三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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ハッピー・バッド・メリバ

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 以前フォロワー様が「ハッピーエンドが好き」と言ってくださって、考えてしまった。私は無名作家(?)なので、私の作風とかはほぼ知られていないし、安定してもいない。急にバッドエンドとか、悲惨な作品を放つと、フォロワー様がショックを受けてしまうかなぁとか。でも「バッドエンド注意」などと書くとネタバレになってしまう(?)し。


 私はバッドエンドが好きだ。
 当然、バッドであれば何でも好きなわけじゃないし、バッドエンドばかりじゃ息が詰まるだろうけど。
 ……どっちかというとメリバ、メリーバッドエンドが好きなのかも。


 好みというのは本当に人それぞれなもので。しかも私の趣味はもしかしたらなかなか……分かり合える人がいないのかもしれない。
 私はナメクジに惚れており、ナメクジは可愛くもあり美しくもあり癒しでもある、貝類の神秘を感じさせてくれる生き物だと思っているけど、そう思っている人は少数派なのかもしれない。

 すると私の好みを全面に出すと、退いてしまう人も多いはずで。夢を叶えたい者としては、誰にも通じない表現に時間を割いて玉砕するのは如何なものかと思ってしまう。


 でもバッドとかメリバとか、そっち方面で名を馳せている人もいるだろう。ニーアオートマタのヨコオタロウさんも、鬱展開で多くの人から支持されているようである。

 すると私も「きっと受け入れられないから」とか言って宙ぶらりんなままでいるのは言い訳であり、もっと全力を出せるのではないか。


 フォローしたりされたりと仲良しになっても、分かり合えるとも限らない。
 趣味は合わないが許してもらえる、そういうポジションも良し。せっかく仲良くなったのに愛想尽かされたとしても、それもしょうがないのだろう。

 しょうがない……のか。なんか悪いことしている気もしそうだが。他にもっと、申し訳ないことをしていそうな気もする。


 しかし、バッドエンドじゃなくてもチクリとしたものを心に残すことは可能かな。
 ディズニーアニメなんかほとんどハッピーエンドだろうが、たしかバンビのお母さんがハンターに撃たれたり、わんわん物語で保健所みたいなところの犬たちが描かれたりしていたような。


 平成狸合戦ぽんぽこについて高畑監督が、妖術で狸が勝つハッピーエンドにしても意味がないと言っていたのに共感する。

 なんていうか、主人公という一個人が幸せであっても、世界の悲しみの数は変わらないというか……。主人公だけが幸せであれば良いというものではないような。


 何にせよ……勝手に遠慮してしまうのも、遠慮させてしまうのも良くないかな。

 グダグダ言いつつなかなか小説を書かない、書けない。結局言い訳である。


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