三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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くそったれの日

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 一つ、二つ、三つ、才能があるように見える人もいる。何をやっても、別にそこまで頑張っている風ではなくても、すんなりできてしまう人もいる。
 いいや、できる人は努力していて、できない私は努力不足。あるいは経験不足。それだけなんだろう。

 それでも、無能な私は死ぬしかないんだろうなと思える日がある。
 いや、絶対死なないけど。悔しいからとか、本当は生きたいからとか、そんなしっかりしたもんじゃなく、ただ痛いのも苦しいのも、死んだらどうなるのか分からないのも嫌で、ズルズル生きているだけ。

「死ぬのが悔しい」は、でもちょっとあるかな。
 だって働くために生きてるんじゃないし。楽しいこと自体はいっぱいあるのに。なんで「社会のお役に立たないから」なんてへりくだって死ななきゃいけないんだ。
 ええ、お金のために働いているんだから、お金もらえりゃ良いんですとも。

 ずーん、と気分が沈んだあとは、ムカムカ腹が立ってくる。
 一生懸命働いているのに。それぞれ、できる容量で精一杯働いているだけなのに。なんであんな言われ方しなきゃならないんだ。

 どうせ辞めたって同じ。ニートになったらもっと肩身が狭いし、他のところで働いたって、どうせ役立たず。
 生きてて悪いか。
 あからさまにいじめられたりせず、まだまわりの人が正論な分、今はマシなのだ。

 けど。クソ。くそったれ。
 私に腹を立てるような資格など何もない。仕事できない、手伝ってもらってばかり、感謝すべき。怒るなんてお門違いだ。分かっているけど、くそったれ。


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