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若い子が出てくるマンガが多いのは、マンガが若者向けの文化だから?
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マンガといえば美少女、少女漫画ならイケメンがいっぱい。
イケメンや美少女を見ていると心が安らぐ、見ていて楽しい……
若者が好まれるのは生殖本能か? いやいや、そもそもマンガとかアルファポリスとか、私がよく目にする文化は若者向けだから?
それにしても若者がお爺さんやお婆さん、おじさんやおばさんばかり好んで描くというのは私のイメージにない。若者は大抵目や胸が大きい女の子や、髪がサラサラなイケメンばかり描くイメージだ。それが当たり前すぎて理由も分からない。
私も自分のマンガで若者的なキャラを描いていた。
その理由、まず一つ目は、自分の経験が浅くても子どもや若者ならなんとなく描けそうな気がするから。
何年も生きているという設定のキャラであっても、見た目が若者や子どもであれば、表現するのは「人生の深み」というより「そういう感じのキャラ」である。それでいい気がする。
しかしお爺さんやお婆さんをメインに描くなら人生について理解していないといけない。
何時代を生きてこられたのか、どんな体験をされたのか。あやふやにしてはいけないだろう。
おそらく、犬を飼っていない人が描いた犬マンガや、子どもを育てていない人が描いた子育てマンガは、「この人実体験はないな」というニオイがするはず。
それと同じで、人間レベルの低い私が深みのある人を描こうとしても、きっと「見た目は大人・中身(作者)は子ども」なキャラになる。浅さがすぐにバレ、魅力不足になるはず。
だから頭の悪い私が経験豊富なキャラを描くのは難しい。
そして二つ目、絵的にも年齢の表現は難しい。
今時のイケメン美少女の絵は大抵、判で押したように同じに見えるので(昔の絵にも流行があったのだろう)、美男美女キャラは大体見慣れた感じを目指せばいいんだろうけど、おじさんやおばさんの絵は若い子キャラに比べあまり見かけないから自分の絵柄で練習しないといけない。若いキャラは目や口を並べておけばとりあえずは描けるけど(それでも私はうまく描けない)、おじさんおばさんキャラはもっとハードルが高い。
三つ目。「何を言ったら人が傷つくのか分からない」
これが一番大きいかもしれない。
私は失言王である。「なんでそんなこと言うの!」と人からよく怒られた。
未だに何がいけなかったのか分からない、というかなんで怒られたか思い出せない。けれど思ったことをズケズケ言えば良いというものではない、くらいのことは学んだ。なので、どこまで触れて良くてどこから触れちゃいけないのか分からない場合はいっそ近づかない。
人生の深みとか社会の問題とか、繰り返す人類の歴史とか人間の本質とか差別と偏見とか、そんな重くて深いことを頭をひねって考えつつ表現に悩むよりも、大きな目とツヤツヤの髪のキャラクターでも描いていた方が気楽なのだ。私は頭パーだから。
さて、マンガは若い子向けの文化の印象があるとは言っても、色んな年代をテーマにしたマンガはあるようだ。特にコミックエッセイとか。そういったものに読者が求めるのは「共感」だろう。
が、若者向けのストーリーマンガにもしばしばテーマとして「老い」は登場する。
そして大抵の場合私は、その作品が何を言いたいのか分からない。
例えば人種差別やいじめの描写を出されて、それに主人公が「やめろ! そんなことはいけない!」と怒り、世界の闇と戦う。何が何でも大切な人を守り抜こうとし、大切な人が死なないように奮闘する。そんな勧善懲悪なら分かりやすい。
が、老いがテーマだと、何かはぐらかされている感がある。「人は何歳でも美しい。それぞれの年齢にそこにしかない美しさがある」とか大声で言ってくれればいいのに、そしてそれを壮大な絵で表してくれればいいのに、どうもそうは言わない。悪役が「老いは美しくない。見たくない」とか言ったことに対して、納得いく答え的なものが出されないのだ。
「何が何でも死なせない」的な空気も年齢が上がるにつれ薄れる気がするし。
その後も作品内では若くて可愛いキャラばかり出てくるとか、若いキャラは若いキャラ同士で夢中になるとか。
美しさが正義。そして老いは美しくない。結局主人公サイド(作者)もそこはそう思っているのか? 一体何のためにそのテーマに触れたんだ? 何が言いたかったんだ? 分からないのは私の読解力がないせいだろうか。
そして私は若い頃から美しくないので「ケッ、結局世の中外見かよ」と思っている。
今一番共感できるセリフは「ハウルの動く城」のソフィーさんの「私なんか美しかったことなんて一度もないわ!」かな。
なんだかハウルの動く城が見たくなってきた。
イケメンや美少女を見ていると心が安らぐ、見ていて楽しい……
若者が好まれるのは生殖本能か? いやいや、そもそもマンガとかアルファポリスとか、私がよく目にする文化は若者向けだから?
それにしても若者がお爺さんやお婆さん、おじさんやおばさんばかり好んで描くというのは私のイメージにない。若者は大抵目や胸が大きい女の子や、髪がサラサラなイケメンばかり描くイメージだ。それが当たり前すぎて理由も分からない。
私も自分のマンガで若者的なキャラを描いていた。
その理由、まず一つ目は、自分の経験が浅くても子どもや若者ならなんとなく描けそうな気がするから。
何年も生きているという設定のキャラであっても、見た目が若者や子どもであれば、表現するのは「人生の深み」というより「そういう感じのキャラ」である。それでいい気がする。
しかしお爺さんやお婆さんをメインに描くなら人生について理解していないといけない。
何時代を生きてこられたのか、どんな体験をされたのか。あやふやにしてはいけないだろう。
おそらく、犬を飼っていない人が描いた犬マンガや、子どもを育てていない人が描いた子育てマンガは、「この人実体験はないな」というニオイがするはず。
それと同じで、人間レベルの低い私が深みのある人を描こうとしても、きっと「見た目は大人・中身(作者)は子ども」なキャラになる。浅さがすぐにバレ、魅力不足になるはず。
だから頭の悪い私が経験豊富なキャラを描くのは難しい。
そして二つ目、絵的にも年齢の表現は難しい。
今時のイケメン美少女の絵は大抵、判で押したように同じに見えるので(昔の絵にも流行があったのだろう)、美男美女キャラは大体見慣れた感じを目指せばいいんだろうけど、おじさんやおばさんの絵は若い子キャラに比べあまり見かけないから自分の絵柄で練習しないといけない。若いキャラは目や口を並べておけばとりあえずは描けるけど(それでも私はうまく描けない)、おじさんおばさんキャラはもっとハードルが高い。
三つ目。「何を言ったら人が傷つくのか分からない」
これが一番大きいかもしれない。
私は失言王である。「なんでそんなこと言うの!」と人からよく怒られた。
未だに何がいけなかったのか分からない、というかなんで怒られたか思い出せない。けれど思ったことをズケズケ言えば良いというものではない、くらいのことは学んだ。なので、どこまで触れて良くてどこから触れちゃいけないのか分からない場合はいっそ近づかない。
人生の深みとか社会の問題とか、繰り返す人類の歴史とか人間の本質とか差別と偏見とか、そんな重くて深いことを頭をひねって考えつつ表現に悩むよりも、大きな目とツヤツヤの髪のキャラクターでも描いていた方が気楽なのだ。私は頭パーだから。
さて、マンガは若い子向けの文化の印象があるとは言っても、色んな年代をテーマにしたマンガはあるようだ。特にコミックエッセイとか。そういったものに読者が求めるのは「共感」だろう。
が、若者向けのストーリーマンガにもしばしばテーマとして「老い」は登場する。
そして大抵の場合私は、その作品が何を言いたいのか分からない。
例えば人種差別やいじめの描写を出されて、それに主人公が「やめろ! そんなことはいけない!」と怒り、世界の闇と戦う。何が何でも大切な人を守り抜こうとし、大切な人が死なないように奮闘する。そんな勧善懲悪なら分かりやすい。
が、老いがテーマだと、何かはぐらかされている感がある。「人は何歳でも美しい。それぞれの年齢にそこにしかない美しさがある」とか大声で言ってくれればいいのに、そしてそれを壮大な絵で表してくれればいいのに、どうもそうは言わない。悪役が「老いは美しくない。見たくない」とか言ったことに対して、納得いく答え的なものが出されないのだ。
「何が何でも死なせない」的な空気も年齢が上がるにつれ薄れる気がするし。
その後も作品内では若くて可愛いキャラばかり出てくるとか、若いキャラは若いキャラ同士で夢中になるとか。
美しさが正義。そして老いは美しくない。結局主人公サイド(作者)もそこはそう思っているのか? 一体何のためにそのテーマに触れたんだ? 何が言いたかったんだ? 分からないのは私の読解力がないせいだろうか。
そして私は若い頃から美しくないので「ケッ、結局世の中外見かよ」と思っている。
今一番共感できるセリフは「ハウルの動く城」のソフィーさんの「私なんか美しかったことなんて一度もないわ!」かな。
なんだかハウルの動く城が見たくなってきた。
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☆ ★ ☆ ★
こちらは以前投稿したエッセイです。宜しければ覗いていってください。
国語の教科書の印象深い作品(エーミールのクジャクヤママユ、クラムボン、偉そうなエラソーニ)
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