三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

文字の大きさ
上 下
329 / 417

人生右往左往

しおりを挟む
 相変わらず時間内に仕事を終わらせられなくて、先輩さんや後輩さん、みんなが最後に手伝ってくださる。
 直接何も言われていないけど。目の前で誰かの陰口を言われているのを見ると、自分のことも言われているに違いないとヒヤヒヤするから。誰かが手伝いに来てくださると、「まだここまでしか終わってないのかよ……」と思われていそうで怖い。

 なので、飛ばしても問題なさそうな工程(作業?)を飛ばしたりしてみていた。申し訳ないけど、他の早い人がまた、丁寧にやってくださるだろう。
 と思ったら、朝礼で「ちゃんと◯◯するように」と注意を受けたので、飛ばせなくなってしまった。

 せっかく、早くするコツを見つけたと思ったのに。こうすれば時間内に終わると思ったのに。また振り出しに戻っちゃった。

 データ改ざんとか、必要な基準を満たしていないものをそのままにするとか、必要な検査を飛ばすとか、なんか業務で悪事を働くような人も、私みたいなポンコツが一定数いるのかな。
 人や社会のせいにしてばかりいるのは、自分の問題を棚上げする、良くないことだ。そう言われたって、「早く終わらせろ」その上で「全部きちんとやれ」なんて無理なこと言われたら、そりゃ改ざんやら隠蔽やら色々するだろうなーと……世の中が悪いと思ってしまう。

 ちなみに私が飛ばした作業は、飛ばしたところで安全性だとか命に関わるということはないはず。多分。

 こないだ先輩と一緒に作業したとき、「最低◯個は終わらせてくださいね」とプレッシャーかけられてしまった。プレッシャーというより、後輩さんでもできる、当たり前のことなのだが。
 私はその先輩の雰囲気とか好きなのだが……そういう、好きな人とか、親近感を覚えるような人にも負担かけて、多分嫌われているんだろうな。と思うと、仕事の前後に気軽にみんなに声をかけたりもできず、仕事以外は無言。そそくさと帰る。学生時代から友達いない、ぼっち勢だ。

 本当に、何のために生まれてきたんだろう。と思ったり、「死ぬ気がないならそんなこと考えたって無駄だ」と開き直ったり、またクヨクヨしたり、ちょっと開き直ってお気楽モードになったり、またクヨクヨしたり。

 進展のないループをしているが、作業を飛ばせなくなっても、意外と早く仕事が終わったりした。おお、スピードアップしたかも!? って言ってもやっぱり、後輩さんに最後手伝ってもらっているんだけど。しかも他の人は補助なしで一人前(?)終わらせているのに、私は補助つきで終わらせられなかったんだけど。

 もう、しょうがないのだ。泣いて、無気力になって、急に気楽になってヘラヘラ笑って、かと思えばまた落ち込んで泣いて。
 ストレスの原因は分かっていても、ストレスを取り除けないのが現代社会ってもの。取り除きさえすれば良いんだけど。

 でも、仕事の人間関係(?)で悲しくなっても、仕事に没頭していたら、嫌なこと忘れられたりする。作業自体は好きなのだ。あと、裏では嫌われているかもしれないけど、表では優しくしてくれる人がいっぱいいるので、職場の人も好きなのだ。助けてくださる人、気にかけてくださる人、優しく声をかけてくださる人、いっぱいいる。

 ならもうちょっと前向きになれよ。って感じだけど。仕事できないならせめて、性格だけでもマシな方がマシなんだろうけど。なかなか。根がネガティブなのは治らない。


しおりを挟む
うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
【うだつの上がらないエッセイ集】

生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。


良くも悪くも、星の回転は止まらない

【良くも悪くも、星の回転は止まらない】

詩集です。すぐ読める短いものが多いです。20編で完結しました。



ツギクルバナー
感想 41

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

世界は何もくれないから 好きに生きていい

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
不安のプレゼントなら溢れているけどね。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
 私は生物学も心理学も学んでいない、ただの学のない女だ。ついでに恋愛経験もない、さらには友達もいない。告白されたこともないし当然したこともない。そんなわけでこの連載は、浅い知識と経験から「なんとなく思ったこと」を感情的に書き連ねるだけのものになる。読んでも何の学びもなく、不快になるだけなのでご注意を。(※LGBTQについては分からないので、基本的に古い価値観オンリーで書きます。)

『茜色に染まる心』

小川敦人
エッセイ・ノンフィクション
野村隆介、六十七歳。妻と死別して十年、孤独を仕事で紛らわせてきた彼の心が動き出したのは、ボランティア活動で出会った渚菜緒子という女性がきっかけだった。彼女の柔らかな笑顔や憂いを帯びた瞳に惹かれ、いつしかその存在が彼の胸に深く刻まれていった。しかし、菜緒子の左手薬指の指輪は、彼女が既婚者である現実を突きつけ、隆介の想いが叶わないものであることを示していた。 それでも、菜緒子と出会えたことは隆介にとって大きな幸せだった。彼女の些細な仕草や言葉が日々の活力となり、夕陽を見ながら彼女を想うことで心の温かさを感じていた。彼女の幸せを願う一方で、自分の心が揺れ動くたびに切なさを覚えた。 ある日、彼女との何気ない会話が心に残る。その後、図書館で出会ったカフカの詩が、彼の心を解き放った。「大好きと思える人がいることは幸せ」という言葉が彼の心を温かく包み込み、彼はその想いを受け入れることを学ぶ。 「出会えたことに感謝する」。隆介はこの恋を人生最大の宝物として胸に抱き、穏やかで清らかな喜びと共に、茜色の空を見上げる日々を大切にしていく。

アルファポリスユーザーと世間一般のズレ2

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリス登録して半年経っての印象

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...