うだつの上がらないエッセイ集(2)

月澄狸

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恩知らず

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 世の中、良い人も悪い人もいます。が、「良い人」と「悪い人」なんて、ヒーローと悪役みたいにハッキリ分かれているものではなく、個人の中でグラデーションのようになっているのだと思います。表に出さなければ悪と裁かれもしない、欲望とか、みんな持っているはず。もちろん私もあります。


「生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。」の連載の続きを久々に書いています。ちょっと性的な不安の方に話題が寄っていきそうな。そんなことタイトルやあらすじに何も書いていないので、タイトル詐欺っぽいですが、一言目の「生や」という言葉が暗喩? ぼかし? カモフラージュ? になっているという解釈で進めていこうかと。別連載にした方が良いかもしれませんが、炎上しても怖いので。

 我ながらかなりひどい言い方をしているので、もしかしたらマイルドに書き直すかもしれないし、迷った末、2年くらい下書きのまま放置するかもしれません。が、多分そのまま投稿するかと。


 今私の日常の中で、直接的な脅威はほとんどありません。陰口を言ってくる人にビビったり、「将来どうしよう」と不安にはなりますが、概ね平和です。陰口を言われてはいても、除け者にされるなど、あからさまに意地悪されるようなこともないので。
 だったら嫌な過去なんて忘れてしまえば平穏なのに。もっと未来の方を向き、精神的に強くなればいいのに。

 ただ、ちょっとしたショックは日常でもあります。たとえばけっこう前のことですが、香川照之さんのセクハラ報道はショックでした。
 香川さんには昆虫の世界を広げていっていただきたかった。環境問題の話もしてくださっていたのに。

 こういうちょっとしたショックとか、ちょっとした違和感。もっともっと思い入れがあれば大ダメージだったでしょう。「生娘をシャブ漬け戦略」も、吉野家好きだったらショックだったはず。
 が、男性の質を理解できていれば、小さなことが起こっても「やっぱりね」と冷静に踏みとどまれます。「小さなこと」だと思える、はず。


 この間ブッダの話を見て、何か女性蔑視みたいな言い回しに「ん?」となりましたが、世界が女性を抑圧する主な理由ってそもそも宗教でしたよね、たしか。
 試しに今、「釈迦 女性」で検索したら、仏教に女性差別があるかどうか、みたいな議論のページが出てきたようでした。

 こういうこととか、あとはマンガ広告で出てくる「悪い男が女を嬲る」みたいなシーンとか、何もない日常の中でも地味にストレスが降り積もってゆきます。そこはお互い様かもしれませんが。


 男性に優しくしていただいたことはいっぱいあります。「親切だったなぁ」と感謝したい。急に変貌して、良からぬことをしてくるとは考えたくない。でも恋人を殺した男性は多かったはずだし、「好意」の先にも闇はあるはず。

 以前不審者につけられた気がして警察に行ったら、「何もしていない人を捕まえることはできない」と言われました。そりゃそうです。「何かされたかも」程度で捕まえていったら、働く人がいなくなってしまう。

 けどやっぱり、つけられている気がしても何もできないんだなぁ……と。万が一殺されたら急にテレビが騒ぎ出して、「事件を防ぐことはできなかったのか?」と後出しみたいにギャーギャー言うんだろうなと。ああやって報道したり、世間が動く大きなエネルギーもありますが、動くのはいつも、何かが起こった後。

 多くの人が事件によって動く、その労力が大きい……あれだけの人間が集まるならば、守ることも可能だっただろうに。でも多くの人は口ばっかり出す。もちろん私もそうです。非効率ですね。


 私が推理ものが苦手なのは、犯人探しを面白がれないほどに、闇を恐れているからかもしれません。「犯人が分かったから何だ?」と。
 最初に言ったように、誰が良い人だ悪い人だと決まっているはずはなく、誰の心にも闇はある。それが溢れたときに「犯人」になるのでしょう。
「犯人」を捕まえたからといって、「悪い人」はいなくなりません。闇は誰の心にもあるのだから。


 今「女 男 殺す」で検索したら、出てきたページもやはり意味深なものでした。私としては、「女が男を殺す事件」を調べたつもりだったのですが。逆のが多いですね。そして私には「男の女への怒り、憎しみ」が分からないのですが、そういうものがたくさん渦巻いているようです。


 ある意味私は、人間の闇に惹かれているのでしょう。恐れ、怒り……どうにもならない現実。遠いのか近いのか分からない脅威。

 私の投稿を見て気が沈む人、目に余ると思う人は、距離を置いた方が良いかもしれません。悪意など感知しないほど輝いている人もいる。私はどうも、目が濁っているようです。


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