三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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人心掌握への道は長い、コミュニケーション初心者

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 今日のは、少し前に書いた文章です。時系列(?)がゴチャゴチャ……。





 職場の女性先輩から「月澄狸さんは可愛いねぇ」と褒められた。

 ……やっぱりダメだ。裏表のある私のままでは。騙しているようで後ろめたい。狸だから騙すのも化けるのも処世術だと思ってきたけど、裏表をなくしたいな。

 陰口を言いたくないし、ちょっとしたことでカリカリしたくないし、でも聖人のように振る舞おうとすればきっと疲れる。どういうキャラになろう……。まだまだ人付き合い初心者だし(いつまで初心者なんだ?)、失敗が多かったからなぁ。


 以前たしか、「みんなが愚痴を言っているのに、自分だけ言わないなんて無理」みたいなことを書いたが、目指したい究極系は「みんなが愚痴を言っているのに、自分だけ言わない」なのかもしれない。相手から自分の陰口を言われても、こちらだけは最後まで相手の悪口を言わない、みたいな?

 たとえばこの間、人と一緒に食事に行って、このお店はどうだこうだと店員さんに聞こえそうな音量で話してしまったが、よく行く店の人は私を覚えていて、構ってくださる人だったりする。

 ということは、お店で何かあっても、お店の悪口を言いたくなかったのだ、私は。全部友達みたいに思いたかった。でもそういうことにまだあんまり気づいていなかった。
 仮に友達と一緒に店に行って、「この店はまずい」とか「接客が」とか話を振られたとしても、「いや、私はこのお店好きです」と、すかさず返せるような瞬発力が欲しいところだった。


 仕事では、「これ、ちゃんとやっといてくれない人もいるよねー」と話を振られても、曖昧にかわせる確率が上がりつつある。今のところ誰とも、目に見えて敵対してはいないし、このままでいたい。もしかしたら女性ともっと仲良くなれるかもしれない、そういうチャンスも残しておきたい。

 男性との距離感や付き合い方はどうしていけばいいのか、悩み中。やっぱりできれば差別はしたくないものだが、距離感をミスって謎の事態に陥りがち。女性と仲良くなるのと男性と仲良くなるのは意味が違うのかもなぁ。


 あと、他の人は虫を殺そうとするため、せめて逃がせるときくらいは私が逃がそうとしたりする。私は虫を逃がす際に一旦捕まえるので、狐さん(仮)なんかからは「捕まえたら可哀想じゃない?」と言われたが、それでも良かれと思ったことをやるしかない。「だってほっといたら死ぬし……」とか言って逃がしている。
 以前の私はただ生き物を捕まえるのが好きで、たくさん死なせてしまったので、罪滅ぼしでもある。


 そんなこんなで、「他の人だって文句言ってるじゃん。なんで私だけ愚痴を言わずに聖人を目指さなきゃならないのさ」と思いつつも、他人に飲まれることなく、最高の偽善者になりたいという欲求が、少しはある気がしてきた。

 良かれと思ってやったことを、褒められるどころか批判されると、正直イライラする。すぐ化けの皮が剥がれそうになる。「アンタの欠点だってこっちは見えてるんだぞ。それを黙って許してやってるのに、そっちは私のことをポンポン否定してくるなぁ!?」と、イライラが全然収まらない。

 それでも多分いつか、すべてを許し、認めたいのだと思う。
「すべて許す」は響きは良くても、優しさじゃなく甘さかもしれない。でも私が向かいたいのはそっちの「アメ」ポジションなのかもしれない。世間にはムチが多いのだから、アメがあっても良いんじゃないか。

 ムチを振るった側がのちに間違いとなることも多い。現段階で誰かにムチを振るえるほど、私は正しいのか? そうとは思えない。


 なかなか難しいことだし、できなくていいやとも思っている。すぐ堕ちる。
 女性への対応は若干分かってきたが、男性相手でも八方美人(?)モードで接していると、訳の分からぬ方向へ流されていくということも多少理解した。やっぱり難しい。

 今は隠れミサンドリストとして警戒しているが、これも、人間の生態が分かってくれば、もう少しマシな解釈と付き合い方ができるのだろうか。やっぱり男性はパワーがすごいもので、圧倒されてしまう。

 誰にでも優しく、裏表なく、傷つけず傷つけられず……。
 まだコミュニケーションはよく分からない。難しい。


 やっぱ無理だよー……と、すぐ元通りに堕落してしまう。まぁしょうがないしょうがない。自分に甘く、いつかは他人にも甘く。


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