三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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救いのある世界

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 温かい物語を見た。

 マンガやファンタジー作品には、すごく優しいキャラ、良い人がいっぱいいていいなぁ。
 けど現実はなんか違うなぁ。どことなーく他人事で、冷たくて、ギスギスしていて、私なんかいなくなったって別にいい感じ。私に限らず、他の人も。

 別に温かい物語を読んだり書いたりしたって、現実は変わらない。すごい能力で、困っている人を見つけて助け出す、ヒーローみたいな人を書いたって読んだって、悲しいニュースは消えない。
 誰か気づいていれば、助けてあげられたかもしれないのに。そんな現実でいっぱい。自分のことを棚に上げて、「誰か」を待っているばかり。

 けど、なんか。世界に温かい感動があること、それに心震えること、無駄じゃない気がするって、ふと思った。

 すごい能力など現実にはない。画面ばかり見ていないで目の前にいる命に目を向ければ、ちょっとくらい何かしてあげられたかもしれない。けど、良かれと思ってやったことで迷惑がられたりもする、この世の中。

 嘘じゃないんだ。優しい物語を書く人、共感する人は、温かい心を持っているんだ。そこに本当に、そういう世界があるんだ。救いのある世界。

 優しい物語。それを求める人。温かい、広い、大きな心。そういう人が「実在」して良かった。


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