三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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メンヘラ考察

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 メンヘラという言葉があることは知っていたが、なんか嫌な感じなので、検索したことはあまりなく、人に対して「うわ、メンヘラだ」とか思ったこともない。

 というか闇のない人間っているのだろうか? 私には友達がいないが、友達のようだった人たちの言葉を思い出すと、「リストカットしてる」とか「自殺したいと思ったことある?」とか、全員そっち系だったような。

 ちなみにリストカットは略され、友達は「リスカ」とおっしゃっていたが、私にはリストカットの意味が分からなかった。その後リストカットを人に聞いたり調べたりしたと思うが、未だにリストカットの意味が分からない。私は苦痛を味わうのが大嫌いだからだ。

 前から私は苦痛が大嫌いだが、今では怪我していなくても肌が湿疹だらけで、ボディーソープが染みるわ肌は痒いわ。こんなんじゃ温泉とかも楽しめそうにないなぁ……。リストカットなんてしたらさらに染みそうだし、考えてみてもやっぱりリスカ心理が分からない。

 それと自殺が関係あるとも知らず、「変わった趣味だなぁ」と流していたら、その子との関係はいつの間にか途切れた。
 今も生きておられるんだろうか。まぁ死にたいときは死んでみるしかないのかもしれない……と言うとめちゃくちゃ不謹慎だが、私は「魂は永遠」だと信じている。申し訳ないけど今の自分じゃ力不足で、悪い方向に後押しすらしかねないので、死にそうな人を見たらやや距離を取る。

 思えばネット上でも、鬱だったとか体調が悪めだったという方と話したことが多く、そうでなくても人間いつ死ぬか分からないというか……。そもそも私の身近な親族も精神的にどこか異常さを感じるし、逆に「この人は心身共に健やかだ!」なんて人、そんなにいないような。メンヘラというならほぼ全員メンヘラでは。

 ただ、それを「隠すべき」と思っているか、思わず or わざと出してしまうか、という違いはありそう。

「人に心配をかけるな」「隠すべき」派は、しんどさをあからさまに態度に出す人に対して「何弱音吐いてんだコラ!」と怒るイメージだが、それは相手のマイルールの問題であり、「いい加減にしろ! 絶交だ!」と言われてしまうならもうしょうがない、どっちも悪くない、気が合わないだけ……という気がする。

 私としては、どこかいつも自分を律して「しゃんとしていないといけない」と思っている人には窮屈さを感じそうである。私もネガティブだが、相手が「ずっと我慢して付き合ってきた」というような怒りを溜め込んでいたら怖いなと思う。

 私の中では、「言いたいことも言えない」というのは戦時中みたいなイメージなのだ。「死ね」と言われて嬉しい人などいるはずがないのに、相手を殺し、自分も殺す事態に陥る。「言いたいことも言えない」の究極系が「戦争」「独裁」「いじめ」などである気がしており、不満があったら感情的にキャンキャン吠えられる社会の方が、よっぽど健全な気がするのである。つまり私は「感情は表に出すべき」派か。

 しかし感情表現の好みはある。「感情は芸術的に出すべき」みたいな。
 中島みゆきさんの「命の別名」の歌詞はすごくグッとくる。「ファイト!」はあんまり響かない。努力や戦いは嫌いなので。
 セカオワの深瀬さんの歌詞は好きなのが多い(※初期のしか知らない)。精神病院に入院されていたというエピソードも聞いたことがある。

 私はどっちかというとメンヘラが好きなのかもしれない。


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