生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

月澄狸

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適度に戦ってストレス発散

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 私は不安を書きなぐり、吐き出す。それで少し楽になる。
 人の不安も検索し、近い感覚のものに共感する。

 考え方、解決方法……結論は出ないけれど、それで少し楽になる気がする。この世に存在する掟を見て見ぬ振りしたり、現実逃避を続けるよりも、たまに直視して底の深さを測った方が、多少は落ち着くのかもしれない。「ああ、このくらいのものか」と。

 ロードキルやら腐乱死体やら、訳の分からないワードで検索してしまうのも……。いつか突然、今まで避けてきた何かを目撃してしまってパニックを起こすことがないように、様々な事柄への耐性をつけ、心の準備をしているのかもしれない。


 中学生か高校生の頃だったか……。無料チャットで「居場所がないと感じる人、集まれ」みたいな呼び込みをしたところ、何人かが集まって、思いを吐き出し合った。励まし合い、それで楽になれた気がした。

 今もそんなふうに、書き尽くしたりして楽になる。

 しかし他の人も私と同じように「これからも生きていこう」という結論で居続けられたのだろうか。消えたくなったりしてしまっていないだろうか。


 私は「自殺はしない」と決めている。する覚悟もないし、自殺をしないことを正当化できているからそれで良い。
 どれだけネガティブだったところで、私が自殺をする心配はほぼない。しかし他の人の感覚が、自分と同じとは限らない。

 不安や絶望を増長させる発信ばかりするのは、罪ではないか。文の最後に何か、希望、励ましなど、心が軽くなる要素を入れるべきだろうに。落ち込む専門の私は、人生の解決法を持っていない。何も浮かばない。嘘みたいに空しい、自分でも信じられていないような奇麗事を書くのも、何か違う。


 現代社会が割合的にそういうものなのか、それとも私の暗さが誘蛾灯のように悩める人を誘い込むのか、過去に鬱病だったという人と何度か話したはず。
 それで私のネガティブが読者様方にどう影響するかというと、悪影響な気しかしない。「ああ共感してスッキリした、明日からまた頑張ろ」とか「なんてネガティブな文章だ。こうはなりたくない」と思ってくれればいいが、そう思えないのが鬱病などの心の病ではないのか。

 私は「ツレがウツになりまして」関連本をいくらか揃えて読んだくらいの知識しかないが、自殺願望を増長させるような発信は慎むべきだと思う。私の方は書いてスッキリ、だとしても、自虐的なことを書くと、他の人までショックを受けるような言葉に仕上がる可能性がある。

 いつか寿命を迎えて、死後の世界で閻魔様だか誰だかに、「あなたの文章を読んで5人が死にました」なんて言われたら。恐ろしすぎる。人殺しじゃないか。


 解決索がない。不安に対処できない。どうするか。

 一つ思いついた。泣き寝入りじゃなく「戦う」ことだ。


 戦うといっても何も、意見を掲げて行進する必要はない。自分とは反対の意見を言っている人に「そうは思いません」とわざわざ意見しに行くこともない。わざと煽るような過激な投稿をして炎上させることもない。

 ただささやかに開き直るだけだ。「大人だって、ボーッと子ども番組を眺めて癒されたっていいじゃん」「好きな服着ればいいじゃん」「年を取って何が悪い」「選挙に行きたくない。だって人間なんてみんな大したことないもん」などと。でたらめに、好き勝手な文章を書いてみるのも良いかもしれない。


 以前署名サイトで、自分の共感できる意見に署名したときも、ささやかだけれど世界を変えようと行動できたことに満足した。同じように感じている人がいることが心強かった。

 誰にも認めてもらえないこと、誰にも言ってもらえない言葉は、自分で自分に言おう。自分が自分を認めてくれた、そう思うだけで少し楽になるかも。


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