せめく2

月澄狸

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ヨジノボリ

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命ってなに?
魂ってなに?
性ってなに?
死ってなに?

みんな怖くないの?
どうして普通にしているの?

嘘でいいから誰か教えて
納得させて
腑に落ちないの
怖いの

お兄さんやお姉さんや
お父さんやお母さんのように
誰か甘えさせて

それが叶わないならば
気持ち悪いと思われるならば
所詮他人ならば
せめて支柱をください

飛べないのは分かっているの
視界が狭くて不安で不安で
つる植物のように
安定した足場を探りながら
しがみつきながら
上へ上へと

見渡したいの
何も分からないけれど
俯瞰したって何も見えないけれど
何か分かったような気にならないと
不安で不安で

努力は報われるとか
嘘だとしても
どこかへ向かっているような
ゴールや目的があるような
そんな幻を見ていないと

ふと気づくと
真っ暗で空っぽな気がして
何もない気がして
不安で不安で

……いや
「何もない」の向こうに
静寂が……
解放が……
救いがあるのだろうか?

いつか死ぬのに何を構築するの?
どうすれば勝ちで
なんのために勝つの?

幽霊なんていないとすれば
死後の世界なんてないとすれば
この手に触れる感覚や記憶は
何のためにあるの?
泣くためにあるの?

救われる?
恨まれる?
何かを踏み台にすれば
いつか自分も踏み台となる?

本当に救われるべきは
屠殺される名もなき動物たちで
私なんかが救いを求めるのは
おこがましいのか

踏んでも踏んでも気づかない
上下左右も分からないのに
絡みつきながら
上へ上へと


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