三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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敗退と退廃と鏡

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 昨日も先輩たちが後輩さんの悪口ばっかり言ってたから、疲れた疲れた。
「先輩」とは呼ぶのに「後輩」と呼んだらなんか高圧的なの何故だろう。

 もう誰が敵だか味方だか、っていうか、仕事できない私はみんなの敵で、ってことは私にとって敵は私自身と世界か。


 そう、「私は虫を探したいのに」「探検したいのに」「絵を描きたいのに」まわりが「働け」と言って邪魔してくる……のではない。
「邪魔」は私だったんだ。世界にとって私が邪魔なんだ。勉強もしない、仕事もできない、遊んでばかり、子どもも産まない、作品にも価値がない(=お客さんが来ない)。
 世界は歯車を求めていた。どこを取っても役に立たない私が邪魔だったんだ。

 そう思うと、今日はなぜだかスッキリした。どこかの何かが開き直った気がする。私が文句を言うなんてお門違いだったんだ。私は文句を言われる側なんだ。それでも排除されたり好き勝手に扱われることが怖くて吠えまくるけど。
 私に居場所なんて最初から、あるわけなかったんだ。どこへ行っても「どけよ」と言われるような感覚、きっとこのまま生きていくんだ。「どこへ行っても」って言うほどどこも渡り歩いていないけど。


 自分が放った言葉ではあまりショックを受けないのに、人が似たようなこと言うとドキッとするの何故だろう。
 自分のは大丈夫なのに人のは苦手……屁とか大声とか下ネタとか批判・悪口とか色々ありそう?


 ふとまわりを見るとみんな盛んに交流していて、私はといえば……性格悪いからか、マメじゃないからか、自分から距離を取るようなことばかりしているのか、自分の話ばかりするせいか、感謝の心が足りないからか、ぼっちである。

「ぼっちになってしまう」「馴染めない」のでなく、「自分からぼっちになろうとしている」のであれば、そこくらいは自覚しておきたいが、実は全然自分の態度を自覚していない。自分のキャラが分からないし、端から見てどう感じるかも分からない。どこがイラつかれるポイントかも分からないし、多分教えられても逆ギレするだけ。

 仕事場でもSNSでも、他の人は気軽に話しかけられている感じだけど、私は若干浮いてるような……。
 まぁ職場では、仕事できない=存在価値ない=嫌われる、で、精一杯働く以外ないけど。
 ネットでも、向上心もなく場の雰囲気を下げる、嫌みな愚痴吐き狸に成り下がってんのかな~。


 けど動作が遅い私、ちょっと巡回するだけでも毎日けっこう時間かかっているから、これ以上交流とかは無理じゃないかな。
 こっちの宣伝しているつもりが、いつの間にかまわりのペースに負けて、私が客になって、「あっちも見なきゃ、こっちも見なきゃ」ってなったり。それだと自分の創作時間は取れない。

 多分みんなもっと仕事も動作も巡回もコメントも返信も早いんだろうな。私はよく考えないと失言するし、考えても失言するし。何をするのも遅いし。


 自分の言動をビデオに撮って客観的に見られたら、「ここくらいは改善してもいいかな」って改善ポイントが見つかるかもしれないけど(譲れないポイントは譲らない)。ビデオどころか、外出先でも、自分の写る写真を撮らない。近年の私は全然写真に残っていないはず。

 けど仕事できないヤツが嫌われるのは、どう足掻いても避けようがないように、私がネガティブで嫌われることも、あんまり改善の仕方が思いつかない。

 というかやっぱり、たまに人と話すくらいで丁度良いのかも。他の人のコミュニケーション頻度やレベルと比べてもしょうがないかも。身の丈以上に(?)好かれようだなんて、好かれる要素がないんだから無理だわ。


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