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妄言虚言
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よく考えたら私の記憶、誰かから伝え聞いたことで形成されているものが多い。
たとえば母が虐待された話とか。祖父が孤独死(?)したとか。私自身は、母が虐待された場面も、祖父の葬式も見ていない。
他にも私の人生であった色んなこと、今となっては過去のことであれば、証拠はあんまりない。性被害で警察に行ったことも、父の失言も、過去に私がいじめられたことも。
一方、私がダメ人間である証拠は、ライフスタイルとか履歴書とかに、明白な形となって表れている気がする。
今はそんなに誰とも関わりがないから批判もされずに済むが……。
父は内弁慶というのかなんというのか、「外」とか、自分の親族に対して良い顔をするらしい。で、母に対して当たりがキツく、というか、その場の空気で良いことを言うことはできても、結局無責任だったのかもしれない。子育て中はずっとどこかをほっつき歩いていたって。
障がいのある身内は、今は若干穏やかだ。
彼のこだわりは時期によって変わっていく。子どもの頃は雨が大嫌いで、雨が降ると大騒ぎした。が、今は雨は大丈夫。
以前戦慄したのは、近隣の家からの物音に敏感になった時期。「隣から音がする」「俺を狙っているんだろ」「殺すなら来いよ!」などとわめき散らした。
あと、道で大声で「バカヤロー、チクショー!」とか一人で怒鳴り散らしているようなおじさん、たまにいるけど、今の彼も多分、時々ああいう感じである。
ニュースで似たような人が殺人とかして捕まっているのを見るとゾッとした。うちの身内も気が荒く、自分の基準で何事かにこだわり、自分のことを棚に上げて他人のことをあざ笑ったり怒ったり。
かと思えば食べ物への執着がすごく、お菓子などを分けて欲しいときだけ「それ、僕にも一個だけちょうだい!」「僕の分はないの?」などと可愛い子ぶる(普段全然可愛いキャラではない)。しかもこういうときだけキレずに粘り強く甘え続ける。
全部障がいと言われると……。叱っても、諭しても、こっちがブチ切れても無駄。しかも私が「あのクソ野郎」などと罵れば、私が障がい者虐待をする悪人なんじゃないかと。
祖母もその身内みたいな性格。とにかくキツく、ワガママで、文句を言い、他人を責めて自分を守るような。
で、父・身内・祖母はどこかの面で良い格好をできるらしく(二面性があるのか?)、祖母はご近所さんに好かれていたという。
また、父も、仕事の電話をしているときは「◯◯さんはああいうところがあるよね~」などと普通に喋っている。
障がいがある身内も、「叱られたくない」ためか、以前学校で「親に楽をさせてあげたい」などと、普段彼の口から言ったこともないような言葉をしゃあしゃあと言っていた(普段とてもそんな風には見えない)。
二面性のある人らは演技が上手いらしい。どっかでは良い人ぶって、上手に振る舞い、好かれているのかもしれない。誰かから責められても、取り繕い、言い逃れ、息をするように嘘を吐いて自分を守り、飄々と生きていけるのかもしれない。嘘でも表さえ整えれば、人はそれ以上ツッコんでこないだろうから。
私はというとどうだ。ネットでは愚痴吐き女。仕事場では仕事できない人。プライベートでは落ちこぼれ。しかも批判されるのが怖くて、自分の明確な実態はぼかしている。だから誰からも、明確なアドバイスをもらえない。
責められるのが怖い。諭されるのが怖い。励まされることも、プレッシャーも。私一人が置いてけぼりな気がする。何もかも怖い。
でもこうやって私が言っていること、全部虚言・妄言である可能性もある。文章上ではなんとでも言えるから。
あるあるエピソードならば、「そういうことあるよね~」と共感してもらえるだろう。
でもなんか、私の話、嘘っぽい。作り話っぽい。「嘘じゃない?」と思われていそう。で、私がダメ人間であることだけが明確にバレていそう。
昔から、障がいのある身内は「◯◯くん、◯◯くん」と可愛がられ、多くを求められず、特別扱いされ、許され。
私だって、まわりから諦められているから、許されているけど。
私は本来、ちゃんとした側になって、ちゃんとした側を支えることを期待されていただろうに。
障害者とか高齢者に対する、今の風向きのキツさは嫌いだ。
優生思想、差別、命の選択。何もかも嫌い。
恋とか結婚とかも。何か良いことあるんだろうか。不幸が連鎖する、持続する……それが生きるってことか。
職場で今回入ってきた新人さんは、すごいできる人らしい。覚えが早く、完璧だって。褒められてた。「◯◯さんが……」って陰口言われているパターンはずっと見てきたけど、陰で誰かがあんなに褒められているのは初めて見たかも。多分学生さんかな。若いのにすげぇ。
うらやましいな。優秀な若者かぁ。
けど私は「優秀」「良い子」を目指してこなかったからな。
好きなことばっかりして。現実逃避して。遊んで。持論を深めて。
今更良い子にもなれそうもないが、ずっと続けてきた現実逃避や創作に未来を救われるかどうかも微妙である。
相変わらず、投稿に少しいいねは付くけど、何人見てくださっているかは分からない。
見ずにいいね連打されていそう。それを延々といいね返ししていそう。
「もっとちゃんとしたかった」と言い訳しつつ、実際のところは、もっと遊びたい、楽しいことをしたい、癒されたい、褒められたい、許されたい、お金が欲しい、でも働きたくない、などと自己中なことばかり考えている。
誰かに「それで良いんだよ」と言われたいが、「それで良いんだよ」などとはお世辞にも言えないであろうことも、一応知っているつもりである。
向上心の欠片も沸かない。
たとえば母が虐待された話とか。祖父が孤独死(?)したとか。私自身は、母が虐待された場面も、祖父の葬式も見ていない。
他にも私の人生であった色んなこと、今となっては過去のことであれば、証拠はあんまりない。性被害で警察に行ったことも、父の失言も、過去に私がいじめられたことも。
一方、私がダメ人間である証拠は、ライフスタイルとか履歴書とかに、明白な形となって表れている気がする。
今はそんなに誰とも関わりがないから批判もされずに済むが……。
父は内弁慶というのかなんというのか、「外」とか、自分の親族に対して良い顔をするらしい。で、母に対して当たりがキツく、というか、その場の空気で良いことを言うことはできても、結局無責任だったのかもしれない。子育て中はずっとどこかをほっつき歩いていたって。
障がいのある身内は、今は若干穏やかだ。
彼のこだわりは時期によって変わっていく。子どもの頃は雨が大嫌いで、雨が降ると大騒ぎした。が、今は雨は大丈夫。
以前戦慄したのは、近隣の家からの物音に敏感になった時期。「隣から音がする」「俺を狙っているんだろ」「殺すなら来いよ!」などとわめき散らした。
あと、道で大声で「バカヤロー、チクショー!」とか一人で怒鳴り散らしているようなおじさん、たまにいるけど、今の彼も多分、時々ああいう感じである。
ニュースで似たような人が殺人とかして捕まっているのを見るとゾッとした。うちの身内も気が荒く、自分の基準で何事かにこだわり、自分のことを棚に上げて他人のことをあざ笑ったり怒ったり。
かと思えば食べ物への執着がすごく、お菓子などを分けて欲しいときだけ「それ、僕にも一個だけちょうだい!」「僕の分はないの?」などと可愛い子ぶる(普段全然可愛いキャラではない)。しかもこういうときだけキレずに粘り強く甘え続ける。
全部障がいと言われると……。叱っても、諭しても、こっちがブチ切れても無駄。しかも私が「あのクソ野郎」などと罵れば、私が障がい者虐待をする悪人なんじゃないかと。
祖母もその身内みたいな性格。とにかくキツく、ワガママで、文句を言い、他人を責めて自分を守るような。
で、父・身内・祖母はどこかの面で良い格好をできるらしく(二面性があるのか?)、祖母はご近所さんに好かれていたという。
また、父も、仕事の電話をしているときは「◯◯さんはああいうところがあるよね~」などと普通に喋っている。
障がいがある身内も、「叱られたくない」ためか、以前学校で「親に楽をさせてあげたい」などと、普段彼の口から言ったこともないような言葉をしゃあしゃあと言っていた(普段とてもそんな風には見えない)。
二面性のある人らは演技が上手いらしい。どっかでは良い人ぶって、上手に振る舞い、好かれているのかもしれない。誰かから責められても、取り繕い、言い逃れ、息をするように嘘を吐いて自分を守り、飄々と生きていけるのかもしれない。嘘でも表さえ整えれば、人はそれ以上ツッコんでこないだろうから。
私はというとどうだ。ネットでは愚痴吐き女。仕事場では仕事できない人。プライベートでは落ちこぼれ。しかも批判されるのが怖くて、自分の明確な実態はぼかしている。だから誰からも、明確なアドバイスをもらえない。
責められるのが怖い。諭されるのが怖い。励まされることも、プレッシャーも。私一人が置いてけぼりな気がする。何もかも怖い。
でもこうやって私が言っていること、全部虚言・妄言である可能性もある。文章上ではなんとでも言えるから。
あるあるエピソードならば、「そういうことあるよね~」と共感してもらえるだろう。
でもなんか、私の話、嘘っぽい。作り話っぽい。「嘘じゃない?」と思われていそう。で、私がダメ人間であることだけが明確にバレていそう。
昔から、障がいのある身内は「◯◯くん、◯◯くん」と可愛がられ、多くを求められず、特別扱いされ、許され。
私だって、まわりから諦められているから、許されているけど。
私は本来、ちゃんとした側になって、ちゃんとした側を支えることを期待されていただろうに。
障害者とか高齢者に対する、今の風向きのキツさは嫌いだ。
優生思想、差別、命の選択。何もかも嫌い。
恋とか結婚とかも。何か良いことあるんだろうか。不幸が連鎖する、持続する……それが生きるってことか。
職場で今回入ってきた新人さんは、すごいできる人らしい。覚えが早く、完璧だって。褒められてた。「◯◯さんが……」って陰口言われているパターンはずっと見てきたけど、陰で誰かがあんなに褒められているのは初めて見たかも。多分学生さんかな。若いのにすげぇ。
うらやましいな。優秀な若者かぁ。
けど私は「優秀」「良い子」を目指してこなかったからな。
好きなことばっかりして。現実逃避して。遊んで。持論を深めて。
今更良い子にもなれそうもないが、ずっと続けてきた現実逃避や創作に未来を救われるかどうかも微妙である。
相変わらず、投稿に少しいいねは付くけど、何人見てくださっているかは分からない。
見ずにいいね連打されていそう。それを延々といいね返ししていそう。
「もっとちゃんとしたかった」と言い訳しつつ、実際のところは、もっと遊びたい、楽しいことをしたい、癒されたい、褒められたい、許されたい、お金が欲しい、でも働きたくない、などと自己中なことばかり考えている。
誰かに「それで良いんだよ」と言われたいが、「それで良いんだよ」などとはお世辞にも言えないであろうことも、一応知っているつもりである。
向上心の欠片も沸かない。
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【うだつの上がらないエッセイ集】
生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。
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