三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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足止めブレブレ

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 何かを「さぁやろう!」とすると、まるで見えないサボローがいるかのように、足止めを食らう気がする。


 たとえば私が散々「頑張らない。頑張るもんか」と言っていたときは「もっと頑張りなさいよ!」と言っていたまわりの人が、私が頑張ろうとすると「そんなに頑張らなくていいんじゃない?」と引き止めてくるとか。

「よし、超大作を描くぞ。私はやはり、超大作でヒットする以外、生きる道はないんだ。創作に集中する!」と思ったら、身内や自分自身が誰かと大喧嘩したり、トラブルがあって気を揉むとか。

 なぜだか、妨害されているような、勢いを削がれるような。右へ行こうとしたら左へ、左へ行こうとしたら右へ引っ張られるような感じがするのだ。デジャブ? ジンクス? 「さぁやるぞ!」と思ったらトラブルで停滞。集中できない。


 私は無神論者だ。「社長」「先輩」「後輩」、「上座」「下座」といった概念きつめの上下関係が好みでなく、「有名人」と「無名な人」、「神様」と「一般人」、「選ばれし一人」と「大衆」、「才能のある人」と「普通の人々」みたいな、「力のある者・ない者」「上下」みたいな空気が苦手だからである。尊敬できない先輩に敬意を払う気が起きず、年下だろうがすごい人はすごいように。神話を聞いても、神格疑うなぁと思ったりする。有無を言わさぬ絶対的な空気も怖い。

 しかし、そんなこんなはさておき。カミサマ(無宗教の宇宙・超自然的な何か)がいるとしたら。
 私を右へ引っ張り、左に引っ張り、一体どうさせたいんだ、えぇ!?


 足を引っ張られるように感じるとき、それは振り切るべき試練なのか、「今はおとなしく、時を待った方がいいよ!」というメッセージなのか。人の言うことは、何を聞くべきで、どれがおかしいのか。サッパリ分からん。現状にズルズル甘えていて良いのか、良くないのか。

 やっぱ自主性……自立……
 といっても何を元に自我を構築すればいいのか……。
 むやみやたらと動けばいいってものじゃないし……。
 自分を突き動かす情熱とか直感とか自信みたいなものがまるでない。


 というか創作だけは自分を救ってくれそうと思ったが、そのあたりの唯一の情熱みたいなものが燃え尽きかけなのか? 目も悪くなって落ち込んでるし。

 そうそう、「なんか良いことありそう!」と直感で飛びついたものは、一時の浪費や無駄足に終わったような。よくある、ダイエット器具とか楽器とか買ったけど続かないみたいな感じ。それで「直感だと思ったのに、自分に裏切られた」みたいで、自信がどんどんなくなったのかも。

 私は絵の通信教育を受けたけど、画材とか教科書とか、だいぶ放置気味。
 いや、あとで描こうと思っているけど、今はiPadで描いてるし……。

 手書き用の原稿用紙も、画用紙も、アナログ絵を売るための梱包セットも、カクヨムで投稿しようとして続きが書けなくなった下書き小説も。こないだ始めようとしたイラストACのアカウントも。色々放置中。


 デジタルなら放置してもまだ、リアルな物体が積み重ならない分マシ。
 リアルな道具とか山積みで放置しているのはなぁ……。積ん読も多いし……。
 捨てるのか? ちゃんとやるのか? リアルは重い。

 しかも私の思う「ちゃんとやる」すら、逃げ・甘えなのだろうかと。何の役にも立たないものを「努力」「成果」「経験」「勉強」と思い込んでいそうな節もある。

 そうなのか、そうじゃないのか。
「そのままでいい」だの「そのままじゃダメ」だの、「成長しろ」だの「この世に意味などない」だの、「結婚しろ」だの「もうそんな時代じゃない」だの。飛び交う色んな概念に振り回されている。

 とりあえず疲れる。


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