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偽善者とスッポン
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私は、生き物を悪口に使われたり、見下したような言い方をされるのが苦手です。「まるで豚だ」とか「そんなことでは猿と同じだ」とか「虫けらみたいに」とか。
現時点では殺生をせずに生きていくことはできませんが、生き物を犠牲にする中で、命を見下したり軽く見たりするのではなく、まず感謝と敬意を持つべきだと思うのです。
そんなある日。SNSのコメントで、フォロワー様から私の作品を褒めていただきました。
私は喜び、と同時に照れ、反射的に「いやいや、◯◯さんの美しい作品と比べたら私のなんて、月とスッポンですよ!」と書いて返信しようとしました。
そしてはたと気づきました。
……スッポン?
おっと、なんということでしょう。無意識に生き物を貶めることわざを使うなんて!
あやうくマイルールを破るところでした。危ない危ない。
送信していないからセーフにしましょう。と、私はいつもの「人に厳しく自分に甘く」のスタイルで考えました。
すぐにコメントを書き換えることにします。
しかし、「いやいや私のは◯◯さんの作品ほど素晴らしくありませんよ」みたいな言い換え文を何度か書いてみても、最初に浮かんだ「月とスッポン」ほどしっくりきません。何か嫌味っぽいというかわざとらしいというか、言い回しがピタッとこないのです。
ああでもない、こうでもない。
うまく決まりません。
……ああ、もう別に良くない?
月とスッポンを使ってしまおうか。
いやいや、そんなことはできない。
私は自分を奮い立たせるため、「スッポン 可愛い」で画像検索をしました。
手のひらにすっぽりと納まるほどの、可愛らしい子スッポンの画像がたくさん表示されます。
私は、子どもの頃に友達に見せてもらった子スッポンを思い出しました。
スッポン料理のCMや番組に出てくる可愛いスッポンを頭に浮かべました。
……そうです、スッポンの可愛さを前に、私の美学を破るわけにはいきません。
スッポンを裏切るくらいなら、嫌味な人間になった方がマシです。
私は不自然に嫌味っぽいコメントを書き上げ、返信しました。
ふう。謎の達成感。
スッポンよ、私は負けませんでした!
何にか分かりませんが。
こうして、偽善者である私は、何も大層なことはしていないくせに、言葉上で何かを言ったの言わないのと日々一喜一憂し、偽善者活動に励むのでした。
現時点では殺生をせずに生きていくことはできませんが、生き物を犠牲にする中で、命を見下したり軽く見たりするのではなく、まず感謝と敬意を持つべきだと思うのです。
そんなある日。SNSのコメントで、フォロワー様から私の作品を褒めていただきました。
私は喜び、と同時に照れ、反射的に「いやいや、◯◯さんの美しい作品と比べたら私のなんて、月とスッポンですよ!」と書いて返信しようとしました。
そしてはたと気づきました。
……スッポン?
おっと、なんということでしょう。無意識に生き物を貶めることわざを使うなんて!
あやうくマイルールを破るところでした。危ない危ない。
送信していないからセーフにしましょう。と、私はいつもの「人に厳しく自分に甘く」のスタイルで考えました。
すぐにコメントを書き換えることにします。
しかし、「いやいや私のは◯◯さんの作品ほど素晴らしくありませんよ」みたいな言い換え文を何度か書いてみても、最初に浮かんだ「月とスッポン」ほどしっくりきません。何か嫌味っぽいというかわざとらしいというか、言い回しがピタッとこないのです。
ああでもない、こうでもない。
うまく決まりません。
……ああ、もう別に良くない?
月とスッポンを使ってしまおうか。
いやいや、そんなことはできない。
私は自分を奮い立たせるため、「スッポン 可愛い」で画像検索をしました。
手のひらにすっぽりと納まるほどの、可愛らしい子スッポンの画像がたくさん表示されます。
私は、子どもの頃に友達に見せてもらった子スッポンを思い出しました。
スッポン料理のCMや番組に出てくる可愛いスッポンを頭に浮かべました。
……そうです、スッポンの可愛さを前に、私の美学を破るわけにはいきません。
スッポンを裏切るくらいなら、嫌味な人間になった方がマシです。
私は不自然に嫌味っぽいコメントを書き上げ、返信しました。
ふう。謎の達成感。
スッポンよ、私は負けませんでした!
何にか分かりませんが。
こうして、偽善者である私は、何も大層なことはしていないくせに、言葉上で何かを言ったの言わないのと日々一喜一憂し、偽善者活動に励むのでした。
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