三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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 SNSを見ていると、私の知っているユーザー様方が毎日コメント交流したりしていて、羨ましいなと感じてきた。自分はなかなか喋れないから、なんだかその場に存在しないみたいで、孤独に感じた。

 だったら自分からもっと巡回・交流すればいいのに。作品を見て回って、話しかければいいのに。どうにも私は、マメに密接に関わるということができないようで。

 小学生の頃からそうだった。仲良くしている人たちが羨ましい。なのに友達ができない。関係が長続きしない。
 今も変わらず、コミュニケーションが苦手である。取り繕って、疲れて、くっついたり離れたり。喜んだり、急に怒ったり。

 私のこの距離感じゃあ、離れていく人も多いだろう。
 それでも繋がっていてくださる方は多いのだなと、ひしひしと感じた。

 今後も、私を良い人だと思ってくれる人、期待して近づいてくる人、「思ったのと違った」「嫌われているのかな」と思って離れていく人、色々いるだろう。
 私も、感謝しているのに感謝を十分伝えられないこと、愛を返せないこと、これからも多いのだろう。

「親密さ」を表すことが苦手で、家族からも「親近感ってものがないよね」「オドオドしている」と指摘されたし、昔の同僚や、ネットの喋り相手から、「敬語をやめて」と言われてもやめられず、うまく喋れなかった。

 それでも、なんというか、ずっと生きていく中で、全部私から離れて消えていくわけじゃなく、何か残っている気がする。

 長く気にかけてくださる人がいる。そして、もしも身近にいる人が全員入れ替わったとしても、過去との繋がりがまったくないわけではない。
 今はまだ出会っていない人も……別れた人も……みんなこの地球上で、どこかで、同じ時代を生きてきたんだ。生きていくんだ。

 失っても、嫌われても、喧嘩しても、途切れても、壊しても、何か人類との「絆」みたいなものがずっと残っていくんだ。きっと。

 私はあなたであり、あの人はこの人であり、みんなが一心同体であり、誰もがみんなの生まれ変わりだとか、一部みたいなもので……。すべての魂は繋がっている……。

 あなたを通して、私は世界を見る……。


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