上 下
210 / 283

うだつが上がらないまま

しおりを挟む
 相変わらずの画力ですが、絵を描くこと自体が最近ちょこっと楽しくなってきました。
 以前は「いくら描いても、全然思い通りに描けないや。あーあ、つまらんなぁ、めんどくさいなぁ」という思いもあったような気がします。
 ……元々、「ストーリーを書きたい」→「ストーリーを書くには、文章かマンガを描かないといけない(それ以外の方法もあるかもしれないけど難しそう)」という感じで小説やマンガを描いていたので、マンガの絵を描くこと自体はあまり好きではなかったような。

 あ、でも、自由に絵を描くのは楽しかったですね。
 最近マンガの絵を描くのが楽しいのは、マンガというより、イラストとマンガを合体させた作品にしているから、かも。イラストのついでにマンガ要素を入れ、マンガのついでにコマにイラストを描く、ような。色んな意味でマンガとして成立していないかも(イラストと絵画とマンガの違いとか、定義が分かりませんが……)。

 個人的には、マンガで地に足の着いた絵を描いてしまうと、作品がリアルになって「あのこと言ってるな」と掴まれてしまいそうな気がするので、宙に浮いたような絵で論点をはぐらかすスタイルが気に入っているかもしれません。


 マンガの絵は基本的に、ちょっと自由度が減るというか、常にストーリーに沿っていないといけないので(主人公がバスに乗ったらバスを描き、スーパーにいたらスーパーを描き、東京に住んでいたら東京を描き、アパート・会社・髪型・服装などちゃんと描くとか)、自由度が少ないですね。「そのときの気分で、自由に一枚の絵を描く」というのとは別物です。集中力というか継続力というか……一枚絵が短距離走なら、マンガは持久走?

 一枚の絵で完結する作品なら、誰がどこにいて何をしていようと、あるいは誰も存在しない精神世界や架空の世界だろうと、概念を色や形で表したものだろうと、何でも良いのですが。
 ただ仕事だとおそらく、「何を描いても良い」ということはないでしょうね……。

 私は絵を描く仕事をしたかったのですが、よく考えたら、「子どもの頃の夢」並に、いつも目指す場所がブレブレだった気がします。何かショックを受けるとすぐ「どうせ私なんて才能ないし。下手だし」「宝くじ当ててお金持ちになりたい」「絵じゃなく文章にしよう」と逃げるし。

 ちゃんと夢を具体的にイメージしたことがあったでしょうか。「なんかチャンスがきて、どうにかなれば」程度にしか考えていなかったような。これじゃ、「働きたい」と言いつつ面接に行かないようなものですね。
 そもそも「絵を描く仕事をしたい」という夢すら固定化しておらず、「音楽とか写真とか文章もやれたら」というような、あやふやな思いです。全部「二の次、三の次」みたいに保険かけてるような……。
 趣味なら「なんか嫌になったから、しばらく別のことしよう」などと自由にしたら良いでしょうが、仕事なら狙いを定めないと……。



「絵が上手でも、マンガが上手いとは限らない」「絵が下手でもマンガが面白い人はいる」という話をTwitterで見て、なるほどと思いました。画力と漫画力は微妙に違うのかも。漫画家になるために、神絵師を目指さなくても良いのかもしれません。コミックエッセイ等、ゆるい絵の作品も本屋さんで売っているし、私の絵も市販レベル(?)に達している可能性があります。

 市販レベルに達しているとしたら。あと必要なものは何か。

 まずはっきり目標を決めることですよね……「漫画家になる」とか。漫画家になるためには、25歳までにデビューした方が良いとか、25歳までの方がデビューしやすいとか聞いた気がしますが、それ以上の年齢でもデビューしている方はいて、「何歳からでも漫画家になれる」らしいです。
 まずここで、「もう25歳とっくに過ぎてるし、もっと若くて才能ある人いっぱいいるし、難しいから諦める」か、「やる」と決めるかですね。

 昔だったら上京して出版社に持ち込んで……といった道が一般的だったようですが、今はネット社会ですね……。
 いや、「今時こうじゃないかな」「ああかな」と想像ばかりしていてもしょうがないので、やるならばまず、手が届く範囲での情報収集でしょうか。コミックエッセイのコンクール(?)とか、探せばあるのでは。

「やっぱりコミックエッセイよりストーリー漫画をやりたい」と思うなら、下手でも何でも描いて新人賞に応募することですよね……。
 サイトによっては、プロの人が評価してくださるシステムがあるようです。アルファポリスにもあります。


 私は今まで評価をお願いしたことはありません。ダメ出しをされて傷つくのが怖いからです。その他のことでも、一歩踏み出さなかった理由は、大体これ。となると、最大の問題はやはりメンタルが弱いことです。

 しかしここから「まずはメンタルを鍛えよう」とか言って自己啓発本など買い始めれば、キリがありません。結局「まだ力が足りない」「こう書いてあるけどそう思わない」などと何だかんだ言って逃げ回ることになりそうです。

 年々目も頭も悪くなっているし、逃げる時間はもうないかも。本気を出すならば、仕事先、読者様、リアルの知り合いその他、すべての人からボロクソに言われる覚悟をして踏み出すことですね。あと忙しいの覚悟しないと。「それでもやる」と。


 ……うーん。やっぱり、「ネットで稼げたら良いのに」って思ってしまいますね。一日10時間寝たいし、おやつ食べたいし、遊びたいし、あまり厳しいこと言われたくないし。ネットにアップして、勝手に収益入ればなぁ。
 万年逃げ腰。私の覚悟はこの程度か。

 そもそも人付き合いが苦手だから創作の世界に逃げてきた、ような。それを仕事にするなら、逃げ場が逃げ場ではなくなります。自分の好きな憩いの場で働いてしまったら、そこが職場となり、今までと同じ憩いの場ではなくなるように。

 人生の覚悟……。なかなか決まらない……ですね。とっくに覚悟決めて、もっと本気の人が多いだろうに、私はなんと生ぬるいのか。「ガツンと批判ください」くらいのことが言えないのでしょうか。
 ……いややっぱ無理っぽい。

 ちょっと具体的な行動してみながら、「諦める覚悟」を決めるか……。
「やる覚悟」も決めていないのに、未来で「漫画家になりたかったのになれなかった」などと泣く資格はないですよね。「働きたいと言いつつ面接に行かなかった」ようなものなのだから。
「夢追ったけど敗れたなぁ」は、もうちょっと頑張ってからでないと言えません。「部活で頑張ったけど全国大会勝てなかった」みたいな、全力青春での敗北みたいなの、まだやっていないのでしょう。グズグズしている。


 まず色々検索してみますか……。情弱なままだし。何をしたらクリエイティブな仕事ができるのか、見当もつきません。
 そもそもクリエイティブな仕事なんて自分に向いているのか……。仕事には責任もあるし……。

 あーやだな、遊んで暮らしたいな……。遊んで暮らす方法はないのか……。
 などと心が現実逃避に向かって羽ばたいてしまう。やはりダメ人間なのでした。


しおりを挟む

処理中です...