三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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映画鑑賞と精神的コンディション

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「マイ・エレメント」、予告を見たときから観たかった。ファンタジーな世界観が好きなのだ。
 が、予告や情報をチラ見していると、明らかにロマンティックなラブストーリーである。
(この文のあとの方でちょっとネタバレするかもなので、ネタバレ気になる方は読むのをやめてください。)

 私は最近、恋愛的概念と向き合ってきたし、調子のいいときには恋愛要素も楽しめる。が、調子が悪いと恋愛表現にモヤモヤすることも。……大丈夫か?


 最近、「PMS(月経前症候群)」という言葉を知り、連載「気になった言葉メモ」に書き留めた。
 月経前に調子が悪くなるらしい。逆に生理が始まってからは症状は改善するとか。本当に?

 私は幸い生理痛はそんなにないが、それでも血液を失うわけだし、生理というのはなんとなく怪我とか病気に近いイメージがあって、安静にしていた方が良いように思っていた。が、「PMS(月経前症候群)」の理屈なら逆に、生理中に活動すれば精神的にも好調なのでは?


 私の以前のnote投稿「今の気分で作品紹介」に、「自分の気分や感情の波は、定期的に同じパターンを繰り返している気がします。『「ネガティブになる→好戦的→自己嫌悪→なんとなく悟る→ハイテンション→ネガティブになる』……みたいな。」と書かれてある。

 以前から何となく、自分の気分の波がループしているようには感じており、「これは躁うつというやつだろうか……」と思ったりもしたが、私は鬱病の症状でよく書いてあるような「眠れない」「食べられない」「死にたい」といった症状がないので、ただ根っからネガティブな性格なだけなんだろうと思ってきた。が、ここにきて「PMS(月経前症候群)」はあり得るなと思った。

「PMS(月経前症候群)」のうち、精神的な不調が強いものを「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ぶらしい。女は感情的、ヒステリックというイメージは、この症状からも来ているのではないか? なんて思ったり。


 今まで自分が女であると認めるのが悔しかったので、生理とか避妊とか、女性機能に基づく情報から目を逸らしてきたけど。なんとなく思い当たるのは、「満月が近くなると喧嘩しやすい」ような気がすること。満月といえば月経のイメージだし……。

 と思ったら、「PMS(月経前症候群)」とはやや別の、「満月前症候群」という言葉もあるらしい。今のところ科学的根拠は示されていないようだが、こちらは男性でも不調が起こる人がいるみたい。満月の日に喧嘩しやすいとか。

 私もなんか満月の日にトラブルを起こしやすいもので、「満月が近いからおとなしくしていよう」と冗談を言うこともある。

 私の気分の波というものが本当にあるとしたら、月経か満月のどちらかか、またはどちらも関係するという可能性もある。いつでも情緒不安定なら根っからのネガティブだろうが、それでも満月や月経が近づくと特にひどいというのはあり得そうだ。



 現在、生理3日目。今なら精神的にスッキリしており、ラブストーリーでもモヤモヤしないのでは?

 ということで、自転車で11キロほど漕いで映画を観に行った。着くまでちょうど1時間くらいだった。帰りも11キロ漕いだが、多少血液を失っていても、特に体調的問題はなかったようである。


 上映までに40分くらいの余裕を持ってチケットを購入。すると、既に半分くらい席が埋まっていた。まだ夏休みだっけ。朝だというのに、こんなに人多いのか……。

 と、チケットを買ったあと、持っていた割引券を使うのを忘れたことを思い出す。あ゙ーっ!!
 割引券を使いに来たようなものなのに。でもまぁ、一番の目的は映画であって、映画を見られなくなるわけじゃないんだし良いか……。やっちまったもんはしょうがない。気を取り直そう。


 しばらくすると、幼稚園児? 小学校低学年? の集団がワイワイとやってきた。先生もいる様子。
 えっ、まさか……。

 スクリーン(上映室?)に入ると、子どもたちもわらわらと入ってきた。
 うぉーっ、子どもたちだけで貸し切りとかじゃなく、一般のお客さんと一緒に観るんだなぁ!



 さて、映画を観てみての感想は……。

 最っ高だった! 凄まじいヒーリングパワー! 癒される! 浄化される……!
 ブラヴィッシーモ!


 子どもたちが時々喋っていたり、後ろの席から何度もドンドンと蹴られた(?)にも関わらず、かなり集中できた。物語にも入り込めた。モヤモヤすることなし。
 もちろんストーリーが良く、映像が美しく、素晴らしい作品であるからだが。楽しめて良かった。


 主人公の女の子はカッとなりやすい「火」「怒」的な情緒不安定。男の子は涙もろい、「水」「哀」的な情緒不安定。
 片方が不安定で片方が真面目だと真面目な方がバテそうだが(ニモではマーリンが真面目なのも良かったけど)、情緒不安定 × 情緒不安定とは! なるほど、その手があったか。
 情緒不安定も火や水で表現されるとカッコいいわ美しいわ。芸術だね。


 やはりズートピアみたいに、エレメントによって様々なことを象徴している。
 差別や無理解、文化の違い、色々ある。それらがすべて心理に関わってくる。「無理解」に「怒り」で返したくなったり。
 ただ、無理解というのは接点がなくて、ただ単純に相手のことを知らないだけだったりする。いじめというのは他者への興味・好奇心で起こることもあるのかもと思った。


 現実には差別は大問題だけど。この作品では、愛の前には差別や無理解など些細なことだと思えた。
 心を閉ざすことはない。自分の思いを封じ込めることはない。ちゃんと考えれば自分の気持ちが分かる。伝えれば分かり合える。簡単に乗り越えられる。

 人々の心情や行動がリアルでありつつも、そんな世界を変えて、すんなり楽しく分かり合っていけそうな、素晴らしい感覚にさせてくれた。希望と癒やしに溢れていて、始終ウルウルしっぱなしだった。

「マイ・エレメント」ってタイトルがまた、「私の個性」みたいな響きで味わい深いなぁ。「短所」じゃなく「個性」。


 しかし。最初のカールじいさんの短編といい、マイ・エレメント本編といい。観る前からそうじゃないかと思っていたけど、ちょっと大人っぽい話じゃないかねぇ?
 子どもたちもあんまり笑ってなくて(ドタバタ喜劇というより落ち着いたラブストーリーだし)、飽きてるんじゃないかと思ったけど。面白かったのかな。「子どもといえばディズニー」と思ってのチョイスなのか。クレヨンしんちゃんとかの方が子どもウケ良いんじゃないかね。

「アメリカ人ってこんな繊細な物語作れるんだなぁ」とか、「これ、ちびっ子に分かるんかな」とか、差別的なことも思いながら見ていた。やはり差別とは何か、まだ私には分かっていないな。


 しかしホント……「生理・満月」関連のコンディションはあり得るかもと思った。思い込みのような気もするけど(いつでも関係なくネガティブだったような……)。
 ちなみに今回、月の状態は満月より新月に近かった。



 次は「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」を観たいけど、あっちはヒーリングというよりパワフルに冗談きついから、メンタル整えておかないとなぁ……。

 私は滋賀県民だが、「滋賀 県民性」で検索して出てくるヤフー知恵袋の話とか見ていると、リアルにグサッとくる。埼玉第一作では埼玉に共感できたけど、ダイレクトに滋賀イジりされると、身に迫るものがありそうで……。


 とりあえずメンタル鍛えよう。

 本当は私はふざけた面白いものが好きなのだが、弱ると些細なことでダウンしてしまう。
 元々、ちょっとキツい冗談を言われるだけで泣きそうになるくらい弱いのだが、最近、特に何も言われて(責められて)いないのに泣きそうになったりして危うい。メンタルの免疫上げたい。


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