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自分の好きにしたいのに自信がないジレンマ
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中学生の頃、一回だけ、小さな作文コンクールで最優秀賞を取った快感を忘れられずにいる。
その後も賞を取りたいとは思っていたが、賞って応募して落選しても「惜しい!」なのか「全然ダメ」なのか「うちが求める作風じゃない」のか、手応えというものが感じられない。
けど多分、あれもこれも言い訳で、全力でぶつかって玉砕するのが怖かったんだと思う。
今時、講評をいただく方法など色々あるはず。持ち込みとか上京とか、本気なら何だってやったはず。
私はほんのちょっと批判されるだけで心折れるし、「こうしたら?」と言われたら、人格否定されたように感じてしまう。添削や提案などされると「私が書きたいのはそういう世界じゃない」と思う。
私は私の表現が好きで、創作においては、自分の意見にしか納得できないのかもしれない。
今も大差なく、他人の評価が怖い。なのに他人の評価を求めている。
矛盾しているが、「働きたくないけど働かないといけない」みたいに、必要性を感じる部分もある。
私は一人で描いていても満足できないタイプで、お客さんが欲しい。単純にそのために投稿している部分はあるけれど。
好きなことでお金を稼ごうと思ったら、人からの評価を得なきゃいけないと思うので、「働きたくないけど働かないといけない」ように、「評価されたくないけど評価されないといけない」と思っている。
まぁ「とにかくチャンスが欲しい」とあやふやな動機で動いているので、そのあたり、「自分は何のために、どうしたいのか?」ということをあまり明確にしてきていないのかもしれない。明確にしなくてもとりあえず動けるし、動きながら明確にしようと思ってきたのかも。でも相変わらず明確にはならず、方向性も定まらない。
ただ……。自由っていいな、と思えてきた。
今、自由だ。けどそれはまだ若さがあるから。今後どうなるかは分からない。このままで良いのかどうか分からない。でも押し殺されて生きるのは嫌だ。現状維持だ。
マンガで賞を取りたかった。けど受賞して、出版なんてことになったら、自由がなくなるんじゃない?
私は「グダグダでいいや」「つまらない投稿の日もあっていいじゃん。私のお気に入りが誰かに刺さるとは限らないし、逆に私にとってさほど面白くないネタが人に刺さることもあるかも」と思っている。
ハードル超低め。なんでもやってみりゃ良いじゃん、下手でも良いじゃんって感じ。なのであんまり、ネタ切れはしない気がする。
私は一度作ったものには愛着が沸く方なので、「ボツにしようかな~、いや、描くか」みたいな感じで描いたものも、今となっては思い入れある作品だ。コメントをいただけたりもするし、思い出もある(すぐ忘れるけど)。
若者が結婚したがらない理由に「今の自由さや気楽さを失いたくない」ってのがあったけど。趣味を仕事にするのも似たような感じでは?
「出版する」ことになったらきっと、「これじゃダメ」「あれじゃダメ」制限されまくり、方向性を決められ、表現に気を配り、あれもこれも描き直し、でもバカ売れする確率は低く……。
売れなかったら「この作品は終わり。新しい作品考えてください。新しいキャラと世界観で」とか言って、今までのを捨てられるのでは。
そう思うと、受賞したくない気すらしてきた。
今は自由にできる。誰かから口を出される可能性はゼロではないが。
私はたしか今まで、絵を描くときも文章を書くときも、下書きというものをしたことがない。私のクオリティでは、下書きしたところでなんら意味がなく、二度手間になるし時間の無駄だと思うからだ。
「アタリをつける」もやったことない。「背景を描く」「陰をつける」もさほどやっていない。
どうも私は絵を「上手く」描く必要性を感じないのだ。下手っぽい絵の方が好きなのかもしれない。絵の基礎がどうとか、興味ないのかも。
「ほら、この方が上手くなりますよ」みたいな話を見かけても「私はBeforeの方が好きだけどな」と思ったりする。みんなそれぞれ味があるのに、それをわざわざ誰かの基準によって修正する意味を感じない。
時間をかけ、技術を習得したぶん見栄えが上がるならやるかもしれないが、私はマンガを読むとき、画力とか背景とか陰とかそんなに気にしていなさそう。あってもなくてもいいものに時間をかける必要性を感じない。
そういやゲームでも、今時のリアルな画面も好きだけど、初代ドラクエみたいな、ピコピコしたレトロゲームが好きだったりする。
絵にも別に神絵を求めていないのかもしれない。それは神絵をもう見慣れて、画像検索で好きなモンスターの美麗イラストとかも見られるようになったからかもしれないが。
……私の作品に、今後「アタリつければ?」「背景描けば?」「陰つければ?」「ストーリーが弱いから勉強すれば?」などと人から言われる可能もあるが、今のところ私の自由だ。
絵に凝りたくなったら技法を学ぶかもしれないし、「アイデアと味で勝負だ!」とか言ってこのまま作風を変えないかもしれない。他の人から何か言われても、言うことを聞かずに続けられるのは、趣味だからだ。
正直、人の意見は気にしてしまう。けど言うことは聞かない。
誰かが求める「正解」つまり、技術的にもストーリー的にもクオリティの高い、素晴らしい作品はもう世に溢れているはずなんだから、別に私がそれにならなくても良いと思うのだ。私のが気に入らないなら、気に入るものを探せばいい。
今は自由でいたい。好きにやりたい。今が好きだ。
今の自由さを失わずにお金にする方法はないかなーと思うけど……。お金というのは、我慢してこそ得られるのか。
もうちょっと、ぼちぼち、ぼんやり、まったりと、行き当たりばったりに進んでみることにする。本気で見つける気もないくせに、何かを探しているようなフリをしながら。
その後も賞を取りたいとは思っていたが、賞って応募して落選しても「惜しい!」なのか「全然ダメ」なのか「うちが求める作風じゃない」のか、手応えというものが感じられない。
けど多分、あれもこれも言い訳で、全力でぶつかって玉砕するのが怖かったんだと思う。
今時、講評をいただく方法など色々あるはず。持ち込みとか上京とか、本気なら何だってやったはず。
私はほんのちょっと批判されるだけで心折れるし、「こうしたら?」と言われたら、人格否定されたように感じてしまう。添削や提案などされると「私が書きたいのはそういう世界じゃない」と思う。
私は私の表現が好きで、創作においては、自分の意見にしか納得できないのかもしれない。
今も大差なく、他人の評価が怖い。なのに他人の評価を求めている。
矛盾しているが、「働きたくないけど働かないといけない」みたいに、必要性を感じる部分もある。
私は一人で描いていても満足できないタイプで、お客さんが欲しい。単純にそのために投稿している部分はあるけれど。
好きなことでお金を稼ごうと思ったら、人からの評価を得なきゃいけないと思うので、「働きたくないけど働かないといけない」ように、「評価されたくないけど評価されないといけない」と思っている。
まぁ「とにかくチャンスが欲しい」とあやふやな動機で動いているので、そのあたり、「自分は何のために、どうしたいのか?」ということをあまり明確にしてきていないのかもしれない。明確にしなくてもとりあえず動けるし、動きながら明確にしようと思ってきたのかも。でも相変わらず明確にはならず、方向性も定まらない。
ただ……。自由っていいな、と思えてきた。
今、自由だ。けどそれはまだ若さがあるから。今後どうなるかは分からない。このままで良いのかどうか分からない。でも押し殺されて生きるのは嫌だ。現状維持だ。
マンガで賞を取りたかった。けど受賞して、出版なんてことになったら、自由がなくなるんじゃない?
私は「グダグダでいいや」「つまらない投稿の日もあっていいじゃん。私のお気に入りが誰かに刺さるとは限らないし、逆に私にとってさほど面白くないネタが人に刺さることもあるかも」と思っている。
ハードル超低め。なんでもやってみりゃ良いじゃん、下手でも良いじゃんって感じ。なのであんまり、ネタ切れはしない気がする。
私は一度作ったものには愛着が沸く方なので、「ボツにしようかな~、いや、描くか」みたいな感じで描いたものも、今となっては思い入れある作品だ。コメントをいただけたりもするし、思い出もある(すぐ忘れるけど)。
若者が結婚したがらない理由に「今の自由さや気楽さを失いたくない」ってのがあったけど。趣味を仕事にするのも似たような感じでは?
「出版する」ことになったらきっと、「これじゃダメ」「あれじゃダメ」制限されまくり、方向性を決められ、表現に気を配り、あれもこれも描き直し、でもバカ売れする確率は低く……。
売れなかったら「この作品は終わり。新しい作品考えてください。新しいキャラと世界観で」とか言って、今までのを捨てられるのでは。
そう思うと、受賞したくない気すらしてきた。
今は自由にできる。誰かから口を出される可能性はゼロではないが。
私はたしか今まで、絵を描くときも文章を書くときも、下書きというものをしたことがない。私のクオリティでは、下書きしたところでなんら意味がなく、二度手間になるし時間の無駄だと思うからだ。
「アタリをつける」もやったことない。「背景を描く」「陰をつける」もさほどやっていない。
どうも私は絵を「上手く」描く必要性を感じないのだ。下手っぽい絵の方が好きなのかもしれない。絵の基礎がどうとか、興味ないのかも。
「ほら、この方が上手くなりますよ」みたいな話を見かけても「私はBeforeの方が好きだけどな」と思ったりする。みんなそれぞれ味があるのに、それをわざわざ誰かの基準によって修正する意味を感じない。
時間をかけ、技術を習得したぶん見栄えが上がるならやるかもしれないが、私はマンガを読むとき、画力とか背景とか陰とかそんなに気にしていなさそう。あってもなくてもいいものに時間をかける必要性を感じない。
そういやゲームでも、今時のリアルな画面も好きだけど、初代ドラクエみたいな、ピコピコしたレトロゲームが好きだったりする。
絵にも別に神絵を求めていないのかもしれない。それは神絵をもう見慣れて、画像検索で好きなモンスターの美麗イラストとかも見られるようになったからかもしれないが。
……私の作品に、今後「アタリつければ?」「背景描けば?」「陰つければ?」「ストーリーが弱いから勉強すれば?」などと人から言われる可能もあるが、今のところ私の自由だ。
絵に凝りたくなったら技法を学ぶかもしれないし、「アイデアと味で勝負だ!」とか言ってこのまま作風を変えないかもしれない。他の人から何か言われても、言うことを聞かずに続けられるのは、趣味だからだ。
正直、人の意見は気にしてしまう。けど言うことは聞かない。
誰かが求める「正解」つまり、技術的にもストーリー的にもクオリティの高い、素晴らしい作品はもう世に溢れているはずなんだから、別に私がそれにならなくても良いと思うのだ。私のが気に入らないなら、気に入るものを探せばいい。
今は自由でいたい。好きにやりたい。今が好きだ。
今の自由さを失わずにお金にする方法はないかなーと思うけど……。お金というのは、我慢してこそ得られるのか。
もうちょっと、ぼちぼち、ぼんやり、まったりと、行き当たりばったりに進んでみることにする。本気で見つける気もないくせに、何かを探しているようなフリをしながら。
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