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命の価値ってだんだん下がるの? 生まれてきた意味も生きる意味も分からないのに死を受け入れなきゃならないの?
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以前お子様が多いSNSで若い子から「友達になろう」と話しかけられ、年を聞かれたので素直に答えた。すると相手の方は若干動揺し、「年上だったんですね」とおっしゃり、何日かすると会話は途絶えた。
あんまり仲良くなれずに終わったので、私は年齢を気にされたんだろうかと思った。私は気にしないんだけど、相手が気にするならしょうがない。
私もその何年か前までは子どもだったんだけどな。「話通じない感」があったんだろうか。それともしつこくしてしまったのかな。私の言動は関係ないかもしれないがちょっと残念だ。
どうも近年日本では若い子がもてはやされる。いや昔からか。萌え絵というか、大きな目をしたおっぱいの大きいツヤツヤの美少女や、同じくツヤツヤの美男子キャラばかり目に付く。テレビでもどんどん若い人が出てくるし。みんな若くてピチピチな子がお好みなのだろうか?
若い子は若い子が好き、そしておじさんやおばさんも若い子が好き、若い子は見ていて楽しい、美しい、可能性と夢がある……だとしたら若さに需要があるのもしょうがない。
若さというとまず頭に浮かぶのは恋、つまり繁殖。多感な時期を迎え、乗り越え、やがて若い世代が子孫を残す。年を取ると繁殖の役目は終わる。
若者や子どもは次世代を担うとよく言われる。次の世代を背負い、バリバリ働き、まだまだ生きるから価値があるのだと。
一方老いはどうも死と結びつけられる。映画などでもお爺さんやお婆さんが登場すると、この人亡くなるのだろうかと身構える。老いと死は自然な流れであり避けられないとはいっても、何かそれ以外にないのだろうか?
また、老いや死に関するテーマはたまに創作の中でも人の意見でも見かけるが、どうもあんまり納得のいく答えを見かけない。世の中に「人は若い世代に命を繋いで死んでこそ素晴らしい」みたいな潜在的美学を感じる。
これがどうにも受け入れがたいというか怖いというか、逃げ場もないのに逃げ出したくなる。
いつか死ぬのはしょうがないにしても「誰が死ぬべきか?」みたいな風潮は嫌いなのだ。まだ私が悟れていないからだろうか。
まだまだ生きる命と明日死ぬかもしれない命、重みの違いなんてあるのだろうか。
自然界なら老いれば誰かに食べられるとか、エサを取れなくなるとか、ケガや病気とか、そんな最後なのだろう。自然の摂理……それも残酷かもしれない。でも医療が発達したおかげで命の選択が多くなって、命に関するやり取りがされて、それもなんだか怖いのだ。誰を生かすとか死なすとか、それはもうお天道様や運命的なものが決めることではないのか。
子どもや若い人に対しては、余程残虐で身勝手で欲望の塊みたいな人間を除けば、世間の意見は概ね一致している。宝であり、守るべき存在だと。
命を繋ぎ、未来を託す。そんな子どもや若者が死ぬべきではない。
さらに子どもや若い子は可愛い、美しいとされ、芸術的にも愛される。絵に描かれるのは今も昔も、若い人が多いだろう。そう感じるのは私がそういうものばかり見たせいだろうか。
そんな空気を感じていたから子どもの頃は、自分が存在していい、生きているのは当然だと思えた。
しかしその先の年齢の人間に関しては、一般の方の意見を見ていても、急に冷酷なものがチラホラ見えて怖い。
私の気のせいなのか? 本能なのか? やけに死にたがり、死なせたがっている気がする。
働きアリも労働寿命を長くするため、若いアリに安全な巣の中の仕事をさせ、年老いたアリに危険な外での仕事をさせるというけれど。人間界にもそういう意図を感じてならない。
思えば受験なども、「受験生のみんな頑張れ!」とか言いつつ戦わされているんだよな~、なんて疑問と不信感を抱いたものだけれど。今でも何かどんよりとしたものが拭えない。この空気の正体は一体なんだろう。
子どもを生まない女に価値はない。年齢が上がっても何者にもなれなかった人間は負け犬。
「そんな言葉どうだっていい」と笑い飛ばして勝ち気でいたいものの、少しずつ少しずつ、胸に刺さって離れない言葉が蓄積されていく。毒みたいな概念に押しつぶされそうだ。
立派な人間は人や社会の役に立たなければいけない。人間の失敗作は見放され、新しい命の育成に力が注がれる。大切なのは未来ある若者と成功した人間であり、それ以外に構っている余地はない。
今「未来ある若者」である子の中にも、思ったようになれないまま年を重ねる子はいるのだろう。
教育界は毎回改良、改良。今は脱ゆとり教育だそうである。
このままじゃ生きる希望が見出せない。誰か言ってくれないだろうか?
すべての命が尊い、誰も無理して去る必要はない、ここに存在していいのだと。
私はまだ若い人に道を譲りたいと言えるほど人生で輝いたことがないし、満足したとかもういいかなとか、そんな境地に至れる気がしない。何年経ってもチャンスを得たいし何歳でも諦めたくない。
努力できる性格でもなかったから落ちこぼれたのだろうし、論点をすり替えているのかもしれないけれど。年上の人が年下の人に何もかも譲るべきというのは辛い。しかしもちろん若い感性の芽を摘むべきではない。
私は誰かの老いをあまり体感してはいないし、自分が孤独死することへの危機感もまだ持てない。現実を見ていないから勘違いしたり美化したり想像でものを言ったり、思考レベルが低かったりするのだろう。だけどやっぱりこの世は飲み込めないことだらけだ。
あんまり仲良くなれずに終わったので、私は年齢を気にされたんだろうかと思った。私は気にしないんだけど、相手が気にするならしょうがない。
私もその何年か前までは子どもだったんだけどな。「話通じない感」があったんだろうか。それともしつこくしてしまったのかな。私の言動は関係ないかもしれないがちょっと残念だ。
どうも近年日本では若い子がもてはやされる。いや昔からか。萌え絵というか、大きな目をしたおっぱいの大きいツヤツヤの美少女や、同じくツヤツヤの美男子キャラばかり目に付く。テレビでもどんどん若い人が出てくるし。みんな若くてピチピチな子がお好みなのだろうか?
若い子は若い子が好き、そしておじさんやおばさんも若い子が好き、若い子は見ていて楽しい、美しい、可能性と夢がある……だとしたら若さに需要があるのもしょうがない。
若さというとまず頭に浮かぶのは恋、つまり繁殖。多感な時期を迎え、乗り越え、やがて若い世代が子孫を残す。年を取ると繁殖の役目は終わる。
若者や子どもは次世代を担うとよく言われる。次の世代を背負い、バリバリ働き、まだまだ生きるから価値があるのだと。
一方老いはどうも死と結びつけられる。映画などでもお爺さんやお婆さんが登場すると、この人亡くなるのだろうかと身構える。老いと死は自然な流れであり避けられないとはいっても、何かそれ以外にないのだろうか?
また、老いや死に関するテーマはたまに創作の中でも人の意見でも見かけるが、どうもあんまり納得のいく答えを見かけない。世の中に「人は若い世代に命を繋いで死んでこそ素晴らしい」みたいな潜在的美学を感じる。
これがどうにも受け入れがたいというか怖いというか、逃げ場もないのに逃げ出したくなる。
いつか死ぬのはしょうがないにしても「誰が死ぬべきか?」みたいな風潮は嫌いなのだ。まだ私が悟れていないからだろうか。
まだまだ生きる命と明日死ぬかもしれない命、重みの違いなんてあるのだろうか。
自然界なら老いれば誰かに食べられるとか、エサを取れなくなるとか、ケガや病気とか、そんな最後なのだろう。自然の摂理……それも残酷かもしれない。でも医療が発達したおかげで命の選択が多くなって、命に関するやり取りがされて、それもなんだか怖いのだ。誰を生かすとか死なすとか、それはもうお天道様や運命的なものが決めることではないのか。
子どもや若い人に対しては、余程残虐で身勝手で欲望の塊みたいな人間を除けば、世間の意見は概ね一致している。宝であり、守るべき存在だと。
命を繋ぎ、未来を託す。そんな子どもや若者が死ぬべきではない。
さらに子どもや若い子は可愛い、美しいとされ、芸術的にも愛される。絵に描かれるのは今も昔も、若い人が多いだろう。そう感じるのは私がそういうものばかり見たせいだろうか。
そんな空気を感じていたから子どもの頃は、自分が存在していい、生きているのは当然だと思えた。
しかしその先の年齢の人間に関しては、一般の方の意見を見ていても、急に冷酷なものがチラホラ見えて怖い。
私の気のせいなのか? 本能なのか? やけに死にたがり、死なせたがっている気がする。
働きアリも労働寿命を長くするため、若いアリに安全な巣の中の仕事をさせ、年老いたアリに危険な外での仕事をさせるというけれど。人間界にもそういう意図を感じてならない。
思えば受験なども、「受験生のみんな頑張れ!」とか言いつつ戦わされているんだよな~、なんて疑問と不信感を抱いたものだけれど。今でも何かどんよりとしたものが拭えない。この空気の正体は一体なんだろう。
子どもを生まない女に価値はない。年齢が上がっても何者にもなれなかった人間は負け犬。
「そんな言葉どうだっていい」と笑い飛ばして勝ち気でいたいものの、少しずつ少しずつ、胸に刺さって離れない言葉が蓄積されていく。毒みたいな概念に押しつぶされそうだ。
立派な人間は人や社会の役に立たなければいけない。人間の失敗作は見放され、新しい命の育成に力が注がれる。大切なのは未来ある若者と成功した人間であり、それ以外に構っている余地はない。
今「未来ある若者」である子の中にも、思ったようになれないまま年を重ねる子はいるのだろう。
教育界は毎回改良、改良。今は脱ゆとり教育だそうである。
このままじゃ生きる希望が見出せない。誰か言ってくれないだろうか?
すべての命が尊い、誰も無理して去る必要はない、ここに存在していいのだと。
私はまだ若い人に道を譲りたいと言えるほど人生で輝いたことがないし、満足したとかもういいかなとか、そんな境地に至れる気がしない。何年経ってもチャンスを得たいし何歳でも諦めたくない。
努力できる性格でもなかったから落ちこぼれたのだろうし、論点をすり替えているのかもしれないけれど。年上の人が年下の人に何もかも譲るべきというのは辛い。しかしもちろん若い感性の芽を摘むべきではない。
私は誰かの老いをあまり体感してはいないし、自分が孤独死することへの危機感もまだ持てない。現実を見ていないから勘違いしたり美化したり想像でものを言ったり、思考レベルが低かったりするのだろう。だけどやっぱりこの世は飲み込めないことだらけだ。
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☆ ★ ☆ ★
こちらは以前投稿したエッセイです。宜しければ覗いていってください。
国語の教科書の印象深い作品(エーミールのクジャクヤママユ、クラムボン、偉そうなエラソーニ)
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