三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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愛とは何かなんて分かりゃしない。今日もいつもと同じ話しかできなかった。

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「見た目が好きで恋に落ちた」という描写はあんまりタイプじゃない。「こういうときに、こういうことを言ったのが胸に響いて、人間性に惚れた」みたいなんが憧れかも。

「見た目」だと、「結局カラダかよ」って感じがするし、体が衰えたときにはすぐに目移りされそう。所詮一時の興奮、みたいなイメージ。けど私もムッツリスケベだし、結局カラダなのかも。

 動物や植物や昆虫の外見も好き。ファンタジーではないリアルな生態は弱肉強食で、ちょっとつまらん。驚異であり脅威ではあるけど。
 財布とかクリアファイルとか傘とかタオルとか、物も見た目で選ぶし。

 あと職場で優しくしてくれる人がイケメンだ。別にイケメンでも、こっちになんも興味なさそうだったらこちらも興味ないと思うのだが。すごい優しくしてくださるから、ふと目を合わせてみたら(基本的に人の目を見られないし、喋りかけてこない人の顔をまじまじと見たりはしないが)イケメンだった。一回通勤中にお会いして、「おはよう!」って声をかけてくださったときに見たら、マスク外しておられて、やっぱりイケメンだった。彼が気になるのは優しいからなのか、面白いからなのか、イケメンだからか……。私はマスク外したらますますブサイクなんだよなぁ(外した姿を見せたことはないはず)。

 人間性じゃなくイケメンに靡くとしたら、私もルッキストのつまらん人間だな。彼が年を取って老けたり、ぽっちゃりしてきたら冷めるんだろうか。でも私はぽっちゃりキャラも好きだったりするので、ぽっちゃりで冷めるかどうかは微妙だけど。

 たとえば好きな人が顔も体もひどい傷を負ったり、動けなくなったり、話せなくなったり、目が見えなくなったり、働けなくなったりしても好きでいられるのか?
 障がい者差別のようでひどいことを言っているけれど、人はいつどう変わるか分からないものだ。本当かどうか知らないけれど、臓器移植をしたり、輸血をしたら性格変わるという話もある。頭打って人格変わる、なんてこともあるかもしれないし(高次脳機能障害というらしい)、認知症でも性格変わるって(変わるどころか忘れられるんだろうが)。人と向き合うには自動的に、覚悟が必要なのだろう。怖いけど。

 私の場合、好みなんてマイブームのごとく一過性のものである。そして自分が飽き性なもんだから、他人の感性や愛情まで疑ってしまう。シケた根性だな。

 本気の本気で、相手がどうなっても、最期まで愛することができるのか?
 私は無理だな。


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うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
【うだつの上がらないエッセイ集】

生き物の話や夢の日記、思い出や星占いの話など、思いついたことを色々詰め込んだ連載です。


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