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「好みじゃない」のは悪いことじゃないのに

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 自分の好きなマンガやアニメ映画のレビューを見ていると、批判的なコメントが多く付いていて凹むことがありました。自分の作品にも、やや批判的なコメントが付くと凹みます。
 批判コメントというのは、言っている内容は長い説明だったりしますが、要するに「好みじゃない」ということだと思います。

「好みじゃない」。悪いことではないはずです。

 私はけっこう好みがあるので、好みのもの以外は「好みじゃない」ことになります。
 でも、自分の作品に批判が付くと、「タグに◯◯って書いてあったのに、◯◯が好きじゃないみたいなコメントしてくるなんてどういうことよ~。タグとあらすじ見れば大体分かるでしょうよ」って思ったこともありました。

 相手は相手の基準で作品に「期待以上」を求め、「期待ハズレ」だとガッカリするのでしょう。
 好みなど千差万別で、辛いものが苦手な人もいれば甘いものが苦手な人もいるように、一々合わせようとしてもキリがなく、発信する側は、これはこういうものですと言うしかありません。

 もう今更、トトロを見て「バトルシーンがないなんてガッカリ」と言う人はいませんよね。自分の発信も、「この作家さんのはこういうものだ」って固めていきたいです。

 作家にも「キャラ」がある。それを出していけばファン、理解者が付くかもしれない。
 逆に作者に「らしさ」というものがなく右往左往していれば、何か言われ続けるのかもしれません。まぁ、天下のジブリやディズニーにも「好みじゃない」コメントは付くでしょうが。

 ……しかし。
「好みじゃない」って本来悪いことでも何でもないはずなのに、自分が言われる側になると、ひどく傷つきそうな気がするのは何なのでしょう。

 皆様にも思い当たること、あるでしょうか……。買ったパンがまずかったとか、見た映画がイマイチだったとか、人が作ったものについては好きに言うのに、自分が作ったものに辛口のことを言われると「そんなこと言わなくて良いじゃない」と思ってしまうとか……。

 批判を恐れ、言い訳したり凹んだり批判を避けようとしたり、最悪「認められない」と思うと投げ出したくなってしまうのは私だけでしょうか。別に相手の好みでも好みじゃなくても、自由なのに。

 もしかしたら、「好みじゃない」じゃなく、ああだこうだと理屈がついてくるから、それに凹むのでしょうか。
 でも一言「好みじゃない」「面白くない」ってバッサリ言われても傷つくような。うーん、難しいです。

 けど自分が受け取る側だと、ちゃんと好みは好み・好みじゃないものは好みじゃないって言わないと、好きでもないものに囲まれて、「すっごく素敵ですね!」と相槌打ち続けて、本音も言えず、他の人に合わせるような人生になりそうなイメージがあるので、言いたいことズバズバ言ってしまいます。セールスとかでも「いりません」って言わないとなかなか終わりませんよね。

「好みじゃない」のは悪いことじゃない。そして一人や二人から好みじゃないと言われても、それが世界のすべてではない。けど人の範囲は限られているから、世界に自分が「買う」商品より「買わない」商品の方が多いように、ドンピシャで自分の作品を「好みです」と言ってくれる相手に巡り会うのは難しい。

 どうして、言う側の自分と言われる側の自分が分裂しているのでしょう。もっと優しく大らかに、どっしりと活動できたら良いのに。
 分かっちゃいるけど、今日も結論出ず。右往左往しています。


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