生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

月澄狸

文字の大きさ
上 下
9 / 31

何もかも越えて羽ばたきたい

しおりを挟む
 死にたくなる気持ちは少し分かるけど、死なせたくなる気持ちは恐ろしすぎる。死が解決法だとは思わない。死が解決法なら、生物は一体何のために生まれてくるというのか。

 私は恋をしたくない、生みたくない、生きたくない。
 誰かが殺されて回り続ける世界にみんなが納得するというのなら、子どもや若者だけを守らずに、いっそすべて滅んでしまえばいい。そうすればもう誰も、苦しむことも見捨てられることもない。

 でも変な宗教やテロみたいに誰かを殺したって、人は嘆き悲しみ、苦しみながらも生きようとし、また誰かを生み育てるのだ。

 なぜ産むのか? なぜ生きるのか? なぜ殺そうとするのか?

 何もかも分からないこの世界で、人種も性別も年齢も越えて、自分一人で逃げ出したい。
 ハエやゴキブリ一匹殺されない世界へ。すべてが生きも死にもしなかった世界へ。この世界に生まれなければハエやゴキブリが殺される理由も、フライドチキンを生き甲斐に生にしがみつく理由もないのだ。


 生物全部滅亡してほしい。
 でもやっぱり誰も死んでほしくない。

 寿命も上下関係も病気も、神も仏も何もいらない。ただただこの世界を、誰も死なないように変えてほしい。
 信じるものだけを救わなくていい。災厄を取り払う以前に、災厄のない世界へ、美と醜の概念がない世界へ行きたいのだ。

 何かを醜いとか見たくないとか決めなければ、すべてのものが美しい。
 いや、美しいなどと誰かに定義され、ラベルを貼られることすらもうない。
 誰も虐げられず追い出されず、見た目や立場で笑われたり争ったりすることもない……

 すべてが堂々と、存在できる世界へ。
 私は行きたい……そのために今、不完全なままでも自問自答するのだ。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
 私は生物学も心理学も学んでいない、ただの学のない女だ。ついでに恋愛経験もない、さらには友達もいない。告白されたこともないし当然したこともない。そんなわけでこの連載は、浅い知識と経験から「なんとなく思ったこと」を感情的に書き連ねるだけのものになる。読んでも何の学びもなく、不快になるだけなのでご注意を。(※LGBTQについては分からないので、基本的に古い価値観オンリーで書きます。)

生きていて良いのだろうかと思うとき

月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
一生劣等感を抱えて生きていく覚悟も、立派な人を目指す勇気も、「すべての命に価値がある」と揺らぐことなく信じ続ける力も持てないまま、今日もあちこちになびいている。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...