うだつの上がらないエッセイ集(2)

月澄狸

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どうでもいいや

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 いつも私は「落ちこぼれ」。実態を言うとあまりに見苦しいし、「自分の欠点をそこまで自覚しているならもっと頑張れよ!」と指摘されそうでヒヤヒヤするので、「落ちこぼれ」という言葉で濁しています。

 いつか強くなれて、時効になったときに「あのときは……」と振り返るかもしれませんが。今は「これでもできる限り頑張っているんだ! これ以上を求めないでくれ! このままを認めてくれよ……」という心境です。


 それでも少しは、申し訳ないと思います。特に親孝行できていないこと。

 親にも至らないところはあるかもしれないけど……。親に限らず、先生でも先輩でも社会でも、そうだけど……。私がもっと落ち着いた利口なオトナになって、ちゃんとお金を稼いで、夢だ何だと逃げずに現実をまっすぐ見て、しっかりした人間であれば、もっと親孝行できただろうにと、申し訳なくなります。


 でもこないだ職場の人が、遺産だか何だかでわりと裕福らしく、「使い道分からんくらいお金がある。こないだもテキトーに◯万円使った」みたいな話をしているのを聞いて、なんかふっと……馬鹿らしくなりました。

 私が生まれる前も死んだ後も、世界の問題はあります。そして私はたまたま貧しく、頭が弱かっただけ(体は別に弱くないので、頭だと思われます。運動神経は悪かったけど)。

 それだけです。一生懸命やってこの程度だったのです。
 でもそれって悪いこと? 「悪い」と責めてくる人なんて、探せばいくらでも見つけられるだろうけど。「別に私、悪くないじゃん」とふっと思ったのです。


 一定数、優秀な人がいて、うまく生きられない者もいる。
 そしてお金に困ったことのない人もいれば、貧しい人もいる。

 山のようにハンデを背負っているわけでもないのに貧しいのは「努力不足」とか、「貧しいところからお金持ちになったり、素晴らしい功績を残した人もいる」とか思われるとしても。貧しい血筋が貧しいままって、「私のせい」ではないのでは。ただ貧民メンタル・貧民脳が受け継がれただけです。

 庶民は庶民の目線、庶民の考えで自ら貧乏性となっているのかもしれませんが、豊かな者の目線ややり方など想像もつかないし、「仕方がない」「私のせいじゃない」で良い気がしました。いつもの逃げです、ええ。


 正直お金持ちの人に「クソ~」と嫉妬はします。使い道ないなら私の生活費用にくれよと。
 でも私はいつかお金持ちになりたいので、お金持ちを恨みたくありません。恨んだ分、自分が金持ちになったら恨まれそうだから。

 ただ……。


 犬神という妖怪の作り方がたしか、「犬を飢餓状態にさせた上で食べ物を見せる」とかいう陰湿なものでした。犬にご飯をあげないまま食べ物を見せるなんて、そんなひどいことしたら確かに、怨みの籠もった妖怪になりそうですね。

 ということで、金に困った人も多数いる人間社会の中で、うかつに「お金が有り余って困るんだよね~」とか言ったら、呪いを食らうかもしれないなと思いました。いつかお金持ちになれたときは気をつけよっと。


 でも、「美味しいものを食べた。◯町の◯という店で」みたいに情報を付ければ大抵、「ただの自慢」ではなくなるように。「アルファポリスで◯万円稼げました。試した方法は◯◯……」みたいに言えば大丈夫ですね。
 あと「自分の努力で稼いだ」だったら「そうですか」という感じで、誰も文句言えんですね。

 とか言いつつ私も、宝くじで高額当選したとか、何かがバズって売れたとか、人生が起動に乗ったとなれば、「上手く稼げたぜウェ~イ」とか無駄に調子こいた自慢発信してしまって叩かれるかも。

 基本私は、人の振り見て学習できません。人の振り見て学べば強くなるでしょうが。残念ですね。


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