姿で「ママー」ってやっても「誰だ貴様は」ってなるだろ。
両親が揃ってる時ってのは外せないけど……最近父さん忙しいのか家にいないんだよな。
「ちゅんれる(積んでる)」
最近の俺は朝起きて父さんがいないのを知って、項垂れるがワンセットになってる。
「ふふ。お父様がいなくて寂しいわね」
「あだー」
今日も今日とて項垂れてたら母さんがやってきた。
その腕には俺の弟がご機嫌に笑ってる。
そう、俺に弟が出来た。
年子だけど流石に弟は俺ほど成長速度が速くない。
極一般的な成長速度だ。
なので今が一番可愛い盛りだ。
「かちゃ、ふえりー、あよーましゅ(母さん、フレディ、おはようございます)」
「おはよう、アレックス」
「にーにー」
母さんが目線を合わせてくれたから、弟のフレデリックが良く見える様になった。
俺はフレデリックの頭をよしよしと撫でる。
まだ1歳のフレデリックの髪はふわふわしてて気持ちいい。
俺が撫でると嬉しそうにニコーと笑うのがまた可愛い。
よし、大きくなったら嫁に来い。
「かあいーねー(可愛いね)」
「きゃっきゃ」と笑って俺に紅葉な両手を向けるもんだから、俺は悶えて思わず「ちゅっちゅ」とフレデリックの顔中にチューをした。
ついうっかり弟のファーストキッスを奪ったけど、俺は悪くない。フレデリックが可愛すぎるのがいけないんだっ。
よし責任もって嫁に貰おう。
「ふふふ、兄弟仲良しで母さんは嬉しいわ」
「あい。おっきなっちゃらけっきょんしゅう(大きくなったら結婚する)」
「あらあら、まあまあ。ちゃんとフレディが良いって言ったらにしましょうね」
俺が幼児特有の「結婚するー」を弟にやったら、母さんに微笑ましがられた。
まあ、兄弟は結婚出来ないしな。
「ふえりーおっきなっちゃらけっきょんちようね(フレディ大きくなったら結婚しようね)」
今しか言えないなら出し惜しみせん。
俺はもう一度フレデリックのホッペにチューをしてプロポーズした。
「あいー」
「!ふえりーへんちちた!(フレディ返事した)」
くっそ可愛いな弟!
「ふふ、そうね」
母さんは相変わらずニコニコと笑ってる。
わかってんよ、こんなのごっこ遊びだってな。
でも、可愛いもんは可愛いんじゃい。
朝の挨拶も終わったから、俺と母さんとフレデリックは朝食を食べに食堂に向かう。
食卓に着いてメイドにナプキンを掛けて貰う。
その後食卓に朝食が並ぶ。
今日のご飯はバターロールとスクランブルエッグ(すり野菜入り)とスープと果物か。
母さんの方を見ると朝食にしては種類と量が多い物が並んでる。
貴族の食卓パネェな。デカくなっても食える気がしねえ。
「アレックス、今日お父様は、お客様をお連れして早く帰って来るそうよ」
食前の挨拶をする前に母さんが言った。
「ほんちょ!?(本当!?)」
やった!これで役者が揃う!
目標より少し早く男になれそうだ。
ただ問題が客……か。
場合によっちゃ、客が帰るまではお預けになるかもな。
俺は念願の完全男化を目の前にして、興奮した。
母さんは父さんに会えるので興奮してるんだと思ってんだろうけどな。
ごめんよママン。貴方の娘は今日死にます。
そして今日からは息子として愛して欲しい。
一応俺が女扱いされる事を嫌がってるのはこの数年でわかって貰えてるはず。
男っぽい行動も心掛けた。
娘としては不適格だったけど、それでも母さんも父さんも変わらず愛してくれた。
だから、男になっても愛してくれる……と思いたい。
俺は夢と希望と少しの不安を胸に、父さんの帰りを待った。
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