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第二章 異世界トーナメント編
幕間
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ダンジョンを攻略した一党は魔銀だっていっていなかったか?
現れたのは、見たことのある面々と、見たことのない男女だった。
見たことある面々、アーベルにイーサン、リスティンら三人のことは知っている。
最短で魔銀に上がった期待のルーキーだ。最近では他の一党とともに中層の階層守護者を倒したとも伝えられている。
もしも近々ダンジョンを攻略するものが現れるとしたら、それは彼らだろうと思っていた。
そこまではいい。
加えて入室してきたのは、金髪金眼の女性とあきらかに歴戦の猛者と思しき男である。黒髪に黒目は東の方に多いと聞くが、このあたりでは珍しく、こんな男がいれば記憶に残ったと思うのだが……。
「ギルドマスターが中央に赴いているときに、新しく冒険者登録をされた方たちです」
後ろに控えた秘書が耳打ちしてくる。
なるほど、最近冒険者になったのであれば、俺が知らないのも無理はない。
というか、最近冒険者になってもうダンジョンを攻略したのか?
えーっと、俺が中央に行ってからまだひと月も経っていないと思うのだが。
色々と焦りはしたものの、それは表面に出さず、俺は彼らに座るよう促すのだった。
そして、冒険者やクリア報酬についての諸々の裏話をする。
これらの話はギルドの一部職員しか知らない話だ。知っている職員も契約魔術によって外部にもらさないようにしてある。話ができるのは、各支部のギルドマスタークラスに限られていた。
ひと通り話をしたところで、秘書がお茶を持ってきてくれる。相変わらず出来た秘書である。
決しておっぱいが大きいから秘書にしたのではない。
そんな秘書の持ってきたお茶を一口啜り、蓬髪の男はいった。
「んなめんどくさいことは望んじゃいねぇ。要件は理解したからさっさと金をよこせ。こちとら用事もあるんだ」
怖!
なにこの人怖い!
もの凄い圧があるんですけど!
……などとは少しも面に出さないところが俺のいいところ。
用事が王都で行われる武芸大会であることを知って、魔隕鉄のギルドカードを勧めるのだった。
その後も事情を知らない職員からカードを発行していいのか再三確認があったりしたが、なんとか無事に事は済んだのだった。
現れたのは、見たことのある面々と、見たことのない男女だった。
見たことある面々、アーベルにイーサン、リスティンら三人のことは知っている。
最短で魔銀に上がった期待のルーキーだ。最近では他の一党とともに中層の階層守護者を倒したとも伝えられている。
もしも近々ダンジョンを攻略するものが現れるとしたら、それは彼らだろうと思っていた。
そこまではいい。
加えて入室してきたのは、金髪金眼の女性とあきらかに歴戦の猛者と思しき男である。黒髪に黒目は東の方に多いと聞くが、このあたりでは珍しく、こんな男がいれば記憶に残ったと思うのだが……。
「ギルドマスターが中央に赴いているときに、新しく冒険者登録をされた方たちです」
後ろに控えた秘書が耳打ちしてくる。
なるほど、最近冒険者になったのであれば、俺が知らないのも無理はない。
というか、最近冒険者になってもうダンジョンを攻略したのか?
えーっと、俺が中央に行ってからまだひと月も経っていないと思うのだが。
色々と焦りはしたものの、それは表面に出さず、俺は彼らに座るよう促すのだった。
そして、冒険者やクリア報酬についての諸々の裏話をする。
これらの話はギルドの一部職員しか知らない話だ。知っている職員も契約魔術によって外部にもらさないようにしてある。話ができるのは、各支部のギルドマスタークラスに限られていた。
ひと通り話をしたところで、秘書がお茶を持ってきてくれる。相変わらず出来た秘書である。
決しておっぱいが大きいから秘書にしたのではない。
そんな秘書の持ってきたお茶を一口啜り、蓬髪の男はいった。
「んなめんどくさいことは望んじゃいねぇ。要件は理解したからさっさと金をよこせ。こちとら用事もあるんだ」
怖!
なにこの人怖い!
もの凄い圧があるんですけど!
……などとは少しも面に出さないところが俺のいいところ。
用事が王都で行われる武芸大会であることを知って、魔隕鉄のギルドカードを勧めるのだった。
その後も事情を知らない職員からカードを発行していいのか再三確認があったりしたが、なんとか無事に事は済んだのだった。
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