三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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差別したりされたり

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「ゆとり」という言葉を久々に聞いて、そういえばそんなん言われてたなーとなった。
「ゆとりはワガママに育てられてワガママになってるから嫌」って、そりゃワガママに育てたらワガママになるでしょう……。育て方、土台、人格、根本から全否定か。失敗作扱いである。

 日本国内では日本人は「原爆を落とされた被害者」みたいな意識が強いが、国外では加害者扱いされている節もありそう。国から出たことないから知らないけど。認識のズレか、教育の仕方のせいか。日本人はもっと加害者意識を持った方が良いのかもよ、という意見も見た。

 ゆとり。日本人。ただ生まれて生きているだけなのに、今更どうにもならないことで概念が攻めかかってくるのが辛い。ゆとりとか日本人とかじゃなく、私を見てくれ。ってその「私」がそういう、時代とか空気とかに染まっているわけだが。


 でも自分がそう思うなら。「男性が怖い」と言うのも差別じゃないの、と。
 それでも実際男性が怖かったシーンはいっぱいあったわけで。今だって当たり前のように納得いかない表現が広告で流れてくる。

 だったら「ゆとりは……」とか「日本人が……」とか思われるのもしょうがないんじゃない。こちらから見たら何がいけないのか残念ながら分からないが、「あのゆとりが!」とか「日本人が!」とか外部の人たちが愚痴り合うことで、ちょっとでも気が晴れるなら。それもしょうがないんじゃない。


 こんなに差別して、差別されて。何のために生きているんだろう。

 私は何らかの理由で「自殺だけはしない」と決めた。「自殺したら魂にペナルティーが付く」「やり直しさせられる」「逃げても逃れられない」だったか。

 自殺をしないと決めると今度は、この世がある意味って何だろうと考え出す。こんな辛い世界で「子どもを産め」みたいに圧をかけられて。滅びた方がいいと思えてくる。

 しかし世界にはたくさんの人がいるのに、その世界を滅ぼすというのはおこがましい。だから人は自殺するのか。
 暴れて「死刑になりたい」とか言う人に比べて、自殺する人は愛がある。偉いなと思ってしまう。でもそんな、自殺を尊敬するような言い方、変だとも思う。でも死んで解放されたいというのも分かるような。


 これからも私は差別したりされたりして生きていくのだろう。
 傷つけないよう、うまく言語化できれば良いんだろうけど、そもそも何か伝えれば「ああそうか!」と分かってくれるような人は、既にたくさん学んで視野が広がっている。

 改善されていない、視野が狭いヤツは私のような話を聞かない人間であり、話を聞かない人には言っても無駄。
 世界に溢れるメッセージは、繊細な人しか拾わない。二分化されていく。


 そっか……。私自身が差別主義者で、同族嫌悪または自分の保身のために「差別をなくそう」と言っていたのか。
 いじめられたり、辛い目にも遭ったのに、自分が持つべきスタイルも分からないなんて。「傷ついた分だけ人に優しくなる」を実践できないなんて。ダメだなぁ。


 人との関わりを避け、思い込みの中だけで生き、机上の空論とやらを繰り返しているから、生身の思いやりを持てていないんだろうなぁ。私の現在のリアルの人間関係とは関係ない、過去とか、ネットとか、どこか遠くの話ばかりしているのだ。今関わっている人の相手だけを全力ですればいいのに。

 もっと多くの人とプライベートで関わるべきなんだろう。でもそれやるとお金も時間もかかるし。体力と気力もない。時間とお金があったら勉強より、好きなことをしたいし。
 とりあえずもっと働かなきゃ。いやー、キツいな……。


 働いて生きて……。嫌な人に出会ったり、嫌な人だと思われたり。
 私は多分、子孫を残さず消える。本当に、人生って何だろうと思う。


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