生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

月澄狸

文字の大きさ
上 下
25 / 31

今から何を目指せば認められるのか……

しおりを挟む
「格差」が私のお気に入りワードだと思われたようで、スマホが格差社会の記事ばかり通知で送りつけてくる。見て不安になるだけなら進歩がないが、今のうちにショックを受け、耐性を付け、覚悟を決め、少しでも早いうちに未来について考えるべきか。っていや、遅すぎるんだけど。

 私は脳内お花畑だったのかも。絵本のようなファンタジーな世界を信じていた私は、まず動物のリアルな生態、世界は弱肉強食だということに薄々気づいてショックを受けてきた。しかしその後も何か、私だけ浮いたことを信じていて、現実との差に気づいていなかったのかも。

 人間社会は一応自由だと信じたかった。が、職業選択くらいの自由しかない……それも学歴とか年齢とかちゃんと考慮し、初期段階(中高生の頃?)にきっちりと進路を考えておかねばならなかったのかもしれない。

 未だにサンタさんを信じていそうなアホな私、戦略も人生計画も何もなかった。世間知らずだ。けど知ったところで適応できそうもない。いくら稼いだらどうなるのか、税金の計算も分からない。

 生き物の世界は弱肉強食、人間社会もわりと一緒なのかも。ファンタジーというのは、「こういう世界があるかも」という受け取り方ではなく、「気分転換したおかげで明日も働けます、ありがとう」というのが唯一の正しい受け取り方なのかもしれない。すべては息抜きであって、それに人生賭けてはいけないのか……。

 後悔してももう遅いが、私は逃げる必要のない場面で逃げすぎた。小学生の頃いじめられてビクビクしたが、「小学生なんてみんな学費払ってもらっていて、さほど家庭への貢献もしていなくて、大体みんな立場一緒じゃないか。誰が上だの下だのビクビクすることはない」と気づけていればもっと強気になり、強気であれば余裕で戦略を立てられたかも……
 なんて、アホな私にそんなこと分かるはずもない。人が怖いとオドオドし、何も構築できずに育っていったのだろう。暴力的な強さなんぞ、社会で通用するもんじゃないけど、子どもの私からはそれが最大の理屈に見えた。

 最初はみんな同じ赤ん坊というスタートラインでも、社会というものを賢く理解して、人に好かれるように立ち回る、あるいは自分一人でやっていけるように鍛え上げる、または一秒でも早く夢に向かって動き、ダメなら潔く去る、そういうふうに何らかの人生設計がないといけなかったのか。私は何も分からなかった。

 今不登校が問題になっているようだが、不登校でもニートにならない人もいれば、不登校じゃなくほぼ皆出席賞だったのにニートになった人間もいる。
 この問題ってなんて言うか、社会への絶望なのかな……色々と。

 いじめられなければみんなの役に立ちたい、輪にも入りたいと思える人は、不登校を克服できれば再び社会に入れるんだろう。社会に属することに喜びを見出せる人なら。
 でもそもそも社会に属するのが苦痛な人は……何が最適なんだろう。どこまで行っても社会なイメージだけど。一人黙々と作業するのが好きで、それを許してくれる職場があるとしても、とにかく業績をあげなければ……。


 生活苦の記事のコメント欄に、「見通しが甘く稼ぎが悪い人のために、我々が税金を出さなきゃいけないなんて」と怒りのコメントがあったが、こういう人は……昨日まで長年ニートだった人が今日やっと1時間働けたとしても、認めてくれたりはしないだろうな。「本来朝から晩まで働くのが当たり前、1時間くらいで働いたとは言えん」「明日は5時間、明後日は8時間働け」とか言ってきそう。

 若者のニート・引きこもりがどんどん増えてるって……うん、分かる。なんも希望見えないし、なぜ生まれたんだろう、なんで学校行って死ぬまで働かなきゃならないんだろうって、未来が嫌になるよなぁ。私も正社員になって、一日中職場にいて、空が暗くなっていく、こうやって毎日日が暮れるまで働くんだって、泣いたもんな。

 けど、働いて税金納めることが正義と完全に決まっているなら。まだマシだったかもしれない。

 芸人さん、俳優さんなど、自殺した人、自殺まではいかなくても薬物に溺れる人、いっぱいいたが……彼らを苦しめるものって何だろう。税金を納めることが正義と思えていれば、もちろん口に出したら炎上だけど、「ほざけ貧民ども。私はお前らの100倍税金納めてるんだぞ。私らがお前らの社会をメンテナンスして食わせてやっているに等しいのだ」と思っていればいいのに。なんで追い込まれてしまうんだろう。
 ってそうか、有名人の人は一般人から貢がれて……違うな、一般の人からの人気でお金を得ているから、一般人の評価や責め言葉はダイレクトに響いてしまうのか。多分ユーチューバーさんが視聴者の意見に敏感なように。

 有名企業の社長とかなんかすごい人が自殺したというのはあまり聞かないけど、そもそも有名人以外の人はニュースに出ないか、出てもよく知らない人だから覚えていないのか。
 一般人をファンにして生きると誹謗中傷に苦しむけど、世間一般的な企業とかでのし上がることができたら、死にたくなるほどのストレスはないのだろうか……。いや、「従業員を食べさせる」だの管理職だの運営だの、そういう責任を想像しただけで吐きそうだし……。管理職もしんどいに違いない。


 とにかくみんなすごいなぁ。
 しかし若者のニート・引きこもりが増えているなら、一旦ハードル下げて「1日3時間でも働いている人えらい」キャンペーンでもしてあげれば、みんな働けるようになるんでは……。

 人は好き勝手に厳しいこと言うけど、「8時間働いていないヤツは悪」みたいに言われて、誰が働きたくなるだろう。手厳しいことばかり言われ、未来もしんどそうで、おまけに「穀潰しの老人はいらない」「老人は溜め込んだ金を流せ」などという意見が流れた日には、老後を悲観して死にたくなる。

 みんな事情もある、誰もが愛ある家庭で育てられたわけでもない、学校も雰囲気が荒れていたりして過酷、誰も彼もが忙しそうで、他人に構ってる暇ない。
 こんな使い捨てされそうな社会のために嬉々として貢献しようと、誰が思える? こんな冷酷な言葉ばかり当たり前のように飛び交って、誰が正気を保っていられる?

 この世界で正気なのを健常者と呼ぶなら、世界は病気だ。鬱の人が増える、引きこもる、当然だろう。

「まず1時間でいいよ」から始まって、ちょっとずつなら、働ける人多いんじゃないかな。「1時間働いたらえらい」と言われたら、「次は2時間いけるかも……」って嬉しくなるんじゃないだろうか。


 誰もが愛に飢えているなら、もっと褒めあえたら良いよなぁ。褒められたらやる気がでる。誰が責められてやる気になれるだろう。過去は「軟弱者め」と鞭打てば動いたかもしれないが、今は違う。

 愛さえありゃ他に何もいらない……たとえ未来が不透明でも、愛に包まれてさえいれば、未来のことはもうどうでもいいやって、今目の前にいる人を抱き締めようと思えそうなんだけどな。働きたくないなら働かなくていい、働けたときはえらいよって。

 伝染する不安。本来なら元気でいられた人まで病気になるんじゃないか。
 けど自分だってそういう気を発していそう。至らない、許せない、怖い、差別だらけで。もどかしいな。

 愛ある世界のために疑心暗鬼は手放し、寛容にならないとな。とはいえ詐欺とか、人を食い物にしそうな人やシステムも多く、疲れてピリピリしてしまって、人を愛せない。


 つか世界の防衛費全部奪い取って、すべての人類を養いたい。
 なんで武器に金かけるんだよ。それでなんで人殺し費は黙認して、働かない人を責めるんだよ。こんな世界で働きたくなるわけがない。間違った教育をされる学校に行く意味だって見出せない。

 悪も善もどこにもない。誰も殺さなくて良いじゃんか。
 誰かを殺そうという意志を完全に捨て、優秀だろうが劣っていようが全員生きていていいという空気が満ち溢れれば、荒む人もいなくなり、勝手に人間もより良くなるだろう。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
 私は生物学も心理学も学んでいない、ただの学のない女だ。ついでに恋愛経験もない、さらには友達もいない。告白されたこともないし当然したこともない。そんなわけでこの連載は、浅い知識と経験から「なんとなく思ったこと」を感情的に書き連ねるだけのものになる。読んでも何の学びもなく、不快になるだけなのでご注意を。(※LGBTQについては分からないので、基本的に古い価値観オンリーで書きます。)

生きていて良いのだろうかと思うとき

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
一生劣等感を抱えて生きていく覚悟も、立派な人を目指す勇気も、「すべての命に価値がある」と揺らぐことなく信じ続ける力も持てないまま、今日もあちこちになびいている。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...