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現実逃避依存症を正当化しないとしがみついてらんない
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あんまり思い詰めなくてもいいさ。私は私の楽しみのために、避けられない嫌なことを少々我慢しつつ、無理せず頑張りすぎず、自分のペースで生きていくだけ。基本的にそう思っていたいし、それを許してくれる空気に甘えて隠れていたい。
なのだが、久々にワーッとなってしまった。仕事中だというのに涙が溢れてくる。まわりの人の言葉が、全部私への遠回しな嫌味かもしれないと思えてくる。誰も味方なんていないんだと疑心暗鬼になってくる。
おかしいぞ。昨日はデートに行ったばかりだ。これでもかというほど愛してもらっている。喧嘩もしていない。遊んでもらって、優しくしてもらって。今日も職場でサポートしてくださって。他の人もみんな優しいし。なぜ?
多分今日だけのことじゃない。昨日・今日は何もなかったんだけど。しかも私なんか、世間様の足下にも及ばないんだけど。だからこそ惨めな気分になってくる。
私は仕事ができない。というか遅い。いつも手伝っていただく一方。それがありがたいとか申し訳ないとかいうより屈辱なのだ。もっともっと、ありとあらゆる方面で自立して、あるいは自己完結して強くなりたかった。
家から一歩も出ずに稼ぎ続けられれば良かった。買い物くらいは別に行けるし。外出先でも、ファミレスで隣の席の人がずーっとキャンキャン愚痴言っていたら「あー、ハズレだ、クソ」と思うけど、別にそこまで気にならない。私には関係ないから。
職場の人が仕事仲間の陰口を言っていたらショックなのだ。昔からそう、私には友達はいないんだけど、知り合いが知り合いの陰口言っていたらすごくショック。
それは昔は「優しい」理由だったかもしれない。けど今は、優しいから傷ついているわけじゃない。絶対私のことも言われているだろうと、陰口を聞く度不安になるのだ。なんかそこまでひどいことを見聞きしているわけではなく、自分に対して直接叱られていることもないのに、不安になりすぎると倒れてしまいそうなくらい。
しょうがないじゃんか。頑張ってんだよ。それでも遅いんだよ。どうしようもないよ。
そんなふうに怒る権利などない。怒ったら「何アイツ、開き直ってありえない!」と陰で怒り返されるだろう。だから表では「すみません、すみません」と柔らかな態度で居続けるしかない。
それでも私にはネットがあるよ。結局ネットで稼げているわけでもなければ注目されているわけでもない、才能も居場所もない。それでも理由なんていらない。投稿することが人生の目的。意味なんて考えまい。
生き物を見ているときだってそう。生き物を見ている間は、「私がこの社会にとってどのくらい存在価値があるのか」なんてことは、どっか宇宙の彼方に飛んでいく。ただ生き物がいて、ただ私がそれに興味を持って眺めているだけ。そこに何の意味もないし、意味はなくていい。
でもネットはなぁ。「ネットよりリアルが大事」みたいな派がけっこういる。
そりゃ私、ネットでだってなんの人気もない。何も構築していない。なんの存在価値もないだろう。でもネットは自由で、居場所があって、たまにお客さんが私の話に耳を傾けてくれて。リアルが大事だと言われたら、私の最後の居場所までも否定されている気になる。「お前の本性は、仕事できない、コミュニケーション能力も生産性も思考回路もない、なんの価値もない人間だ。それがすべてだ」と突きつけられている気になる。
何をやっても私は下手なのだ。ネットでは人と仲良くなれるかもしれないけど。リアルでの知り合いだったら……この体たらくがバレたら……。「あの人ヤバいわ」と距離を置かれて終わりかも。
心が弱ってネット依存しているとき。「ネットの人が心の支えだ」みたいに言ったとき。人からも言われたっけな。「そりゃ、ネットの人が褒めてくれるのは、現実のあなたこと何も知らないからだ」と。
だから良い、それが良い、ネットが一番、というのは、ヤバい現実逃避なのか。
でもまぁ考え方や価値観は人それぞれだし。何が正しいとか言い出したら、多数派が正しいってことになってしまうけど、それだって「多数決が正しい」という考え方の一つであって、すべてにおいて違う考え方の人もどこかにいるだろうし。
……それに、どこかの誰かを探して、「自分と一緒だ」「私を受け入れてくれる」とホッとしなくたって。今ここに、こう考える私がいる。優柔不断で気まぐれで意志薄弱で、考え方がうつろうけれど。良いではないか。
夢の中にいるとき。作品を見ているとき、書いているとき。ネットにいるとき。私はポンコツな「本当の自分」を忘れられるのだ。
本当の自分って、どの姿だろうね。
なのだが、久々にワーッとなってしまった。仕事中だというのに涙が溢れてくる。まわりの人の言葉が、全部私への遠回しな嫌味かもしれないと思えてくる。誰も味方なんていないんだと疑心暗鬼になってくる。
おかしいぞ。昨日はデートに行ったばかりだ。これでもかというほど愛してもらっている。喧嘩もしていない。遊んでもらって、優しくしてもらって。今日も職場でサポートしてくださって。他の人もみんな優しいし。なぜ?
多分今日だけのことじゃない。昨日・今日は何もなかったんだけど。しかも私なんか、世間様の足下にも及ばないんだけど。だからこそ惨めな気分になってくる。
私は仕事ができない。というか遅い。いつも手伝っていただく一方。それがありがたいとか申し訳ないとかいうより屈辱なのだ。もっともっと、ありとあらゆる方面で自立して、あるいは自己完結して強くなりたかった。
家から一歩も出ずに稼ぎ続けられれば良かった。買い物くらいは別に行けるし。外出先でも、ファミレスで隣の席の人がずーっとキャンキャン愚痴言っていたら「あー、ハズレだ、クソ」と思うけど、別にそこまで気にならない。私には関係ないから。
職場の人が仕事仲間の陰口を言っていたらショックなのだ。昔からそう、私には友達はいないんだけど、知り合いが知り合いの陰口言っていたらすごくショック。
それは昔は「優しい」理由だったかもしれない。けど今は、優しいから傷ついているわけじゃない。絶対私のことも言われているだろうと、陰口を聞く度不安になるのだ。なんかそこまでひどいことを見聞きしているわけではなく、自分に対して直接叱られていることもないのに、不安になりすぎると倒れてしまいそうなくらい。
しょうがないじゃんか。頑張ってんだよ。それでも遅いんだよ。どうしようもないよ。
そんなふうに怒る権利などない。怒ったら「何アイツ、開き直ってありえない!」と陰で怒り返されるだろう。だから表では「すみません、すみません」と柔らかな態度で居続けるしかない。
それでも私にはネットがあるよ。結局ネットで稼げているわけでもなければ注目されているわけでもない、才能も居場所もない。それでも理由なんていらない。投稿することが人生の目的。意味なんて考えまい。
生き物を見ているときだってそう。生き物を見ている間は、「私がこの社会にとってどのくらい存在価値があるのか」なんてことは、どっか宇宙の彼方に飛んでいく。ただ生き物がいて、ただ私がそれに興味を持って眺めているだけ。そこに何の意味もないし、意味はなくていい。
でもネットはなぁ。「ネットよりリアルが大事」みたいな派がけっこういる。
そりゃ私、ネットでだってなんの人気もない。何も構築していない。なんの存在価値もないだろう。でもネットは自由で、居場所があって、たまにお客さんが私の話に耳を傾けてくれて。リアルが大事だと言われたら、私の最後の居場所までも否定されている気になる。「お前の本性は、仕事できない、コミュニケーション能力も生産性も思考回路もない、なんの価値もない人間だ。それがすべてだ」と突きつけられている気になる。
何をやっても私は下手なのだ。ネットでは人と仲良くなれるかもしれないけど。リアルでの知り合いだったら……この体たらくがバレたら……。「あの人ヤバいわ」と距離を置かれて終わりかも。
心が弱ってネット依存しているとき。「ネットの人が心の支えだ」みたいに言ったとき。人からも言われたっけな。「そりゃ、ネットの人が褒めてくれるのは、現実のあなたこと何も知らないからだ」と。
だから良い、それが良い、ネットが一番、というのは、ヤバい現実逃避なのか。
でもまぁ考え方や価値観は人それぞれだし。何が正しいとか言い出したら、多数派が正しいってことになってしまうけど、それだって「多数決が正しい」という考え方の一つであって、すべてにおいて違う考え方の人もどこかにいるだろうし。
……それに、どこかの誰かを探して、「自分と一緒だ」「私を受け入れてくれる」とホッとしなくたって。今ここに、こう考える私がいる。優柔不断で気まぐれで意志薄弱で、考え方がうつろうけれど。良いではないか。
夢の中にいるとき。作品を見ているとき、書いているとき。ネットにいるとき。私はポンコツな「本当の自分」を忘れられるのだ。
本当の自分って、どの姿だろうね。
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【うだつの上がらないエッセイ集】
生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。
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