三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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自分のせい、人のせい、「せい」にするな

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 今、人生で一番マシな環境にいる。永遠に今のペースのままではいられないだろうが、概ね優しい人に囲まれ、許され、可愛がってもらいながら生きている。

 何もかもを自分のせいにするには重く、心が弱く、孤独感が強くて。人のせいにしてきた。
 人でなくても、何かのせいにすることに浸ってきた。「過去に◯◯があった」「病気かもしれない」と、免罪符を求めてきた。
 けれど薄々分かっている。「◯◯のせい」とかじゃなく。自分自身をバージョンアップできればきっと、心ある人々と繋がれるのだ。

 心ある人々は、心の汚い人間を見たら距離を置く。あえて注意などしてこないだろう。考え方は人それぞれなんだから。


 心ある人と繋がりたいなら、心を綺麗にする。
 心を綺麗にしたら、自分の欠点に気づく。
 自分の欠点に気づいたら、人の欠点に寛容になる。自分も許せる。


 こうやって許し合いながら関係を紡げる……そういう世界が、見えていないわけではない。
 ただ、私は優しさに飢え、人を振り回すだけ。慰めを待つだけ。愛を奪い取り、返すことができないのだ。
 だから温かい関係を育むことができず、せっかく芽が出た関係性をブチ切ってしまう。実が生るところまで、自分を保つには程遠く。
 するとまわりに残るのは、「文句を言い合い、執着し合う」ような関係、あるいは浅い関係ばかりなのだろう。


 私などいついなくなったって、誰にも何の影響もない。そしてただ、孤独を悲しみ、自分を哀れんでいるだけで、愛を注ぐ器には達しない。


 とりあえず、メンタル強くしよう。完全に逃げたり避けたり攻撃したりしなければ、浅くても淡くても、関係性は残る。

 職場では仕事の話しかできない。弱みを晒せるほど安全ではなさそうだ。
 多分裏であれこれ言われている。そりゃしょうがない、役に立っていないからしょうがない。
 仕事のみならずまだどこでも役に立たない。でも甘えでも何でも、「生きている自分を肯定」するしかない。肯定できなくなったら死ぬしかないのだから。


 働くしかない世の中で、まだ個性だの人間性だの、そんなことになかなか光が当たらない。
 けどいつか人格というものに日が当たる頃……私の人格は……落ちぶれているか、上がっているか?
 紆余曲折の後、上がれていたら良いんだけどなぁ。


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